
結論:安全確認ができない場面では助手が車から降りて安全なスペースへ誘導しよう!!

この記事の対象者
・はじめて送迎助手の業務をする介護士
・はじめて送迎に出る運転手の助手(介護士)
・狭路や対向車の多い場所の送迎へ行く助手(介護士)
です。

この記事でわかること
・助手が送迎車から降りて運転手を誘導する場面
・運転手を誘導する場所
・運転手を誘導する前に確認(目視)すべきポイント
です。
送迎の助手は運転手にとって生命線になることがあります。
なので、助手が運転手を安心させる運転の補助ができていないと・・・
- 運転手を不安にさせる。
- 無理な運転をさせて交通事故を起こす。
- 交通事故が原因で利用者様にケガをさせる→場合によっては死亡も。
安心、安全を提供するはずのデイサービスの送迎が
死ぬ可能性の高いドライブ
をさせることになりかねません。
送迎をより安全なものにするために
運転席からでは十分に安全確認できない場所で、助手は一旦送迎車から降りて目標の進行方向の安全確認、運転手の誘導を行う。
ほんの数十秒助手が降車して状況確認するだけで利用者様をケガさせたり、運転手がトラウマを持つに済むのです。
助手は事故を未然に防ぐための
最後の砦なのです。
今まで、降車して安全確認をことのない方は次の送迎から必ず、事故リスクの高い場所では降車して安全確認をする習慣をつけてください。
そうすることで、交通事故を起こさずに済みます。

具体的に事故を起こしやすい3つの場面について事故を防ぐ対策をお伝えします。
助手の動きで事故を未然に防げる

- 団地
- 旧村地域
- 旧道
- 路駐の多い道路
- 対向車の多い道路
送迎に出ると、見通しが悪かったりすれ違いにくい道路を通らないといけない場面が出てきます。
また、団地のように人と車の行き交いが多い場所では送迎車をバックさせないといけないことすらあります。
そこで、送迎の安全性を高めるのが
送迎助手です。
運転席からの死角が多いのは、教習所で習った通り・・・
運転席からだとミラーに映らないし、目視もできない部分ってあるんのよね。

基本的な送迎のルールとして・・・
運転手が目視もミラーでの安全確認ができない場所では
助手は送迎車から出て運転手を安全な場所に誘導することです。

ただ乗っているだけならバックモニター付きの車で十分です。助手は直接運転こそしないですが、判断することを必要とされるもう1人の運転手です。
【運転の支援ポイント①】後方確認すべき3つの場面

後方は運転席から見てもっとも死角の多い方向です。送迎車をバックさせるときは必ず助手は降車して車や人がいないのを確認しましょう。
- 運転手がどこへバックさせたいのか(目的の場所)
- 目的の場所付近に車、人がいないかどうか。
- 目的の場所付近に向かって移動する車、人がいないか。
- バックするときの車の軌道(障害物と接触しないかどうかの予測)
- 近くに子供やシルバーカーのを持った高齢者がいないかどうか(動きを予測しにくい人です)

自分も車にひかれないようにしないとね。
団地内を走行するとき

団地内は危険がいっぱいです。
- 道が狭い。
- 路駐が多い。
- 風景が同じで迷いやすい。
- 意外と対向車が多い。
- 人が多い(子供の飛び出しも多い)
こんなにも危険があるのに、運転席からの死角が多いのです。
特に、送迎車の後方には。
しかし、団地の道路が狭い故にバックをしないといけない場面があります。
ハイエースで団地へ送迎にいった日には・・・
怖くてバックさせられないですね。
特に私のように運転に苦手意識のある人には。
ベテラン運転手も油断大敵な送迎場所。

- 対向車が大きくてスレ違いが不可能な場合。
- 宅配便や引越しの大型トラックが路駐していて通り抜けられない。
- バックで方向転換しないと団地から出られない。
- ややこしいそうな運転手の車を避けるとき。
- 後方をついてきている車が明らかに送迎車より先の棟へ移動することが予想されるとき。
団地内でまったく送迎車をバックさせないことはあり得ません。
上記のような場面に遭遇したら、助手は一旦送迎車から出ましょう。
送迎車を他の車や障害物、人に接触しない場所にバックさせるように運転手に誘導の合図を送りましょう。

私の元職場でも、運転手が団地の敷地内でバックさせたところ駐車スペース内のポールに車を接触させるという事故が頻発していました。接触させてメンタルが落ちるより、助手が降車して確認する方が結果的に時間短縮になります。
狭い道で対向車とすれ違えない

この場合は、送迎車の方がバックさせるのが原則です。
その理由は
- デイサービスの送迎車は「看板」を背負っているから。
- 交通マナーの基本は「自分が譲る」のが原則だから。
- 介護業界をあまりよく思っていない一般市民の方もいるから。
看板を背負って送迎しているだけに「道を譲らなかった」というクレームの電話があるとすぐに評判が出回ってしまいます。

介護施設には限りませんが、会社って周りの地域住民の方の理解がないと利用者様が減ってしまうんですよね。
しかし、これは原則です。
あえて道を譲らない選択の方が安全である場合もあります。
- 送迎車の後ろに後続車が来ていて、対向車の後続車がない。
- 明らかに送迎車の方が左に寄せるスペースやバックする余裕がない。
- 後方に障害物(電柱など)がある。

対向車に道を譲らないという選択肢をする場合は、対向車の運転手に会釈をするなどお礼の意思を示しましょう。
方向転換する

送迎車の出入り口を利用者様の自宅の玄関側につけるのが原則です。
なので、利用者様が乗車した後その先が行き止まりだったり使用している送迎車が通れないほど狭い道だったりする場合があります。
その場合は利用者様宅のガレージや方向転換できるスペースへバックさせて方向転換させる必要があります。
- 方向転換しないと送迎車を先に進めない。
- 利用者様との約束で送迎車を自宅のガレージに駐車しないといけない。
- 次の送迎先にが送迎車の後方(一旦来た道を戻る)にある。

方向転換する前に、バックさせるスペースの安全確認が必要です。助手が一旦降車して後方確認、運転手の誘導をすることで事故を未然に防げます。私も、助手が誘導してくれて事故せずに済んだ経験が多々あります。
【運転の支援ポイント②】幅の狭い道では前方も確認する

一般的に助手は車の後方を確認すれば事足りる場合が多いです。
しかし、送迎車は
高齢者を乗せています。
私たちよりはるかに体の弱い人です。
- わずかに振動がある。
- 急ブレーキ、急発進気味。
- 少し車の壁に擦れた。
だけで表皮剥離で完治までに1ヶ月以上かかることはザラにあります。
しかも、利用者様からは

あの兄ちゃんが運転して急ブレーキかけた。おかげで私は今でも右腕が痛いんや。あんたも気いつけや。
ってずっと言われる場合もあります。
なので、たとえ前方であったとしても幅の狭い道(車がギリギリで壁に当たらない)での走行する場合前方を助手が安全確認します。
- 送迎車を溝に脱輪させる。
- 民家の屋根瓦や電柱に送迎車を接触させる。
- 対向車と接触事故を起こす。
- 円石(地面に設置されている石やコンクリート)で送迎車を接触させる。
- 狭い路地からの人の飛び出しに気づかない。

狭い道って、運転席から安全に見えても外から見ると実は車と接触するよということがよくあります。私も助手に見てもらえてたら円石に車を接触させて傷付けなかったのにと後悔したことがよくありました。
【運転の支援ポイント③】見通しの悪いカーブでは助手は後方を確認する

これも対向車が来たときに、接触事故を起こしやすくなります。
見通しの悪いカーブを通過するときに対向車が来るとバックをしないといけないこともある。
つまり、対向車が来たからといってバックさせると後ろから来た後続車に衝突することがあります。
そんな場合
- 一旦、降車して後ろから誘導する。
- 降車すると危険な場合は送迎車の一番後ろから後続車の確認をする。
- 運転手にすぐに止まれるスピードで移動するようにお願いをする。
助手は利用者様の介助だけをすればいいのではなくて、運転手が事故をしないように補佐もしなければいけません。

理想的な助手の動きは、自分が運転手のとき、助手のやってほしい動きをすることです。1人送迎するようになると、自分が感じる助手の理想的な動きも変わってきます。
送迎の助手が降車して安全確認をしないといけないポイント


・団地を走行、狭い道で対向車とすれ違う、方向転換をするために送迎車をバックさせるときは必ず助手は降車して送迎車の後方の状況を確認する。
・障害物とギリギリ接触しない道幅の狭い道路を通過するとき、助手は送迎車の前方の状況も確認する。
・見通しの悪いカーブで、降車すると危険な場合は、送迎車の一番後方の内側から目視で状況確認をする。
運転席から見えない箇所は危険がないわけではありません。運転席からの人や他の車の動き、接触する可能性の高い道を通るときは助手も送迎車の周囲の状況を目視しましょう。
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