
結論:高齢者の体調は一瞬で変わります。普段と送迎時の様子の変化を観察しましょう!!

この記事の対象者
・デイサービスの送迎に携わる職員
・デイサービスの管理者、リーダー
・デイサービスに入職したばかりの新人介護士
です。

この記事を読むことで
・デイサービスで感染症の拡大を防げます。
・送迎中にいち早く利用者様の体調の変化に気づけます。
・送迎車中で利用者様が嘔吐したり、意識喪失があっても冷静に判断できます。
送迎中に利用者様が体調不良することになることがります。
送迎中に利用者様が体調不良になると・・・
- 送迎職員で行動しなければいけない。
- どう行動すればいいか判断できない。
- みるみる利用者様の顔色が変わるのに時間ばかりが過ぎる。
考えるだけでとても恐怖です。
そうならないためには乗車前に
利用者様の体調確認をしましょう!!
- 乗車前の検温
- 利用者様のいつもの様子との違い
- 家族様からの申し送り
を総合的に判断してデイサービスで安全に過ごしていただけないようであれば欠席していていただくのが無難です。
しかし、それでも送迎車中で利用者様が体調不良になることもあります。
また、判断に迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで覚えて欲しいのは
判断に迷ったら上司や看護師に判断を仰ぐことです。
そんなことかと思うでしょうが、実際に目の前で利用者様が体調不良になると冷静に判断しづらくなります。
そのためにはまず利用者様の変化に気づけるような観察力を養いましょう。

利用者様の変化に気づく。判断に困ったら上司、看護師に相談する。
はい、繰り返して!!
利用者様が乗車する前に利用者様の体調確認をしよう

高齢者は短時間で体調が変化しやすいです。乗車前に体調確認をすることで送迎車中で体調を崩すことを防ぐことができます。送迎車中で利用者様が体調を崩しても対応できません。
乗車前検温と利用者様の様子観察は必須

利用者様の体調は変化しやすいです。
乗車前は元気に動き回っていたのに、車に乗ってしばらくしてから嘔吐してしまうと言うことがありえます。
実は高齢者って我慢強い人が多いんです。
明らかに顔が赤くなっているので検温すると38.6!?
って言うこともあります。
特にインフルエンザやノロウイルスは早期発見が感染拡大の鍵。
乗車前検温をしないのは感染を広げてしまう元です。
- 検温(37度以上は欠席してもらう)
- 歩行状態(フラつき、足のひきづり、歩行時の痛み)
- 表情
- 呂律が回っているか
- 口元(入れ歯が入っているかどうか)
さらに利用者様の検温をするためには準備物がいります。
つまり
- 体温計(非接触型が便利です)
- アルコール消毒綿
- 携帯電話(送迎時の必須アイテム)
脇に入れるタイプの体温計もダメではないのですが・・・・
すごーく時間がかかります。
どれくらいかというと早くて1分。
非接触型だと約数秒以内で測れます。
送迎時に1分時間を浪費することで10分以上次の目的地に遅れてしまうことがよくあります。
なので体温計は非接触型をオススメします。

絢音も送迎業務の時にお世話になっているアイテムです。体温に合わせて青色、黄色や赤色のバックライトに変化します。デイサービス欠席の目安として利用者様、家族様にも説明しやすいです。
家族からの申し送りを確認する

「通い」の介護保険サービスで一番難しいところが
継続的に利用者様の様子を観察できない
という点です。
入所施設は生活の場なので、入居者を介護士が継続的に観察しています。
デイサービスの場合は、施設⇆自宅を行き来するので継続的に様子観察できません。
つまり、自宅にいるときの利用者様の様子は
家族様からの申し送りがすべて
ただ家族様も朝は忙しく、伝えそびれることもあります。
必要な情報は助手から家族様へ確認しましょう。
- 自宅での様子。
- 前回の病院受診の結果。
- 病状の回復具合(前回、体調不良で欠席されている場合)
- 歩行状態や表情にいつもと違う様子があればそれも。
- ケガがある場合は入浴の有無を。

利用者様の様子にいつもと違う点があれば家族様に質問しましょう。
ただ、家族様が日中就労されていているお宅もあります。
そんな場合は連絡帳を見ましょう。
家族様も利用者様を自宅で1人にさせるのに不安を感じています。
デイサービスでやって欲しいことや、自宅での様子などを書いてくれています。

連絡帳は施設によって書き方や見方、項目が違います。自分のところの連絡帳にはどんなことをかけるようになっているか見ておきましょう。できれば上司や先輩介護士から連絡長に味方について説明してもらいましょう。
乗車前の体調確認を怠ると乗車中に重大なトラブルが発生します

車中で利用者様が体調不良になってもできることが限られます。
- 利用者様に横になってもらう。
- 施設に報告の報告、相談をする。
- 嘔吐用の袋を準備する。
- 他の利用者様のケア。
しかも送迎の助手の業務のしながら・・・
いつもと違う状況の中で冷静に判断しづらくなる状況です。
乗車前の体調確認を怠ると・・・・

今日は送迎の時間カツカツだし、乗車前の検温省こう。
はい、櫻さん車に乗って下さい。
はーい。今日もデイサービス楽しみだわ。

10分後
うぷっ。
なんか気持ち悪くなってきた・・・。


琴音さん、ここで吐かないで〜!
もうだめ〜。
おえーーーーーーー。


琴音さんが嘔吐しちゃった。
とりあえず施設に報告して・・・。
でも、本人しんどそうだしな。
何から手をつけていいか分からない・・・・。
もちろん、その場で臨機応変に対応する能力が求められる場面もありますが・・・・
できれば事前に体調不良かどうかは見分けておきたいですよね。
なので、乗車前の検温と利用者様の様子観察はしっかり行ってから乗車していただきましょう。

乗車前の体調確認をしても、乗車中に利用者様が体調不良になることもあります。その場合、一旦車を安全な場所へ停めてもらって必要な応急処置と施設への報告をしましょう。意識がないなど緊急の場合はその場で119番通報をしましょう。
送迎中に利用者様の体調管理で意識すべき5つのポイント

様子観察といっても利用者様のどこを見ればいいのかわかりません。ここでは10年以上デイサービスでの介護士を続けている私が送迎中に見ている6つのポイントについて解説します。
乗車前検温で37度以上あったら原則欠席

「人によって平熱が異なる」という問題はありますが・・・・
私の職場では原則的には37℃以上で欠席という扱いをしています。
理由は
- デイサービスを欠席してもらう理由付けするのに一定の基準が必要。(基準がないと、極端な話38℃でも利用できるという話になってしまう)
- 一般的に高齢になると平熱が下がる(私のデイサービスでは平均が35℃台です)
- 高齢になると高熱になっても我慢強いので、様子だけではわからない。
「数字」で基準を提示することで利用者様や家族様の「これぐらいだったらいけるだろう」という判断に待ったをかけることができます。
学校であれば、体調管理は基本的には学生がしなければいけません。
でも、デイサービスの体調管理はデイの職員でしなければいけません。
乗車前に体調不良に気付いて、その日は休んでいただことが「ケア」になることもあります。

乗車前に体調不良に気付けば、利用者様は一日しんどい思いをせずにすみますね。私たちでも高熱の状態で職場や学校にいるのって辛いですよね。
顔色の変化

- 青白い
- 黒っぽい
- 黄色っぽい
- 土色
体調によって人の顔色は変化します。
もちろん、普段から青白っぽい顔色の方もいます。
ここでのポイントは
普段と比べての顔色の違いです。
高齢者は顔色が変化するとあっという間に体調が変化します。
なので、利用者様の普段の顔色をどんな色か観察しましょう。

一瞬の判断で意識喪失にまで体調が悪化することもあります。瞬間、瞬間の様子観察と判断が布石になります。利用者様の観察力をつけるためのポイントは「他の職員と利用者様の話をする」です。アウトプットするために観察するのが最も効率的です。
利用者様が話している様子の変化

送迎の車中では利用者様が「あまり関わられたくない」という思いを持っていない限りは積極的に会話をしましょう。
会話をすることで
- 利用者様の関心ごとを知ることができる。
- ろれつが回らないことにいち早く気付くことができる。
- 会話のやり取りで認知症状の進行を確認する。
ろれつが回らないという変化は一つの病状の進行を疑うことができます。
これも普段との違いを見分けましょう。

コミュニケーションは利用者様の情報を得るツールです。言葉のやりとりと発声しているときの様子は貴重な情報源です。
体の震え

風邪症状で一番わかりやすい症状が体の震えです。
私の経験上、体の震えが始まったら38℃以上の高熱である可能性が高いです。
乗車前に体の震えがなくても、乗車後に急に体の震えが出てくる場合があります。
その時はまず、検温をして感染症を疑いましょう。
その後、施設に連絡して上司の指示を仰ぎます。

体の震えは明らかに普段とは違う状態です。すぐに検温と施設に連絡して上司の指示を仰ぎましょう。
咳とくしゃみがある時は原則欠席が無難。

咳とくしゃみは感染症を広げます。
咳とくしゃみの症状がある時は原則休んでいただくのが無難です。
ただ、家族様は
おばあちゃんにデイサービス行ってもらわないと仕事に行けないわ。

と困ってしまいます。
なので、他の風邪症状も見ながら
マスクを着用してもらって乗車してもらいます。
この辺のところは、施設によって対策の分かれるところなので直属の上司に確認を取りましょう。

咳とくしゃみの症状は感染拡大しやすい症状です。ただ、ぜんそく持ちの方も咳をされます。他に症状がなければマスクでデイサービスに来てもらう選択肢もあります。
デイサービスを欠席してもらうかどうかの判断に迷ったら

送迎に行ったけど、利用者様がいつもと様子が違う。でも、家族様は利用者様にデイサービスに行って欲しい。そんな微妙な時は自分で判断せずに然るべき人に判断を委ね、家族様に納得のできる説明をしましょう。
上司に相談する

- 36.9℃の体温だけど、咳症状がひどい。
- 顔が赤いけど、平熱。
- なんとなくいつもと様子が違う。
欠席してもらうべきかどうか微妙な場合があります。
しかも、そんな場合に限って家族様は
おばあちゃん、これぐらいだったらいけるでしょ?
デイサービス行っておいで。

と中には強引にデイサービスに行かせようとする家族様もいらっしゃいます。
この場合、送迎職員で判断はできません。
送迎職員で判断できないものは
上司に判断を仰ぎます。
無理をして自分で判断すると・・・
結局、送迎車中やデイサービスに到着してから体調不良になってしまいます。
もし、それがインフルエンザにすでに感染している状態だとすると
感染拡大になります。

送迎時は送迎職員が動かないといけません。送迎時に少しでも判断に迷ったら上司に相談しましょう。
看護師に相談する

体調管理に関しては看護師に聞くのが一番です。
- 送迎中に利用者様の体調が急変した。
- 利用者様が嘔吐している。
- デイサービスに来てもらうべきかどうか判断に迷う。
- 利用者様が意識喪失したけど何をしたらいいかわからない。
- 送迎中に利用者様が怪我をしているけど、どんな応急処置が必要かわからない。
体調管理に関することは介護士で対応するのは限界があります。
もちは餅屋に
専門家に判断を仰ぐのが一番です。

体調不良系は看護師に聞くのが一番です。
【超重要】欠席の判断が出たら家族様に理由を説明する

デイサービスを欠席する=家族様が困る
でもあきらかに利用者様には欠席して持ったほうがいい場合
家族様が納得できる説明をすることです。
家族様に説明する内容
- 利用者様がどういう状態で
- 施設のルールがどうなっているから
- 本日はお休みいただきたい
という説明をしましょう。
デイサービスは利用者様に安全に利用していただくところです。
守るべき利用者様事態が体調不良では守れるものも守れません。
そして、それを説明して家族様の同意を得ることで家族様の信頼も守られます。
説明は家族様の同意を得る上でなくてはならないものです。

説明する力は家族様だけでなく、利用者様に納得していただくために必須スキルです。誤解の内容に正確に伝えましょう。
送迎車中でおさえる5つのポイント


- 乗車前検温で37℃以上あったら原則欠席
- 顔色の変化に気付く
- 利用者様が話している様子の変化には敏感に
- 体の震えがあれば欠席対象
- 咳とくしゃみがある時は原則欠席が無難
利用者様に欠席してもらう時は家族様に説明をしましょう。説明の仕方に迷ったら上司に相談。それ以外でも微妙な状況で判断に迷ったら上司に相談しましょう。
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