漏れなく、まんべんなく、組み合わせに注意しながら予定を組もう!!
デイサービスの利用者様に共通する悩み…
最近、病院とデイサービス以外で外に出てない。
昔は月1回必ず旅行に行っていた方でも数年旅行に行けてない方も珍しくありません。デイサービスの外出は「外出のチャンスが滅多にない」利用者様にこそ価値があるイベントです。
しかし、そこには「日程調整」の問題があります。
- どの利用者様をどの日に振り分けたらいいか基準が分からない。
- せっかく振り分けたのに「なんであの人と一緒に行けないの?」とクレームを言われるの嫌だなー。
- 当日、雨が降ったらやっぱり中止しないといけないの?
考えすぎて日程調整が進まないってなってませんか?
クレームを最小限にする日程調整は3ステップあります。
- 適切なタイミングで適切な作業ができるように段取りする。
- どこでつまづきやすいか知る。
- 失敗の原因を先に取り除いておく。
これらを踏まえながら日程調整するとスムーズに進みます。
【ステップ1】【何からやればいい?】外出イベントの日程調整の効率的な手順
外出イベントの日程調整って大変そう。
一気に企画を進めちゃいたい!
イベントの日程調整はどの工程もやるタイミングがあるわよ。
タイミングを無視して日程調整しても無駄になるわよ!
えっ、そうなの?
日程調整に関しては料理と一緒で順番が重要です。まずは、参加票が8割ほど集まるのを待ちます。
基本的には締め切りになるまでに「8割ぐらいは集まったなー」と思ったら調整しはじめてOKです。8割未満だと「やっぱり、私も参加する」ってなると、調整しきれなくなります。
楽しみにしてたのに、わし外出できへんのか?
楽しみにしてたのに行けないことほどショックなことはありません。
日程調整の順番は以下の通りです。
ただ、この順番でやっても日程を修正しなくていいわけではありません。調整したと思っても「想定外」のトラブルが起こることがあります。
日程の調整は「予備」を設けて再調整しやするしておくのがポイントです。
人、モノ、時間はちょっと余ってるぐらいがちょうど良いです。
外出イベントで使う車の確保
外出イベントに必須のものは「車」です。車がなければ外出イベントを実行できません。一見、デイフロア内で杖なしでふらつきなく歩かれる方でも外を歩くのは体に負担がかかるからです。
目的地まで歩くのは、難しいです。車は同じ部署でも他のスタッフ(相談員や管理者など)や他部署が外出イベントの時間に使う場合もあります。どの車をいつ使うのか報告しておきましょう。
そして、もう一つ重要なのが使う予定の車の構造です。
車を確保した
これで完璧!!
鈴木さん車椅子だけど乗れる?
しまった。車椅子乗ると乗車席が一人分減ってしまうわ。
そう、車種によっては車椅子を使用することで乗車席が一人分減る。
七人乗れる車でも車椅子が乗ることで6人までしか乗れないことがあります。
使用する車で注意すべき点。
- 使える車の数
- 利用者様は何人乗れるか?
- 後部座席の乗り方
- 車椅子席があるか?
- 車椅子席を使用すると何人分の席が減るか?
- 現地の道幅で通行できる車か?
ここで超重要なのが、確保した車で利用者様が何人乗れるか?
車の席の数が最大人数じゃないの?
車に乗れるかずは「ぎゅうぎゅう詰め」で乗れる人数です。私たち介護士でもぎゅうぎゅう乗ると移動中、かなりしんどくなりませんか?
なるほど、利用者様だったらもっとしんどいのね。
結局はあなたの事業所の上司の匙加減によるところもあるのですが…
利用者様が出来るだけゆったり乗れる人数がマックス乗れる人数です。一度、どの利用者様がいつの日程のどの車に乗るか手配してみましょう。
意図通り手配してみたら、上司に相談。
あとは微調整です。
ワゴン車の後部座席には、ADLの高めの方に乗っていただくのが無難です。
チェックリストで利用者様全員の参加を取れてるか確認
外出イベントのお知らせと同時に作って欲しいのが「お知らせ」のチェックリストです。
お知らせを配っても見ないで家に置きっぱなしの利用者様もいます。
そんな方に限って「私も行きたかったのに〜」って外出イベントが始まってから言われます。
そこでチェックリストです。
まずはお知らせを配布しているか?それから、参加票を回収しているか?
これらをいつでも確認できるチェックリストです。
配布はしているけど、回収できていない利用者様には早々に「外出イベントに参加するかどうか?」直接確認する必要があります。
次に「参加・不参加」のチェックリストです。
参加票が返ってきたらどの利用者様が参加するのかチェック。
不参加の方も参加票を提出しているかどうかの確認の意味でも確認しておきます。
「配布・回収」のチェックリストと「参加・不参加」のチェックリストは1枚にしておくと確認しやすいです。
【利用者様の参加が微妙な場合】
今度のみかんがり参加されますか?
う〜〜〜ん。どうしようかな?
迷ってる。
では、とりあえず参加にしておきますね。
もし、「やっぱりやめとく」となった時は当日でも良いのでスタッフにお伝えいただければ結構ですよ!
それでお願い!!
返事が微妙な時は「とりあえず参加予定」にしておくのがベスト。
後から「参加したい」と言われても、車の席が満員だったら行けないからです。
参加予定にしておくと、席の確保はできます。
予約一杯のところを新たに席を設けるのは、スタッフや車の調整に時間がかかります。
でも、当日に枠を空席にするのは特に調整は要りません。
基本的には各日程一人分程度、予約枠を空きましょう。
参加票はお知らせから切り取れるように「切り取り線」を設けておくと良いでしょう。
使える車と人を「予定枠」にして利用者様の日程を振り分ける。
「車の座席=参加できる利用者様の枠」が基本的な考え方です。
送迎を組んだことのある方は「送迎表」をイメージしてください。
車椅子の席も含めて何人まで乗れるか?
その日に使える車の座席に利用者様を振り分けます。
最大人数を超えないように各日程に利用者様を振り分けます。
日程振り分けの手順
- 車椅子や週1回利用など、再調整が難しい利用者様から各日程のどの車のどの座席に座っていただくか振り分ける。
- 仲の良い利用者様(絶対外せないメンバー)を一緒の車に乗せる。
- 週2〜3回の利用者様を振り分ける
- 仲の良い利用者様(絶対外せないメンバー)を一緒の車に乗せる。
- 週4回以上、誰とでも仲良くできる方あるいは一人でも問題ない方を空いている日程に振り分ける。
- 振り分けに漏れがないか確認する。
調整の難しい方から日程を確定して、いつでも誰とでも大丈夫な方を空いている日程に振り分けていくと調整しやすいです。
ここで注意すべきは「スタッフの席」も必要ということ。
運転手しか乗らない場合は大丈夫です。
同じ車に助手が乗る場合、助手を一人同じ車に乗って連れて行く場合、さらにもう1席確保しなくては行けません。
よし、車の調整も完了。
利用者様に車に乗っていただいて…
絢音さん助手お願いします。
分かったわ。それで、私はどこに乗れば良いのかな?
しまったー。助手の席を確保するの忘れてた。
それじゃあ、私別の車で後ろからついていくわ!
絢音さん、申し訳ないです。
助手の目的は運転手のお手伝いとイレギュラーがあった際の問題解決。
助手の席も忘れずに車の手配をしましょう。
決まった予定を利用者様、家族様に伝える。
日程が決まったら利用者様や家族様に予定をお知らせします。
利用者様、家族様に伝える内容。
- 外出イベントに参加する日付。
- 当日持参するもの。
- 防寒具
- お土産代(買える場合)
- お賽銭(初詣の場合)
- 雨天の場合でも実施するかどうか
- 当日中止する場合、別日に振り返るかどうか
- 振り返る場合の振替日
予定だけでなく、当日に必要なものや注意事項も説明しておきましょう。
できれば、口頭だけでなくお手紙でもお知らせしておきましょう。
意外と利用者様や家族様は当日になるまで忘れています。
さらに、外出イベントの前日に電話にて再度お知らせします。
利用者様は忘れていますが、「外出したい」気持ちが強いからです。
もしもし、SAKURAデイサービスの櫻です。
はいはい♪
明日はみかん狩りの予定なのです。
現地は寒いので暖かい格好で来てくださいね。
明日みかん狩りか。忘れてたわ。
あと、みかんのお土産も買えるのでお土産代もご準備くださいね。
お土産も買えるんか。楽しみやな。
お土産に関してはあらかじめ、お土産表に必要なお土産の数を書いて提出してもらうと管理が簡単になります。
お土産票も外出イベントのお知らせの参加表欄に記入できるようにしておくと返事をもらいやすくなります。
必要な書類は出来るだけまとめておきましょう。
天候が悪いときは別日に変更。
外出イベントでコントロールできないものが「天候」。
毎日、外出イベントに2時間残業して準備しても雨天を変えることはできません。
天候を変えられないなら、日程を変えるしかありません。
雨天で日程変更のポイント
- 事前に予備日を2〜3日も受けておく。
- 週間天気予報で雨天の日が分かっていれば、いつに利用者様を振り分ける考えておく。
- 小雨程度なら決行するかどうか決めておく。
- 日程変更する時の説明の言葉。
雨天でその日の外出を中止する場合は、いつに外出を実施するのか利用者様や家族様に説明をしておきます。
それでも、「外出したい。」という利用者様がいる場合はどの程度の雨天なら実施するか上司や同僚たちと事前に決めておきましょう。
とはいえ、実施するべきかどうか微妙で判断に迷うこともあるでしょう。
そんな時は上司に最終判断を仰ぐのが無難です。
お花見など「桜を見る」のが目的の外出の場合は車の中で過ごしていただく手段もあります。
それでも延期、中止の説明って気が重いですよね?
絢音は基本的にはこのように説明しています。
鈴木さんに残念なお知らせです。
なんやろ?
今日は雨のため、お花見に行けません。
ただ鈴木さんは来週の木曜日(利用日)もご利用なので、その日に変更しようと思っています。よろしいでしょうか?
えっ!?行かせてもらえるの?
中止になるかもって思ってたから嬉しいわ。
もし、外出イベントの延期が難しくて中止する場合はそれを説明します。
中には、怒られる利用者様もいらっしゃいます。
でも、雨が降っていて地面がぬかるむと転倒リスクが2倍、3倍になります。
怒られるのは覚悟で説明してください。
怒る利用者様はいるかいないかぐらいの確率です。
9割は中止理由を説明すれば理解いただけます。
【ステップ2】「やってしまった!!」外出イベント日程調整でやってしまいがちな失敗5選
外出イベントで一番めんどくさいのが日程調整。
- 9割以上参加票を回収しないと始められない。
- 利用者様の相性を考えないといけない。
- 他部署との調整(特に車)しないといけない。
パズルのピースを組み合わせるような仕事です。
「めんどくさい」と思いながらやっていると失敗してしまいます。
利用者様のためを思って企画しているのに、逆にクレームが来てしまう。
これほど理不尽なことがありません。
実際に絢音がやってしまった失敗談を紹介します。
あなたは同じ失敗しないようにしてくださいね。
まずどんな失敗があるか把握しておきましょう。
車椅子の利用者様が乗車できない‼︎
車椅子の利用者様が車に乗れない!!
普通の座席しか残ってない…
車に乗れる人数だけを意識しているとよく起こるトラブルです。
よくある車の座席トラブル
- 車椅子の利用者様が乗れる座席がない。
- ワゴン車の後部座席に乗れる利用者様がいない。
- 車椅子が載らない。
座席に乗れないと外出イベントに参加できません。
座席トラブルが起こる原因は利用者様のADL把握不足と使用する車の構造の理解不足です。
座席トラブルがあると…
- 「私、外出できないの?」と利用者様を不安にさせる。
- 「ここのデイサービスはえこひいきする」とクレームになる。
- 「もうここのデイサービスに行きたくない!」と利用中止の原因になる。
座席トラブルを防ぐコツは余裕のあるスペースを作ることです。
例えば、運転手以外に6人乗れる車の場合4〜5までで組むことです。
1〜2人程度の座席の余裕があると想定外のことが起こっても対応しやすくなります。
1〜2人の余裕を持っていても結局乗れる人数ギリギリになることがありますよ。
外出先でカオスな状態に!!
1日ぐらいADLの高い方だけで外出の予定組も〜!
って、やっていると。外出当日…
みんなバラバラに動く!!
外出イベントでカオスな状態になると…
- 行方不明になる。
- 見守りが薄くなる。
- 転倒する。
- 他のお客様と利用者様がトラブルに。
- ほったらかしにされる利用者様が出てくる。
基本的に利用者様は待ってくれません。
年に数回しかない外出イベントだと、利用者様のテンションはマックスなので「ちょっと待ってください。」は通用しません。
カオスな状態にならないために、ADLや利用者様の個性をバランスよく組み合わせるのが鉄則です。
利用者様から「なんで一緒じゃないの?」ってクレーム
私たちでも、あまり仲良くない人とグループで外出させられるのって苦痛ですよね?
利用者様もほとんど喋ったことのない人よりいつも仲良くしているお友達と一緒に外出したいのです。
1回の外出で行ける人数には限りがあるので、全てのニーズを満たすのは不可能。
なので、絶対外せない利用者様の組み合わせを優先にします。
利用者様どうしの相性での組み合わせ方
- いつもお話しされている関係。
- 会話の数は多くないけど、なんとなく馴染んでいる関係。
- お互い深くは関わり合わない。
- 家がご近所さん
- 昔からの知り合い。
雨天なのに振り返られる日程がない。
スタッフではどうにもできないのが天気です。
外出当日、雨で中止しないといけないこと。
1年に数回しか外出できない高齢者にとって雨で中止になるとガッカリします。
お気に入りにバンドグループのライブが中止になるぐらいのガッカリさです。
予定を組む段階で2〜3日は予備日を設けておくと、雨で中止になっても振替えられます。
雨天の時の外出
- 予備日に振替える。
- 他の曜日に振替える。
- 外出を中止する。
- 車の中で過ごしてもらう(ドライブ)
外出イベントが近づいてきたら天気予報は要チェックです。
外出しようと思ったら車がない!
車そのものがないと外出を実施するのが不可能になります。
デイサービスの車は他部署や同じ部署の相談員などが使う場合もあります。
予定を組む段階でどの車をいつ使うのか確保しておきましょう。
他部署や上司に「この日、外出イベントでこの車を使います。」と宣言して下さいね。
【ステップ3】【失敗すると準備が台無し⁉︎】外出イベントの日程調整の5つのポイント
計画通りに準備を進めていても予想していなかったことが起こる。
挙句に利用者様は転倒するわ、「私声かけられてない」と言われるわで折角の計画がボロボロに。
こんなはずじゃなかったのに…
「どうすれば成功するか?」
絶対失敗しない方法はありません。
でも、「これをすると失敗する」という方法があります。
それは日程調整のポイントを無視して計画を進めることです。
これら5つをクリアできないと利用者様からのクレームは間違いなしです。
ここを押さえておくとイレギュラーがあっても解決しやすくなります。
利用者様同士の相性。
では、みかん狩りに行きましょうか。
ひろしさんいる。
あいつ自慢話ばっかするから嫌い。
あいつが一緒なんやったら、わし行くのやめる。
デイサービスの最難問の一つ「人間関係」。
子供同士なら「喧嘩」することで仲良くなることがあります。
相手の良いところを認めることができるからです。
でも高齢者ともなると、価値観が固まりすぎて相手を受け入れるのが難しくなってきます。
利用者様同士の相性を考えるポイント
- 仲のいい組み合わせ。
- 一緒になると必ず喧嘩してしまう組み合わせは除外。
- 利用者様の個性。
利用者様の中には「あまり他人に関わられたくない」という方もいます。
そんな方はあまり他人に干渉しない利用者様か一人でも楽しむことのできる利用者様と同じ組み合わせにします。
利用者様の個性で押さえておくべき点
- おしゃべりするのが好き。
- あまり他人に関わられたくない。
- 人に指示されるのが嫌い。
- 気持ちの浮き沈みが激しい。
- 攻撃的。
- 一人でも楽しむことができる。
- 特定の人としか交流しない。
組み合わせ方は調整の難しい利用者様から組み合わせていき、一人でも大丈夫な利用者様のように誰と一緒でも問題ない方を後で微調整して組み合わせます。
私もここは毎回頭悩ませています。
各日程で使える車はどれか?
外出イベントに車は必須です!
最初に確保すべきが車。
高齢者の外出なので徒歩では不可能です。
でも歩ける利用者様だけの日なら大丈夫じゃないの?
みんな一斉に「疲れた、歩けない」って言い始めたらどうよ?
一人じゃ絶対無理。
デイフロアで歩ける方でも外出すると条件は変わってきます。
歩ける方でも屋外で歩行すると転倒リスクが高くなる
- 石や階段など段差で足が引っかかりやすくなる。
- 前日が雨だったら、地面がぬかるんでいる。
- 一斉にバラバラに行動し始めることもある。
- スタッフに比べて注意力が落ちる。
- ちょっとした強風でもふらつく。
外出イベントの目的は「歩行訓練」です。
もちろん、近くの公園まで移動するという歩行訓練もあります。
しかし、今回の場合は外出イベント。
現地に行けば歩く機会があります。
わざわざ現地まで徒歩で移動して転倒リスクを上げる必要はありません。
琴音さん、明日外出イベントだけど車の確保大丈夫?
はい、大丈夫です。
明日、特養の受診でワゴン車1台使うけど車足りる?
ワゴン車使おうと思ってたので足りないです。
特養に伝えるの忘れてた!
よくある車のミス
- 使える車の数が足りない。
- 使いたい車が使えない。
- 他部署に外出当日に使う車を伝えていない。
- 当日、参加する利用者様全員が車に乗り切れない。
- 車椅子の方のスペースを忘れて日程を組んでいた。
- 利用者様のADL変化の確認不足で後部座席に乗れない。
- 車の動作不良(車椅子の昇降機など)を把握できていなかった。
- 車内に荷物(車椅子を含む)を置くスペースが足りない。
外出イベントの中には荷物の量が大きくなるものもあります。
車の座席に置かないと実施できないこともあるので座席は1〜2人分余裕を作っておきましょう。
車種によっては、車の座席に利用者様を移乗して席ごと上り下りするものもあります。
その場合荷台に車椅子を折りたたんでで載せなくてはいけません。
そもそも荷台に車椅子を含む荷物を置くスペースがあるのかも確認してください。
意外と車椅子を忘れがちです。日程を組んだら車に乗るかどうか確認してね。
利用者様の認知症状を含めたADLの組み合わせ。
ADLの組み合わせは利用者様どうしの相性と同じぐらい重要。
なぜなら、物理的に実施不可能になるからです。
例えば、車椅子の方1人しか乗れない車に車椅子の方2人の組み合わせで予定を組むと…
座席は空いているのに、利用者様が1人車に乗れなくなります。
ADLの組み合わせでの失敗
- 利用者様のテンションが上がりすぎてみんなバラバラに行動し始める。
- 後部座席に乗れる利用者様がいなくて、座席は空いてるけど利用者様が車に乗り切れない。
- スタッフの指示を聞かなくなる。
- 全員車椅子移動、ガッツリ歩行介助で時間がかかる。(冬場だと風邪をひきやすくなります)
- 利用者様全員への見守りが薄くなり転倒。
- 車の乗り降りに時間がかかりすぎてクレームに。
事前に予測しておかないと収拾がつかなくなります。
出発できないのにただ時間が過ぎるだけ。
そうならないように、ADLの組み合わせも外出イベントで配慮しましょう。
ADLの組み合わせで配慮すべきポイント
- 車椅子の方が車に乗り切れる。
- 後部座席に乗れるのは要支援の方ぐらいふらつきなく歩行できるも組み合わせる。
- ADL(認知症も含む)のバランスをとる。
- 介助量が多い方や重度の認知症で常時見守りの必要な方はマンツーマン以上で対応。
- しっかりさんや健脚の方でも、外出するとスタッフの指示を聞かなくなる方は要注意!
- 日程を組んだら、その組み合わせで事故なく安全に実施しにくいポイントをイメージして洗い出す。
初めて外出イベントを計画する時、外出時の利用者様の情報ってほぼないに等しいです。
必ず、外出イベントを企画した先輩か上司と一緒に日程を作っていきましょう。
ここまでしていても、必ず想定外は起こります。何が起きても落ち着いて行動できるようにしておきましょう。
参加希望者の利用曜日。
デイサービスの外出イベントは、利用者様の利用日にサービスの一つとして提供します。
うーん28日は予定枠いっぱいだから…
26日にヒロシさんの予定を入れようかな?
26日は木曜日だからひろしさん利用曜日じゃないよ!
えっ、そうだったの?
利用曜日じゃないのに外出の予定を入れてしまうと行けません。
予定を組むときに前利用者様の利用曜日を把握しておきましょう。
どうしても利用曜日と違う日でないと外出イベントに参加できない場合は、別の日に設定することもあります。
利用日以外の日でイベントの予定を設定する手順。
- 外出イベント実施可能な日を設定する。
- 設定した日に他のサービスがないか提供票とケアマネで確認。
- 利用者様や家族様に利用曜日の変更あるいは追加利用を提案。
- ケアマネに利用日の変更あるいは追加を報告。
- 外出予定日を利用者様、家族様、ケアマネに報告。
お一人暮らしの方の場合、ご自分の予定を把握してないことがあります。
その場合、必ずキーパーソンの方とケアマネに事前に相談しておきましょう。
ヘルパーの予定や病院受診の予定が入っているのに振替利用、追加利用したら他の事業所や利用者様に迷惑がかかります。
予備日の設定。
予備日がなくても外出イベントを実施できないというほどではありません。
でも、予備日があることで日程調整をしやすくなります。
予備日を設定するメリット
- 天候が悪くても予定を振り返られる。
- 利用者様が私用で予定日にお休みになっても行けるチャンスがある。
- 「私もいきたかったのに」と言われる利用者様に対応できる。
外出イベントではどんなに準備をしていても必ず想定外のイレギュラーが起きます。
予備日を設けておくと、対応しやすくなります。
折角の外出イベントだから、希望される方に気持ちよく参加していただきたいですよね。
まとめ
「何から調整すればいいか分からない。でもクレームは出したくない。」
そんなあなたがやるべきことは3ステップあります。
- 適切なタイミングで適切な作業ができるように段取りする。
- どこでつまづきやすいか知る。
- 失敗の原因を先に取り除いておく。
外出イベントで最優先すべきはクレームが出ないこと。利用者様は外出するだけで喜びなのです。
日程調整を失敗すると…
この記事を見返したり、先輩や上司に手伝ってもらいながら日程調整をしていきましょう。
外出イベントの企画をサクッと進めたいのであればこちらの記事をご覧ください。
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