結論:自宅に到着したら必ず、利用者様の①検温、②前回との様子の違い違い③家族様から自宅での様子をお聞きする。
デイサービスの送迎業務はただ利用者様を迎えに行くのではなく、利用者様が1日健康的に過ごしていただけるようにサポートすることです。
送迎時にできることってそんなにないのでは??
と思っていると、送迎中に利用者様が体調不良になることがあります。
送迎中に利用者様の体調が急変すると困ること
- 送迎職員だけで解決しないといけない。
- 冷静になりにくく、適切な判断ができなくなる。
- みるみる利用者様の顔色が変わるのに時間ばかりが過ぎる。
考えるだけでも恐怖!!
そうならないために、利用者様の自宅に到着したら体調確認をしましょう!!(絶対)
それでも、送迎時に利用者様の体調不良を完全には予測できません。
急に利用者様が調子悪そうにしていると「どうしていいか?」分からなくなるものです。
そんな時は
判断に迷ったら上司や看護師に判断を仰ぎましょう。
利用者様の変化に気づく。判断に困ったら上司、看護師に相談する。
はい、繰り返して!!
【毎回やってますか?】乗車前の体調確認
私たち介護士が思っている以上に高齢者は短時間で体調が変化しやすいです。しかし、高齢者は我慢強さと「しんどい」という感覚が鈍くなっているという特徴があります。
自宅到着時にお元気そうに見える利用者様が「今日はふらつきがひどいな」と思って検温してみたら実は38度以上の高熱があったとうこともあります。
特に気温が低い状態が続く12月〜2月にかけて体調が急変する利用者様が増えます。場合によっては「感染症」になっている場合もあります。そうなると、他の利用者様にも感染させてしまう可能性があります。
特にインフルエンザやノロウイルスは感染力が強く一気に拡大しやすくなります。そうならないように、自宅到着時には体調確認をします。
乗車前検温と利用者様の様子観察は必須
利用者様の体調は変化しやすいです。
乗車前は元気に動き回っていたのに、車に乗ってしばらくしてから嘔吐してしまうと言うことがありえます。
実は高齢者って我慢強い人が多いんです。
明らかに顔が赤くなっているので検温すると38.6℃!?
って言うこともあります。
特にインフルエンザやノロウイルスは早期発見が感染拡大の鍵。
必ず乗車前の検温をしましょう。
ちなみに、非接触型の体温計がすぐに測れるのでオススメです。
さらに、利用者様の様子観察で体調の異変に気づけます。
そのためには、毎回利用者様の状況確認をしておく必要があります。
基本的にその日利用者様の申し送りは全て把握しておく必要があります。
通常の申し送りを把握しておくと、利用者様の様子観察で状態異常をいち早く気づけます。
送迎時、利用者様の状態確認だけでなく感染症予防や万が一のための連絡手段の準備も必要です。
送迎時に利用者様の健康管理に必要な物品
- 消毒液
- 携帯電話
- 万が一の時の嘔吐処理セット
絢音も送迎業務の時にお世話になっているアイテムです。体温に合わせて青色、黄色や赤色のバックライトに変化します。デイサービス欠席の目安として利用者様、家族様にも説明しやすいです。
家族からの申し送りを確認する
通所サービスと入所サービスの違いは
継続的に利用者様の様子を観察できるかどうか。
入所施設は生活の場なので、入居者を介護士が継続的に観察しています。
デイサービスの場合は、施設⇆自宅を行き来するので継続的に様子観察できません。
つまり、自宅にいるときの利用者様の様子は
家族様からの申し送りがすべてなんです。
ちなみに、サービス付き高齢者住宅から通われる場合もあります。
そんな時は、施設の職員から必要な申し送りを聞きましょう。
朝は家族様も忙しいので、必要なことを言いそびれることもあります。
送迎時、あなたから家族様に確認を取るようにしておきましょう。
送迎時、家族様に確認をすべき利用者様の申し送り事項
- 自宅での様子。
- 前回の病院受診の結果。
- 病状の回復具合(前回、体調不良で欠席されている場合)
- 歩行状態や表情にいつもと違う様子があればそれも。
- ケガがある場合は入浴の有無を。
多くのデイサービスでは「連絡帳」を作っています。
連絡帳があれば、連絡帳を開いて中に記載されている内容を確認します。
特に一人暮らしをされている方や家族の方がすでに出勤されていていない場合は連絡帳の内容が申し送りの全てになります。
連絡帳は施設によって書き方や見方、項目が違います。上司や先輩介護士から連絡帳の書き書き方、見方について聞いておきましょう。
乗車前の体調確認を怠ると乗車中に重大なトラブルが発生します
乗車前に利用者様の健康状態の確認を怠ると、送迎中に体調悪化する場合があります。
しかし、送迎車中で利用者様にできることには限りがあります。
しかも送迎の助手の業務のしながら・・・
いつもと違う状況の中で冷静に判断しづらくなる状況です。
乗車前の体調確認を怠ると・・・・
今日は送迎の時間カツカツだし、乗車前の検温省こう。
はい、櫻さん車に乗って下さい。
はーい。今日もデイサービス楽しみだわ。
10分後
うぷっ。
なんか気持ち悪くなってきた・・・。
琴音さん、ここで吐かないで〜!
もうだめ〜。
おえーーーーーーー。
琴音さんが嘔吐しちゃった。
とりあえず施設に報告して・・・。
でも、本人しんどそうだしな。
何から手をつけていいか分からない・・・・。
もちろん、その場で臨機応変に対応する能力が求められる場面もありますが・・・・
できれば事前に体調不良かどうかは見分けておきたいですよね。
なので、乗車前の検温と利用者様の様子観察はしっかり行ってから乗車していただきましょう。
乗車前の体調確認をしても、乗車中に利用者様が体調不良になることもあります。その場合、一旦車を安全な場所へ停めてもらって必要な応急処置と施設への報告をしましょう。意識がないなど緊急の場合はその場で119番通報をしましょう。
「何を見ればいいの?」利用者様の体調確認で気にすべき5つのポイント❤︎
介護士になるとよく聞く言葉「様子観察」。
どこを確認すればいいか分からない。
新人介護士でも利用者様の急変に気づけるようになるために、「ここだけは確認してほしい!!」という5つのポイントを解説します。
前提として、送迎中は運転に関する確認が最優先です。
どうしても、利用者様の健康管理のために運転を続けられない時は安全な場所に車を停車させます。
それ以外は、信号待ちなどのタイミングや安全確認で顔を動かすときに一緒に確認します。
後部座席の利用者様に関しては・・・
短時間で利用者様の体調が急変する場合もあります。
でも、後部座席を見ながら運転するわけにはいけません。
そこで、ルームミラーで後部座席に座っている利用者様の様子確認をします。
乗車前検温で37度以上あれば、ご利用を遠慮して頂くのが無難
利用者様が体調不良かどうかを決める一つの目安が「体温」です。
- 顔色が悪い。
- 体に震えがある。
- いつもより覇気がない。
これらは主観的な判断です。
実際には、体調不良でない場合もあります。
もちろん、主観的な判断も必要になってきます。
しかし、利用者様や家族様に納得させるだけの証拠になるとは限りません。
体温という「数字」があれば、誰が見ても納得できる判断材料になります。
ちなみに、私の職場では37℃以上あればご利用をご遠慮いただくというルールにしています。
乗車前に体調不良に気付けば、利用者様は一日しんどい思いをせずにすみますね。私たちでも高熱の状態で職場や学校にいるのって辛いですよね。
顔色の変化
- 青白い
- 黒っぽい
- 赤い
- 黄色っぽい
- 土色
体調によって人の顔色は変化します。
ポイントは利用者様の普段の顔色を把握しておくことです。
普段は白いのに急に赤くなったら、「のぼせているのか?」と判断できます。
特に冬場は血圧が急に変化しやす季節。
利用者様の顔色が変化したなと思ったら嘔吐したり、意識を失ったり・・・
送迎業務を行いつつも、「いつ利用者様の体調が変化するか分からない」という前提で様子観察しましょう。
一瞬で意識喪失にまで体調が悪化することもあります。
利用者様が話している様子の変化
送迎車中の会話でも利用者様の健康状態を知ることができます。
送迎車中の会話で観察するポイント
- いつもより滑舌が悪い。
- 声の高さ。
- 鼻声。
- 声がかすれている。
- いつもはよく話すのに、今日は静か。
- いつもは静かなのに、よく話す。
- 会話している時の呼吸が荒い。
「コミュニケーション」は利用者様の状態を知るためのツールです。
自宅到着時の検温では平熱。でも、鼻声で声がかすれているので再度検温すると、38℃以上ということもよくあります。
利用者様同士の会話を聞いておくのはもちろん大切です。
さらに、あなたからも会話に参加したり、声をかけてみることで利用者様の変化に気づけるようになります。
送迎職員から利用者様に声かけするサンプルトーク
- 暑く(寒く)ないですか?
- 鼻声みたいですが、体はだるくありませんか?
- 今日はいい天気ですね。
- 今日の朝食は何を召し上がったんですか?
コミュニケーションは利用者様の情報を得るツールです。言葉のやりとりと発声しているときの様子は貴重な情報源です。
体の震え
風邪症状で一番わかりやすい症状が体の震えです。
私の経験上、体の震えが始まったら38℃以上の高熱である可能性が高いです。
乗車前に体の震えがなくても、乗車後に急に体の震えが出てくる場合があります。
その時はまず、検温をして感染症を疑いましょう。
その後、施設に連絡して上司の指示を仰ぎます。
体の震えは明らかに普段とは違う状態です。すぐに検温と施設に連絡して上司の指示を仰ぎましょう。
咳とくしゃみがある時は原則欠席が無難。
咳とくしゃみは感染症を広げます。
咳とくしゃみの症状がある時は原則休んでいただくのが無難です。
咳やくしゃみで3〜5m先まで「飛沫」が飛びます。
インフルエンザやノロウイルスといった感染力の強い感染症だとすぐに感染が拡大します。
おばあちゃんにデイサービス行ってもらわないと仕事に行けないわ。
と、家族様が困ってしまう場合もあります。
咳やくしゃみがあっても、発熱や嘔吐などの症状がないかどうかも見ながらご利用して頂く場合もあります。
その場合、マスクを着用してもらって乗車してもらいます。
どの程度の風邪症状なら利用してもらうのかという問題は事業所によって考え方が変わります。
ケースごとに上司に相談しましょう。
咳とくしゃみの症状は感染拡大しやすい症状です。ただ、ぜんそく持ちの方も咳をされます。他に症状がなければマスクでデイサービスに来てもらう選択肢もあります。
迎えに行ったけど、体調悪い!?欠席して頂くかどうかの判断。
送迎に行ったけど、利用者様がいつもと様子が違う。
明らかに38℃以上の熱があって咳やくしゃみの症状がある場合は分かりやすく、「今日はおやすみしていただけませんか?」と声をかけやすいです。
体温は36.9℃で鼻水の症状がある。しかも、利用者様は行く気満々。
そんな時、あなただけで判断するのは危険です。
利用者様は急に体調が悪化しやすいからです。
とはいえ、お一人暮らしの場合デイサービスに来て頂く方が安全ということもあります。
上司や看護師はそんなときに判断してもらうための責任者です。
判断に迷うなら上司や看護師に連絡して判断を仰ぎましょう。
独居(一人暮らしの利用者様)の場合、利用して頂く方がいい場合も・・・
欠席するかどうかの問題は独居(一人暮らし)の利用者様の場合、来ていただいた方がいい場合があります。
同居の家族様がいないと、看病する人が誰もいないからです。
自宅で症状が悪化する場合もあるからです。
一人暮らしの利用者様に利用してもらうメリット、デメリット
デイサービスでもできることに限りがあるのがなんとも言えない点です。
時間がくれば、結局利用者様はひとりになります。
ずっとは、職員は利用者様に付き添ってはいられないからです。
私たち、デイサービスの職員にできることは
- 利用者様の経過観察をする。
- 血圧、体温を定時で測る。
- 体調が急変したら、キーパーソン、ケアマネ、上司に報告する。
独居の方でも、「どの程度の症状なら利用していただけるか」事業所によって考え方が変わります。
自宅に到着した段階で風邪症状があれば、上司に相談しましょう。
休んでもらうかどうか迷ったら上司か看護師に相談
利用者様に咳やくしゃみのような症状があればお休み頂くのが無難です。
デイサービスは病院ではないので、体調が急変しても応急処置や119番通報以上のことはできないからです。
しかし状況や症状、家族様の意向によって利用をご遠慮いただくのが難しい場合もあります。
「自分では判断するのが難しい」と思ったら上司や看護師に判断を仰ぎましょう。
上司に相談する場面
欠席してもらうかどか判断に迷うケース
- 利用者様ご本人が風邪を理由に利用を強く拒否している。
- 咳やくしゃみの風邪症状があるが、家族様が強くご本人の利用を望んでいる。
- 明らかに顔が赤いが、独居。
- 36.9℃の体温だけど、咳症状がひどい。
- 顔が赤いけど、平熱。
- なんとなくいつもと様子が違う。
(よくあるケース)
おばあちゃん、これぐらいだったらいけるでしょ?デイサービス行っておいで。
と中には強引にデイサービスに行かせようとする家族様もいらっしゃいます。
そんな場合で場合でも、安易に利用して頂くと自分で判断せずに「一度事業所に連絡させていただきます。」と上司に判断を仰ぎましょう。
万が一、デイサービスで体調が急変して不幸なことが起こってしまうと事業所の責任を問われかねません。
もし、「風邪症状があるけど、利用してもらう」という判断がでたら感染症対策をします。
送迎時は送迎職員が動かないといけません。送迎時に少しでも判断に迷ったら上司に相談しましょう。
看護師に相談する
欠席するかどうか、「デイサービスで健康管理できるかどうか?」という問題もあります。
健康管理できるかどうかに関しては看護師の判断を仰ぎます。
体の状態に関しては介護士よりも看護師の方が専門的に(正しく)判断できます。
看護師に相談する場面
- 送迎中に利用者様の体調が急変した。
- 利用者様が嘔吐している。
- デイサービスに来てもらうべきかどうか判断に迷う。
- 利用者様が意識喪失したけど何をしたらいいかわからない。
- 送迎中に利用者様が怪我をしているけど、どんな応急処置が必要かわからない。
介護士もある程度の医療知識がありますが、看護師には及びません。
餅は餅屋。やはり、健康管理に関することは看護師に相談するのが早いです。
ただ、看護師に相談する場合も上司に報告は必ずします。
この場合は、上司と看護師のどちらに相談した方がいいの??
と迷ったら、上司に相談します。
最終的な責任者は上司だからです。
体調不良系は看護師に聞くのが一番です。
【超重要】欠席の判断が出たら家族様に理由を説明する
デイサービスを欠席する=家族様が困る
でもあきらかに利用者様には欠席して持ったほうがいい場合
家族様が納得できる説明をすることです。
家族様に説明する内容
- 利用者様がどういう状態で
- 施設のルールがどうなっているから
- 本日はお休みいただきたい
という説明をしましょう。
デイサービスは利用者様に安全に利用していただくところです。
守るべき利用者様事態が体調不良では守れるものも守れません。
そして、それを説明して家族様の同意を得ることで家族様の信頼も守られます。
説明は家族様の同意を得る上でなくてはならないものです。
説明する力は家族様だけでなく、利用者様に納得していただくために必須スキルです。誤解の内容に正確に伝えましょう。
送迎車中でおさえる5つのポイント
- 乗車前検温で37℃以上あったら原則欠席
- 顔色の変化に気付く
- 利用者様が話している様子の変化には敏感に
- 体の震えがあれば欠席対象
- 咳とくしゃみがある時は原則欠席が無難
利用者様に欠席してもらう時は家族様に説明をしましょう。説明の仕方に迷ったら上司に相談。それ以外でも微妙な状況で判断に迷ったら上司に相談しましょう。
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