結論:送迎に少しでも早くなれるために基本の6つの仕事を覚えよう。
デイサービスの職員になったら絶対に避けられないのが
送迎業務です。
他のサービス業のお客様とは違い、足が悪くて外出するのも困難。
デイサービスは送迎があるからこそ利用者様にきていただけます。
送迎中は運転手だけが頼りでしかも
送迎の仕事は大まかに「6つの仕事」があります。
- 送迎の6つの仕事
・運転の仕事
・送迎助手の仕事(運転手の補助)
・家族様対応
・ヘルパーとの連携
・送迎用の車の管理
・利用者様の移乗・移動介助
助手で送迎に出る時は運転手と協力してこの仕事をします。
いずれ一人で送迎するとこれら全てがあなたの仕事です。
新人介護士のうちにこの三つの仕事を把握するだけで送迎は楽になります。
送迎の仕事のゴールがわかるからです。
そして、この6つの仕事は利用者様を安全に送り迎えするのに欠かすことができません。
これらの一つでもミスをしてしまうとトラブルが発生します。
人を喜ばせるために介護士になったのに、人を傷つけてしまうなんた本末転倒です。
でも、送迎の基本をおさえていれば・・・・・
職員だけでなく、利用者様や家族様からも頼りにされる介護士になれます。
しかも、送迎を一人できるようになるということは「あなたがデイサービスの売り上げに貢献している」ということです。
例えば6人送迎したら大雑把に約6万円売り上げに貢献していることと同じです。
しかも送迎の6つの仕事をマスターすれば、他のデイサービスでも働けます。
是非、送迎の基本「6つの仕事」をマスターして下さい!!
送迎の不安も「知らない」ために起こるものです。
送迎にどんな仕事があるか分かれば、あなたの不安は軽減できます。
私も初めて送迎に出る時はドキドキでした。送迎の基本をめんどくさがらずに習慣にすれば、誰でも不安なく送迎業務をできるようになりますよ。
【運転業務】「今日も迎えにきてくれて嬉しいわ」。利用者様が安心して乗車できるほどの運転技術。
運転できないと、利用者様を迎えに行くことはできません。
でも、デイサービスに就職していきなり送迎に出ることは稀です。
事業所が「安全運転」と判断する基準とあなたが「安全運転」と判断する基準が違うからです。
デイサービスの送迎に出られるようなるのにしないといけないこと。
まずは、送迎に慣れることです。
そのためには「送迎の流れ」、つまりどんな手順でで送迎の仕事をするのかを把握する必要がります。
「運転が正直苦手で・・・・・」
そんな方でも順序よく運転技術を上げられれば、座位が安定しないぐらいのADLの送迎もできるようになります。
利用者様に安心してもらえる運転技術の3ステップ
- 運転免許を取る(AT限定でも可能です)
- 運転免許+利用者様の体が傾かない運転
- 車や人の流れを見ながら運転できる。
運転免許を取っただけでは、送迎業務のための運転技術としては不十分です。
なぜなら、少しの揺れで座った状態でも椅子から転落したり、車酔いされるような高齢者も乗車されるからです。
軽自動車しか運転できなかった私はハイエースを運転できるようになりました。
【ステップ1】運転免許を取る(AT限定でも可能です)
運転免許証がなければ話になりません。
運転免許証を取るのに一番効率的なのが自動車教習所に通うことです。
これから教習所に通って免許をとりにいく人もいるでしょう。
教習所の種類
- 合宿免許・・・短期間に集中して泊まりがけで自動車教習を受ける教習所。「最短で2週間で取れる」と謳っている教習所もあります。
- 通常の教習所・・・自宅で通うタイプの教習所。一般的に1ヶ月〜2ヶ月で免許取得できる。
「初心者マーク」の状態では送迎に出させてもらえない可能性が高いこと。
ということは、免許がなかったらデイサービスクビになるの?
デイサービスに配属になったということは事業所はあなたを「うちには必要な人材」と思われているということ。
免許がなくても、これから取りに行けばOK!!
ちなみに私の元上司(女性)も、デイサービスで働きはじめの頃は運転免許がない状態で仕事の休みの日に教習所に通っています。
7年後にはハイエースを難なく運転できるぐらいになっています。
今は運転できなくてもこれから免許を取りに行けばOKです。
【ステップ2】運転免許+利用者様の体が傾かない運転
高齢者を乗せて送迎をする場合、一般的な安全運転では利用者様に「安心だ」と思わせることはできません。
一般的な運転の3要素と高齢者を乗せて運転するポイントを踏まえた運転が利用者様を安心させることができます。
まず、運転の3要素ですが
高齢者は私たちと比べて繊細な体です。
車が少し揺れただけで、利用者様は体のバランスを保てずに倒れてしまうぐらい。
次に高齢者を乗せた時の運転のポイントですが・・・
高齢者の送迎時の運転ポイント
- 急ブレーキ、急ハンドル、急発進はNG
- 乗り物酔いしやすい人、100歳以上の人はできるだけ短め送迎。
- マンホールや鉄板の上を通るのはできるだけ避ける。
- 砂利道やカーブの多い道を避ける。
- 通行したことのない抜け道を送迎中に通行しない。
- 送迎に使う道は運転手が決める。
- 状況の変化に応じて判断する。
運転初心者や運転に自信がないあなたは、まず「認知」、「判断」、「操作」ができるように練習してください。
自動車の運転技術は「経験」が大きく左右します。はじめてあなたの運転で送迎に出る前は、教習所の教科書をもう一度読み込みましょう。
【ステップ3】車や人の流れを見ながら運転できる。
まずは、運転中は見たものを材料に判断しないといけません。
- 狭いのに車が複数入っているからこの道を使うのは避けよう。
- 前に車が止まっているから車線変更をしよう。
- 前からどこを見てるか分からない自転車が近づいているから徐行しよう。
運転中は、教習所でやった「危険予測」とは違って静止画を見るわけではありません。
時間が経つと状況が変わり、見えるものも変わります。
違う動作(例えば右左折するときなど)目で見て安全確認をしないといけません。
交通状況を把握するために車や人の動き以外で見ておくべきポイント
- どこの道路が渋滞しているか(渋滞しやすいか)
- 周囲の車の運転手がどんな表情をしているか
- 道路のコンディション異常(濡れている、凍結しているなど)
- 他の自動車、自転車、歩行者の動き
- 見通しの悪い交差点の把握
- 視界
- 逆光
目で見れるところだけでなく、目に見えない部分にも注意を向けないといけません。
特に自分の心の状態で運転に影響します。
焦り、イライラ感、不安の感情はわずかな対向車の運転手の表情を見過ごす元になります。
交通ルールを守れないのはどういう時?【自分の運転の癖を見つける】
もちろん、交通ルールは意識して守るだけです。
でも、交通違反がなくならないのも現状です。
交通ルールを守るなんて楽勝じゃない。
送迎時間おしてるし、ちょっとぐらい黄色信号で進んでもいけるや。
と思っていると大事故に・・・・・
交通違反をしてしまうのは気持ちが乱れてしまう時です。
早く行きたくても、事故をしてしまうと余計に時間を浪費してしまいます。
交通ルールは自分が違反してしまう条件をあらかじめ想定しておくことが交通ルールを守り準備になります。
車を運転する限り、交通事故を起こす確率を0%にするのは不可能‼︎
車を動かす限り交通事故を0にすることはできません。
でも、交通事故を起こすと軽い接触事故でも「110番って何番だったけ?」と思ってしまうぐらい判断力を失います。
そんなときは「事故処理マニュアル」があると冷静に事故処理をするきっかけになります。
できれば、事故処理マニュアルは常に持ち歩くか車の乗せておきましょう。
万が一、起こったときの事故処理の流れ
- けが人を救護する。
- 事故車を安全な場所へ移動させる。
- 警察へ通報する。
- 相手を確認する。
- 事故状況を確認する。
- 事故車を修理工場へ。(これは施設の判断が必要になります)
素早く、的確にが事故処理の鉄則です。
交通事故の処理が終わったら、あとは事故報告書の作成です。
次同じ事故を起こさないためのものです。
そもそも、交通事故は事故は起こさないにこした事はない。
事故を起こしやすい人の共通点があります。
よく事故を起こす人たちの共通点
- 軽はずみな行動をすることが多い
- 「多分大丈夫だろう」と危険予測が甘い
- 瞬間湯沸かし器。些細なことでカッとなることがある
- 相手がどんな気持ちになっているのか想像できない
- 送迎にで初めて1年以内
送迎は運転だけじゃない。利用者様の安全・安心に関わる助手の仕事。
デイサービスの送迎で初めてやる仕事が「助手業務」です。
助手業務は運転以外の全ての送迎業務です。
助手付きの送迎では運転手と連携しなければ安全な運転はできません。
また、送迎でひとり立ちすると運転と助手の仕事を全て自分だけでこなさなくては行けません。
助手の仕事は運転と同じぐらいボリュームと責任のある仕事です。
助手は運転手と連携することで、交通事故やトラブルを防ぐことができる
助手にはどんな仕事があるのか分からないと運転手と連携は取れません。
助手の業務の仕事を把握しましょう。
送迎助手の仕事
- 送迎車までの移動、移乗介助。
- 荷物の確認。
- 朝の服薬状況の確認。
- ヘルパーからの引き継ぎ。
- 施設からのお知らせ。
- 運転補助の業務(車をバックさせる時の後方安全確認)。
- 利用者様の健康チェック(バイタル確認、検温)。
- 帰宅後に依頼されていることの実行。
- 申し送り。
利用者様が安心して安全にデイサービスで1日過ごしていただくために送迎はその始まりの部分です。
運転手と助手の連携が取れていないと、利用者様は不快な気持ちであるだけでなく怪我や病気の悪化に繋がります。
運転手によっては、横柄であったりすぐにキレてしまうような運転手もいます。
そんな時こそ、コミュニケーションを密にしておく必要があります。
運転手として問題がある場合は都度上司の報告しておきましょう。
2人での送迎は連携することでイレギュラーに対応しやすいのがメリットです。
利用者様は時間が経つにつれて状態が変化しやすいので、常に送迎車内の様子観察する
送迎中にトラブルが起こることがあります。
- 利用者様どうしの言い争い(けんか)
- 体調の急変
- シートベルトを外す
- 車椅子や座席からの立ち上がり
- 車内の備品の故障、破損
- エアコンの故障
- 傾眠(車が揺れた際に頭をうつ)
送迎中、運転手は運転に集中しなければいけません。
そこで、こういったトラブルがあったら助手が対応します。
送迎中は車内に状況が変わったところはないか気づけるようにしておきましょう。
利用者様の体調の急変やエアコンの故障など、助手だけでは対処困難な事態に関しては運転手にも相談して対処を決めましょう。
送迎中に利用者様の体調が急変する場合があります。
自宅到着時に簡単な体調確認をしておきましょう。
感染症対策の基本は体温チェックです
事業所で体温チェックのルールがなくても常に持参しておくと利用者様の体調がよくない時に参考のデータになります。
送迎車から降りるときに手指消毒をしておくと便利です。
嘔吐物は素早く処理するのが基本。
車内に嘔吐物処理セットを最低1セットはおいておくと便利です。
何があってもステイクールに対応できるようにしておきましょう。
申し送りの処理(報告、連絡、相談)をできていないと、大きなトラブルに‼︎
送迎時の申し送りは落としてはいけない仕事の一つです。
家族様と施設をつなぐ数少ない接点が「送迎」だからです。
申し送りって何?
申し送りとは、「情報を伝える」という意味です。デイサービスでは「スタッフ⇄スタッフ」、「スタッフ⇄利用者様、家族様」に情報を伝えたり、聞いたりすることです。特に家族様から受け取った申し送りは他のスタッフにも伝えないと依頼ごとを達成できなかったり、ケガや病気を悪化させる元になります。申し送りの重要度によっては利用者様に実害がなくても「申し送りもれ」自体が介護事故とみなされる場合があります。
家族様から伝えられた申し送りはどれも重要なものです。
送迎時に家族様から伝えられる申し送りの内容
- 入浴の中止
- 利用日の追加
- デイサービスの欠席
- お薬の変更
- 入浴時の処置の変更
- 自宅での利用者様の様子
- 食事形態の変更
- 在宅介護で困っていることの相談
- その他、家族様から施設への依頼ごと
どの申し送りも聞きそびれると利用者様のケガが悪化したり、体調が急に悪くなったりする原因です。
あるいは、家族様が抱える「介護の悩み」を解決できたのでのにできなくなることもあります。
家族様が話し始める前にメモを取り出す。
そして、送迎が終わったらすぐに他のスタッフにも伝える。
この2つを意識的に行うのが申し送りもれを防ぐ最善策です。
2人送迎の時は、家族様や施設から聞いた申し送り2人で共有するようにしましょう。そして、申し送りの報告は助手だけでなく運転手も報告して下さい。
荷物の管理は信用問題
デイサービスで多いクレームが「荷物の返却忘れです」。
送迎時によくある返却忘れ
- 連絡帳
- 杖、歩行器(車椅子も使用されている場合)
- ご本人の持ち物
- 入れ歯(車内で外されて)
- 帽子
- カバン(荷物が多い)
単純に返却自体を忘れる時もあれば、違う利用者様の荷物と入れ違えて渡してしまう場合もあります。
荷物の返却ミスは利用者様や家族様に不信感を与えてしまうだけです。
帰りの送迎前と自宅到着時に確認作業をすることで、返却ミスを防ぐことができます。
送迎時に返却忘れを防ぐポイント
- 送迎前にお送りする利用者様のメンバーを確認。
- 利用者様のメンバー分の荷物と連絡帳があるか名札を見て確認。
- 荷物と連絡帳の数を数える。
- 荷物と連絡帳以外で利用者様の持ち物があるか確認してから送迎に出発。
- 自宅到着時、名札を確認して家族様に荷物と連絡帳、杖などのその他の持ち物を返却する。
名前の書かれていない荷物は返却ミスの元。
家族様や利用者様に確認して名前を書いておくようにしておきましょう。
ちなみに、わたしの職場では連絡帳は描き終わり次第利用者様のカバンに入れています。
そして、荷物は利用者様が座っている椅子の後ろへかけておくようにしています。
送迎時も利用者様ご本人に持っていただいています。
いいか悪いか施設によって判断は分かれるところです。
でも、荷物の返却忘れを減らす最も有効な手段です。
この方法で、荷物の返却忘れは大幅になくなりました。
家族様にとって送迎職員はデイサービスの受付窓口です。
家族様がデイサービスの介護士と直接顔を合わせるのは送迎職員です。
いわば受付窓口でデイサービスの看板になっているのです。
家族様への接遇をミスるとクレームや利用中止になることもあります。
送迎職員は事業所と家族様をつなぐ「受付窓口」です。
家族様からの悩みを解決できるかどうかはあなたの申し送りの受け取り方、伝え方にかかっています。
送迎時の家族様からの申し送りでおさえるポイント
- 家族様からの申し送りは漏れなく他のスタッフに伝える。
- 家族様からの依頼を受け止める。
- ご本人とご本人の関係にも注目する。
送迎職員は利用者様のご家庭の様子を垣間見ることができます。
デイサービスのスタッフは、ただ利用者様や家族様の依頼をこなすだけではダメです。
利用者様や家族様の隠された悩み(潜在的なニーズ)にも気づく必要があります。
気づくことは信頼関係につながるのです。
家族様からの申し送りはもれなく他のスタッフに伝える
家族様からの申し送りは大切な利用者様の情報です。
情報がないのに利用者様を介助するのは、自動車のどこがブレーキが分からず運転するようなもの。
些細な申し送りの報告もれは大きな事故につながります。
昨日、おばあちゃん散髪しました。
という情報でさえも他のスタッフに申し送りそびれると・・・
- 昨日散髪したのに、なんで洗髪したの?
- あなたのところのデイサービスはそんな簡単なこともできないの?
- もし、これが頭をケガしていて医者から洗髪中止を指示されていた場合はどう責任を取るの?
利用者様や家族様の悩み事を増やすことになります。
申し送りは、他の職員と重なってしまってもいいので速やかに他のスタッフや上司に報告しましょう。
新人職員の間は「何を報告すればいいか分からないこと」も多いです。
「何を報告すればいいか分からない」時は家族様から聞いたことを全て報告しましょう。
家族様から申し送りされる内容
- 利用者様の自宅での様子。
- 家族様からの依頼ごと。
- 最近の病院受診の結果。
- お薬の変更。
- 何気ない雑談。
何気ない雑談でも利用者様や家族様の隠れたニーズが垣間見えることがあります。
気になる雑談についても申し送りをしておきましょう。
家族様からの依頼を受け止める
送迎時に家族様から依頼を受けることがあります。
- 来週の水曜日病院受診するのでお休みします。
- 今日は私の帰りが遅くなりそうなので最後の送りにしてくれる?
- 来週の土曜日急に私の予定ができたので追加で利用できないかしら?
- 次の散髪の予定を入れてくれますか?
- 昨日パーマを当てたので、今日は入浴中止してください。
もちろん、これも報告漏れするとクレームにつながります。
すぐに自分では判断できないような依頼もあります。
その場合、一度デイサービスに持ち帰って上司に報告。
上司から家族様に連絡してもらうようにしてもらいましょう。
家族様からの依頼を受ける事ができるかどうかは所属長(上司)が判断すべき事です。
家族様からの依頼は、事業所と家族様との信頼関係の基礎です。
ご本人とご家族との関係性に注目する
送迎時に利用者様ご本人と家族様との関係性がかい見えます。
送迎時に垣間見える利用者様と家族様との状況
- 家族総出で見送りするぐらい
- 常に罵声が飛び交っている
- 家族様の姿を見たことがない
- 家族様がご本人と別居されているのにほぼ毎日ぐらい送り出している。
- ご本人が家族様へのあたりが強い(あるいはその逆)
家族様がいなければ利用者様は自宅で生活することができません。
主介護者の家族様が利用者様ご本人をどれぐらい大切にされているかがわかります。
逆に家族様が知らず知らずのうちに利用者様ご本人に虐待している様子を見ることもあります。
「これって虐待?」と疑う具体例
- 送迎時に「とろとろ動きやがって」と利用者様へのあたりが強い。
- ほぼ毎朝、利用者様が尿失禁でぼとぼとなのに家族様の姿が見えないし、ヘルパーも使いたがらない。
- 家族様が常に疲れている様子。
高齢者虐待で注目しないといけないのは「家族様も支援の対象」という点です。
デイサービスのスタッフは、利用者様だけでなく家族様も支援の対象。
私たち介護士は仕事の時だけ介護をすればいいですが、家族様は常時利用者様ご本人の介護をしないといけません。
デイサービスやショートステイを利用している時以外は・・・・。
介護士のあなたがやるべきことは、「利用者様と家族様との関係性が悪いのかな?」と思ったら上司に相談することです。
介護士は観察力も問われます。家族様と利用者様本人との関係性の変化にも気づけるようにならないといけないです。
家族様の送り出し、迎え入れの有無は対応の仕方に影響あり
送迎の時の家族様の送り出し、迎え入れが「当たり前」だと思っていませんか?
でも、送迎時に家族様の送り出しがないことが増えています。
家族様の支援できない部分をサポートする。
デイサービスのスタッフは利用者様ご本人だけでなく、利用者様
高齢者が増えることで、デイサービスの介護士に求められるものが増えているのです。
初めていく送迎先は、送迎へ行く前に必ず「何か特別なことをしないといけないことはないか」上司やアセスメントシートで確認して出発しましょう。
送り出し、迎え入れのヘルパーの導入で考えなくてはいけない4つのこと
自宅到着から送迎車乗り込みまで10分以上かかる場合はヘルパーの導入を検討する必要があります。
ヘルパーを導入するかどうかの最終決定は家族様がします。
「迎え入れ・送り出し」のヘルパーの導入で配慮しないといけないこと
- 送迎時間(自宅の到着時間)
- ヘルパーとの申し送り
- ヘルパーとの連携(ヘルパーの動きを見ながら動く)
- 本当にヘルパーを導入する必要があるかどうか
ヘルパーを導入すると送迎時間を短縮できる反面、送迎時間を指定されるという制約があります。
例えば、朝の送り出しのヘルパーがヘルパーが9:30まで入っている場合は9:25に自宅へ到着している必要があります。
送迎時間に遅れるのはもちろん、早くてもいけません。
ヘルパーの導入時には送迎時間に注意!
もし、送迎の送り出し、迎え入れのヘルパーの導入が決まったら送迎時間に注意しましょう。
なぜなら、ヘルパーには「訪問介護」に入る時間がきっちりと決まっているからです。
他の事業所が困るようなことをすると、あなたのデイサービス自体の信用問題に発展します。
送迎時間を予測していても予定外の出来事で時間が遅れることがあります。
予定より大幅に時間が遅れることが分かった時はヘルパー(この場合は自宅に)やケアマネに報告して謝罪しましょう。
事業所によっては上司に報告するのがルールになっている事業所もあるので、あなたの職場がどんなルールになっているのか事前に確認しておきましょう。
渋滞等で止むを得ず遅れる時は、ケアマネやヘルパーの事業所に連絡しておきましょう。
ヘルパーとの申し送りを確認する
家族様の迎え入れ、送り出しがある時と同様にヘルパーからの申し送りを確認しておきましょう。
申し送りを聞き逃したり、メモしやすれて報告できなかったりすると大きな介護事故やクレームにつながります。
ヘルパーとの申し送りで確認すること
- 家族様からの申し送り事項
- 家族様からの依頼
- ヘルパーが「訪問介護」に入っている時間中の利用者様の様子
- デイサービスの準備物
- 利用者様の様子の変化に対するもの。
ヘルパーは「訪問介護」している時間のことや家族からの申し送り以外のことは知らないこともあります。連絡帳があれば、連絡帳に書かれている申し送り事項も確認しましょう。
ヘルパーと連携する
デイサービスの送迎職員とヘルパーに共通して言えることは
制限時間が設定されている
デイサービスの送迎職員は次の送迎先があり、利用者様は待っています。
ヘルパーも多くの場合、次の訪問先があります。
つまり、時間がないのです。
大事なところなのでご一緒に
時間がないのです!!
なので送迎職員とヘルパーが協力して利用者様を最短で送迎車に乗せるように連携しましょう。
ヘルパーも送迎職員も「迎え入れ、送り出し」という意味で同じ仕事をする仲間です。
こんな時はヘルパーの導入を検討しよう
ヘルパーの導入にもメリットとデメリットがあります。
【ヘルパーを導入するメリット・デメリット】
交通状況はタイミングや気象条件、日付や曜日によって大幅に変わります。
万が一、約束の時間に到着できない時の対応方法をケアマネと確認しておく必要があります。
また、ケアマネを導入することで利用者様の経済的な負担も増えることになるか他の介護保険サービスを減らさないといけない状況になることもあります。
ヘルパーを導入するときに本当にヘルパーの導入が必要か再度検討する必要があります。
目安としては自宅到着から次の目的地へ出発まで10分以上かかる場合はヘルパーの導入を検討すべきです。
デイサービスの送迎は「相乗り」が基本で、その間に送迎車内で待っている利用者様の状況が変化しているリスクが高くなるからです。
元気に見える高齢者も、時間が経つと状況が変わります。
家族様が働かれている家庭では、デイサービスに行く時の状況は送迎職員が一番よく知っていることになります。家族様やケアマネに朝の状況を知っていただくためにも必要であればヘルパーの導入を依頼しましょう。
送迎の前後で車両管理(大切な仕事道具の整備)できていますか?【車両トラブルは事故の元】
車は送迎するのに必須の道具です。
その道具を整備をすることは利用者様の安全を確保するのになくてはいけない作業です。
あともう少し。がんばれ!!
送迎のたびにタイヤの状態を把握する
まず、送迎前に確認しないといけないのがタイヤの状態です。
具体的には
- 冬用、夏用タイヤに交換
- タイヤの劣化状態
- 空気圧
- タイヤのローテーション
タイヤの状態は送迎時の安全に直結します。
送迎に出る前後で必ずタイヤの状態確認をしておきましょう。
「次の車検はいつか」、「車検の時に代車があるのか」確認しておく。
デイサービスにおいて車は利用者様をお連れする必須の道具。
そして、車は定期的に車検をしないと公道で走ることはできません。
そこでおさえておくべきポイントが
- それぞれの送迎車の車検時期はいつからいつか。
- 代車はあるか。
- 代車にリフト機能があるか。
- 代車がない状況で残りの送迎車だけで送迎の回し方。
車検は定期的に受けないと車を使えません。
でも、車検中は使える車が必ず少なくなる。
少ない車の数で利用者様全員を「いつもの時間通りに」「安全に」送迎するには、車検の状況を知らなければいけません。
車検は急に決まるものではなくて、予めわかっていることなのでいつから、どれぐらいの期間、どの車が車検に出すのか?
必ず、把握しておきましょう。
給油する基準を明確にしよう
たとえばこんな状況だったらどう感じますか?
さてと、車の周囲確認もしたし出発しようおっと。
その前にサイドミラーOK。
ルームミラーもOK。
ガソリンが・・・・
エンプティーランプ付きかけ。どうやってやり過ごそうかな・・・
給油の管理をできていないと必要な時に送迎車を使うことができません。
送迎車を使えないと利用者様の送迎を行うことができません。
送迎車の給油管理方法
- 給油メモリのどこの部分で給油するのか明確にする(私の職場では1/4以下になったら給油するというルールです)
- 給油時の走行距離を指定の記録用紙に記録する。
- 送迎の帰りに指定のガソリンスタンドによって行けるコースで給油する。
- 指定された給油メモリに近づいたら早めに給油の申し送りをしておく。
- ガソリンがなかったらどうなるかイメージする。
ガソリンのない車なんか、ただの鉄屑の塊だね。
知らない間にキズ、ヘコミはついていませんか?
送迎車は施設の車であって自分の車ではありません。
また、送迎車は施設の看板と一緒
施設の看板しかも車が傷ついていると・・・・
- あの施設の送迎の運転は大丈夫??
- あそこのクルマいっぱい傷つきまくっているからうちのおじいちゃんはいかせたくないな。
- 看板が傷だらけでどこの施設かわからない・・・
送迎車の傷はそのままデイサービスの信頼につながります。
なので、送迎の前後で車の周囲確認を行いましょう。
送迎の前後で実施する車の周囲確認
- 車のボディに傷やへこみがないか。
- ヘッドライトやブレーキランプが切れていないか。
- タイヤの空気圧は十分か。
- 送迎前と後で見慣れない傷やへこみはないか。
- フロントガラスが黄砂で見にくくなっていないか。
運転中にどれだけ気を遣っていても、動かす車が故障だらけだと利用者様を安全に送迎することはできません。
ブレーキランプが点灯していないと、後ろから追突されるリスクが上がります。
場合によっては、警察に止められて事情聴取。
最悪の場合、免許の点数が減点されたり罰金を払わされたりと。
そうならないために、送迎の前後で車の周囲確認はしておいて下さい。
送迎の前後の車の周囲確認は自分が接触事故を起こしていないことの証拠にもなります。自然と習慣化されるまで業務の一つとして業務の一部にしてしまいましょう。
デイサービスの送迎業務は移動・移乗介助(必須の介助スキル)を必ずやらなくてはいけない。
送迎に出るまでに最低限の移動・移乗スキルを獲得しておきましょう。
送迎時は送迎職員のみで移動・移乗介助をしないといけないからです。
1人送迎の場合
1人送迎の場合、助手と運転手の業務を全てしなければいけません。
1人で行える移動・移乗介助は行えるようにしておきましょう。
初任者研修のテキストに載っているような移乗介助、移動介助の基本スキルはマスターしておきましょう。
送迎にひとり立ちできた後に出てくる問題が「送迎時間の短縮」です。
最初は他の送迎職員よりも多めに時間設定されたり、不安の送迎先は先輩や上司がついてきてくれます。
それも長くて最初の1ヶ月まで。
それからは、自分でうまく時間の管理をしないといけません。
送迎時間を短縮するには
- 道の開拓。
- 介護技術の向上。
- 送迎時間に遅刻した原因の分析。
が必須となります。
1人送迎になれてきたらこの3つを意識しましょう。
介護初心者が初めにあたる移動介助、移乗介助の壁が「ベット位移乗」と「車椅子移乗」です。先輩介護士や上司に時間を取ってもらって、移乗介助の練習をしましょう!!
2人送迎の条件
自宅の環境やご本人のADLで1人では送迎できない場合があります。
- 車椅子がないと移動できないが、団地や階段の多い玄関に住んでいる利用者様。
- 利用者様の体重が重量級。(あえてここでは目安の体重は示しません)
- 床から車椅子に移乗介助しないといけない。
特に車椅子メインで移動しているご利用者様だと運動不足気味になりがち・・・
食べる量はすぐには減らないので、重量級な方も少なくありません。
移乗介助に失敗すると利用者様に大きな怪我をさせかねません。
無理せずに自宅の環境や利用者様の状態によって2人介助での送迎がベストです。
もし、送迎中に「この利用者様の最近、移乗中に急に膝折れあるから1人送迎じゃキツイな」と感じ始めたら定例会議や夕礼の場で「2人送迎」の提案をしましょう。
急に利用者様のADLが低下して全く立位自体不可能な場合は上司に直接相談してスピーディーに対応してもらいます。
2人送迎の場合、運転手と助手の連携が問われます。もう一度「運転手と助手の連携」について振り返ってみましょう。
家族の協力
送迎に関して、家族様の協力は得られるに越したことはありません。
具体的には
- 送迎に到着するまでの利用者様の排泄を済ませる。
- 利用者様の移乗介助の手伝い。
- あまりデイサービスへ行くのが乗り気ではないときの声かけ。
- 送迎車が到着してから他のこと気になってなかなか車に載ってくれない利用者様の尻を叩いてもらう。
- 利用者様の安心感。
送迎には時間制限があります。
時間内に送迎をこなすためには、使えるものはなんでも使いましょう。
たとえ、それが家族様であっても・・・。
家族様も利用者様に「早くデイサービスに行って欲しい」と思っています。利用者様が少しでも送迎車に乗れるように家族様の協力は最大限使いましょう。
移動介助を工夫しないといけない自宅の環境
自宅によっては、1人での送迎が困難な自宅の環境もあります。
ひとり送迎が困難な事例
- 団地(階段が狭い)
- 段差の多い玄関(50年移乗前に立てた一戸建てに多い)
- 自宅前の道路が狭い(すぐに利用者様に乗車してもらわないといけない)
- 庭が狭い上に段差だらけ。
- 車椅子がリクライニング式の車椅子。(玄関から出入りするのは難しい場合も)
特に築20年以上で、改築されていない住宅はそもそも車椅子が通ることを予定して作られていません。
短い距離なら歩けるか、全く歩けないかによって送迎の難易度は変わります。
ひとり送迎が困難な場合の対策
- 自宅用の昇降機を使う。
- 簡易式のスロープを使う。
- 2人送迎で対応する。
- 自宅を住宅改修する。
- 送り出しのヘルパーを導入する。
どの対策もお金がかかり家族様やケアマネに相談の必要なポイントです。
一般的には、簡易式のスロープや2人送迎が実現可能で現実的な手段となります。
送迎を行う上で困ったことがあればすぐに上司に相談し、ケアマネに報告してもらいましょう。ケアマネも知らないまま問題を放置しておくと後々、「送迎ができないのでデイサービスを利用してもらえない」という問題にまで発展します。
送迎でおさえておくべき6つの仕事
送迎はデイサービスの職員特有の仕事です。
相談員にならない限り、他の職場で送迎することはありません。
もちろん、送迎には事故のリスクや家族様の対応など入所施設ではないしんどさがあります。
しかし、利用者様の意外な一面や家族様から励ましの言葉など特養では決して味わえない介護職の素晴らしさを味わうことができます。
利用者様からしか「ありがとう」と言われないのと、家族様からも「あなたのおかげで私は助かるわ。」と言われるのとどとらが介護士として喜びを感じますか?
実際に声をかけてもらうからこそデイサービスの介護士はやめられない。
送迎の仕事にはそんな魅力があります。
どんな仕事でも業界研究が必須。
デイサービスで働きたいなら、1日の流れを理解するのが1番の早道です。
デイサービスでどんな仕事があるのかイメージできれば、楽しく仕事するのも夢ではありません。
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