
結論:利用者様の様子観察をしよう。どんなトラブルがあるのか予め予測しておくのが吉。

この記事の対象者は
・送迎車中での事故が続いているデイサービスの介護士
・送迎車内でも利用者様に安全・安心を提供したい介護士
・送迎中でも利用者様に「楽しんでもらいたい」介護士
です。

この記事を読むことで
・事前に送迎車内での事故を予測することができる。
・利用者様に安全で快適な送迎サービスを提供できる。
・利用者様どうしの関係を良好なものにすることができる。
送迎車は一度動き出すと、鉄の鳥籠。
簡単には外に出ることはできません。
というより走行中の車から出るって死亡確実ですね。

送迎車内でトラブルがあっても解決手段が限られます。
- 利用者様が突然叫び出す。
- 利用者様どうし喧嘩する。
- 送迎車内で転倒、転落事故の発生。
- 車の振動で車椅子が飛び出す。
- 認知症の利用者様が荷物を触りまくって、紛失物が出る。
「大丈夫だろう」とほったらかしにしておくと・・・
利用者様・家族様から苦情をいただいたり、デイサービスを利用終了されたりします。
場合によっては利用者様が大怪我したり、死亡したりすることもあります。
送迎車内でのトラブルを防ぐ1番の対策は
予め利用者様の言動を予測することです。
ほとんどの高齢者の場合、時間やタイミングで行動パターン、使う言葉は決まっているので子どもと比べると非常に予測しやすいです。
利用者様の言動を予測するのに必要な材料は
- 利用者様の情報
- 利用者様の行動パターン
- よく使っている言葉
- 利用者様の価値観
- 荷物への執着度
利用者様の言動を予測した上で
- 車椅子の固定確認
- シートベルトの確認
- 利用者様の会話の様子
- 利用者様の顔色やしぐさ
- 荷物をやたら気にしていないか
安全確認と利用者様の状態確認を都度行うと送迎車内でのトラブルを減らせます。
送迎車内での利用者様への支援が適切であれば、利用者様は「今日は楽しいデイサービスの1日だったな。1日は短いな」と言葉にしてくれます。

利用者様から「今日も楽しかったよ。デイサービスにいたら1日はあっという間」といってもらう度に涙があふれてきます。そんな言葉は介護士にとって最高のプレゼントです。1日の始まりも終わりも送迎です。あなたの送迎車中での支援を振り返りながらこの記事を読み進めてください。
送迎車中での利用者様の会話に注目する。

利用者様に安全かつ快適にデイサービスで過ごしていただけるかどうかは、利用者様の「情報」の量で決まります。送迎車中の利用者様との会話もただ聞き流すのではなく、利用者様の関心に関心を向けて聴いて見ましょう。
利用者様どうしが盛り上がっている場合は様子観察する。

デイサービスの利用者様が盛り上がる話の内容は
- ニュースなどのテレビの話
- 家族の話
- デイサービスの他の利用者様や職員
- 昔やっていた仕事の話
- 食べ物
- 天気
- 近所の人の話(旧村地域)
の話が多いです。
また、高齢者の話は
- 繰り返し話をする。
- 毎回、ほぼ同じパターン。
- 特定の利用者様どうしで話をする。
- たまに話がすれ違っている。
ことが多いです。
会話している利用者様どうし楽しくされているのであれば問題ありません。
しかし、利用者様の話には支援するヒントが隠されている場合があります。
- 私、クイズ番組が嫌い。
- 最近、息子夫婦の帰りが遅いから1人でご飯を食べている。
- 夜静かだと眠れないけど、一人暮らしなのでテレビをつけっぱなしにして寝ている。
利用者様がデイサービスを利用されている背景を知ることができます。
その背景を想像することで利用者様の思いや価値観に気付くことができます。

会話を聴いている時はあまりピンとこなくても、ある時「この情報、ここで使えるんじゃね?」と思える場面があります。情報の量が増えることで利用者様への支援も自然に変わってきます。
車中が静かな場合は助手の見極めがポイント【基本は盛り上げる】

送迎車中が静かな時は
- 本当は会話を楽しみたいが、自分から会話を始めるのが苦手。
- 誰にも関わられたくない。
- 眠たい。
- 特に話たい話題がない。
- 家族以外の人と関わるのが苦手。
場合があります。
基本的には
送迎職員は送迎車中での会話を盛り上げましょう。
もし、何を話していいか分からなければ。
- ニュースなどのテレビの話
- 家族の話
- デイサービスの他の利用者様や職員
- 昔やっていた仕事の話
- 食べ物
- 天気
の話題をすると盛り上がりやすいです。
一度会話が盛り上がると、あとは話を聴いてあげるだけでOK。
もし、イマイチ盛り上がらない時は利用者様は静かに過ごしたい。
それ以上は話を盛り上げる必要はありません。

雑談って「なかなか難しいわ」とう方のための参考になる本です。ここで解説しているのは「雑談は気持ちのキャッチボール」ということです。

車内で会話を盛り上げる目的は利用者様の情報収集と利用者様に気持ちよく会話していただくことです。利用者様の表情を見て「傾眠しているな」とか、会話をあえてしなくていいという判断もありです。
利用者様の暴言は助手が間に入る【次回から送迎の配慮をする】

送迎車中で困ることの一つ。
それが
暴言です。
- 「あんたの言っていることは全く分からん。」
- 他の利用者様の悪口。
- 意味もなく奇声をあげる。
- 他の利用者様が嫌がっているのに卑猥な話を続ける。
- 「(喧嘩を)買ったろうか?」
高齢者だからケンカをしないだろうというのは幻想です。
ブレーキが効きにくい分、子供どうしの喧嘩よりタチが悪い。
そんな時は、どちらも諭すというのは不可能なので職員が間に入って気をそらせるようにしましょう。
次回からは送迎を別にしてもらうように申し送りましょう。

高齢者どうしの相性もあります。相性の悪い利用者様の送迎は別にする方が無難です。どうしても、別の送迎にできない時は、送迎車の中で席を離すなど物理的な対策を行いましょう。
送迎車中でも安心してはいけない【車内での安全管理】

利用者様に乗車していただいた後も油断できません。
送迎車が出発する前に確認すべき安全を解説します。
車内の室温管理

- エアコン
- 直射日光
- 外気温
- 湿度
- 天気
などの条件により車内の快適さが変わります。
適切な車内の温度が管理されていなければ、利用者様は不快感を感じます。
それだけでなく、不適切な車内の温度だと利用者様を体調不良にさせてしまいます。
ここでむずかしいのが夏場の車内温度の管理。
適温は人によって違います。
なぜなら感じ方が違うからです。
そこで、
- 利用者様に適温かどうか聞く。
- 上に羽織れるものを持参してもらう。
- 外気温に合わせて、エアコンの設定を調整する。
- 車の窓を開ける。
- 施設からブランケットを持参する。
そうすることで限りなく利用者様に「ここ寒いなー(暑いなー)」と言われない送迎をすることができますう。

特に夏場の温度管理がむずかしいです。利用者様は動かないので、介護士より寒く感じやすいからです。季節問わず上着やブランケットで快適さを確保するのがベストです。
車椅子の固定とシートベルト【確認したつもりが・・・】

車椅子ごと乗れる福祉車両(高齢者を送迎するために特別に改造された車)には、必ず固定ベルトがあります。
固定ベルトがないと、車椅子が勝手に動いて利用者様が車内の壁に衝突したり車椅子から転落したりと・・・・
すごーく危険です。
固定ベルトをしていないと・・・

これからデイサービスだわ。
はい、出発しますね。


・・・・・・!?

いったーい!!
私の元職場でも、みかん狩りに行くときに車椅子用の固定ベルトをしてなくて同じ事故がありました。楽しいはずの外出行事が、出発してわずか10分後に利用者様が車椅子から転落。原因は車椅子の固定ベルトをしていなかったことです。利用者様にとって楽しいはずのイベントも、一つの作業をしていないために恐怖に変わります。
車椅子席のシートベルトの正しい装着の仕方例


固定ベルトだけでなく、出発前にシートベルトの着用も確認しましょう。法的には後部座席もシートベルトの着用が義務付けられています。利用者様の中には、走行中に「苦しいから」とシートベルトを自分で外される方もいるので車中でも様子観察をしましょう。
送迎車内でよくあるトラブルを事前に予測する

送迎車内での利用者様の動きは大きなケガにつながることがあります。高齢者の場合、ほとんどの場合前兆があって予測可能です。ポイントは利用者様が動いたら安全確認をすることです。
利用者様の立ち上がり

利用者様の立ち上がりが見られる原因は
- 物が床に落ちた。
- 蚊などの虫が飛んでいる。
- 幻視(実際にないものが見える)
- 普段より車椅子からの立ち上がりがよく見られる。
- 自分のカバンが気になる。
- 自宅が近くなって降車の準備をしようとする。
そして、車が揺れた習慣に転倒事故。
そのまま、病院へ・・・・・
その後は地獄絵図です。
事前の立ち上がりのポイントが分かれば、ピンポイントで利用者様の車内事故を防ぐことができます。

もし、送迎の車中で利用者様が立ち上がられたら「どうされましたか?」と声かけをしましょう。
車椅子の未固定

車椅子ごと乗れる福祉車両には必ず車椅子を固定する留め具があります。
最近ではスイッチひとつで止められる便利なものもあります。
しかし、この固定を忘れると送迎車の走行中に車椅子が動き利用者様が車の壁にぶつかったり、床に転落してしまいます。
これはすごーく危険で、利用者様に恐怖を与えます。
車椅子を固定する手順は
- 車椅子を指定位置まで移動させる。
- 車椅子のブレーキをかける。
- 車椅子に固定具をかける。
- 固定具のスイッチをオンにする。
- 車椅子が本当に固定されているかどうか車椅子自体を揺らして確かめる。(確かめる前に利用者様に声かけする)
- 運転手にも固定されているかどうか確認してもらう。
車椅子を固定していないと利用者様が大怪我をすることもあります。

車椅子の固定の仕方は車両によって違います。固定具の操作の仕方は上司や先輩介護士、運転手に聴きましょう。
荷物が気になって車内に忘れてしまう。

自分の持ち物をとても気にする利用者様は多いです。
特に手持ちカバンが手元にないと不安になります。
基本的には手持ちカバンは本人に持たせて置くのがベストです。
入浴カバンしか持ってきていなくて、カバンを気にする方には中身がなくてもいいので手持ちのカバンをあえて持参してもらうように家族様に依頼する手段もあります。
入浴用のカバンを渡さない方がいい利用者様もいます。
認知症でカバンの中身が気になりすぎて何度も出し入れ。
そして、荷物を車内に置き忘れます。

「カバンどこにやったんだろう」とカバンに執着のある方もいらっしゃいます。カバンの中身を何回も出し入れしていると物の紛失につながります。
送迎車内での利用者様支援まとめ


・利用者者様の会話に注目する。
・送迎車内の環境を整える。
・車内でのトラブルを事前に予測する。
利用者様の会話や動きに注目すると、車内での事故をあらかじめ予測することができます。予測するための鉄板は利用者様の様子観察と会話から心の動きを見ることです。
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