結論:まずは見取り図を作って、利用者様・スタッフの動きを決めましょう。
そんな時に「涼」と「楽」を味わうことのできるイベントが流しそうめんです。
でも、流しそうめんのイベントを企画するのに
- 何から手をつけていいのかわからない。
- 初めて流しそうめんをするので、どんな物品が必要なんだろう。
- どんな段取りで準備を進めたらいいのだろう。
つまり、流しそうめんを企画するのってめんどくさいですよね。
これは、流しそうめんを実施する上でおさえるべき重要ポイントがわからないだけです。
重要ポイントさえおさえれば、手探り状態ではなく必要最小限の労力で利用者様に「非日常」を体験させられる流しそうめんの出来上がりです。
まずは、「どこに流しそうめんを実施するための樋のセット(以降、流しそうめんセット)を設置するのか?」見取り図を作成しましょう。
見取り図を作ることで
- 必要な物品
- スタッフ、利用者様の動き
- 流しそうめん当日の流れ
を計画することが可能になります。
この記事では「流しそうめん」に関する計画から実施・後片付けまでを解説します。
流しそうめんを実施するときのマニュアルとしてお使いください。
流しそうめんのイベントを企画、実施するのはめんどくさいです。
でも、乗り越えると今後のイベントの企画・実施するのが楽になります。
【暑い夏をすずしくする】流しそうめんを企画しよう
暑い夏を涼しくするイベント「流しそうめん」。
利用者様に提供すると喜ばれます。
なぜなら、流しそうめんは自宅ではめんどくさくてできないからです。
介護の必要な高齢者世帯だと、流しそうめんを実施するのはほぼ不可能です。
流しそうめんを実施することで「いつもとは違う」刺激を利用者様にプレゼントできます。
流しそうめんの目的
流しそうめんをやるのに、計画書に「やる目的」を書かないといけないですよね。
計画書に書く「やる目的」は以下の通りです。
流しそうめんをするのに、目的をきっちり決めても準備ができていなければできません。
計画書の目的はサラッと書いてしまった問題ありません。
レクリエーションの大きな目標は「ADLの維持・向上」なのでそれに大きく逸脱していなければ良いです。
レクリエーションの目的は「ADLの維持・向上」です。あとは、季節に合わせた目的であれがOKです。
流しそうめんをやる利用者様にとってのベネフィット【なぜデイサービスで実施するのにうってつけのイベントなの?】
なぜ、流しそうめんがデイサービスで実施するのにうってつけのイベントか?
利用者様のベネフィット(実施する魅力)から考えてみます。
高齢者にとって食事はただの「栄養摂取」ではありません。
できることは少なくなっている高齢者にとって食事は比較的最後まで残る楽しみの一つです。
食事をイベント化することで利用者様の楽しみが増えるのです。
お誕生日やクリスマスで、親しい人から外食に誘われて食事を楽しむのと同じですね。
梅雨明けして猛暑日が急に増える季節になると、「流しそうめん」は「涼」と「楽」を利用者様に提供できるイベントです。
デイサービスで実施するから価値が出る流しそうめん
高齢者のご家庭で「流しそうめん」を実施するのは不可能に近いです。
そもそも、流しそうめんをやる時間を確保するのも難しいのが現代人です。
要介護高齢者のいない世帯であれば、家族全員のやる気さえあれば実施可能です。
でも、要介護高齢者がいる場合その介護だけでも家族様は精一杯。
「流しそうめん」をやるのまで余力はありません。
自宅ではできない、めんどくさいイベントをデイサービスで企画・実施する。
そうすることで利用者様に「非日常」を提供できます。
普段の生活では体験できないから特別なイベントなのです。
【もう、失敗したくない!!】楽しい流しそうめんを計画する重要ポイント
流しそうめんを実施するのに、大変なのが「計画」です。
計画をミスると特定の利用者様しかそうめんを取れない残念なイベントに・・・。
流しそうめんを失敗しないために、次の3つのポイントを見過ごしてはいけません。
準備物
流しそうめんに準備物がないと流しそうめんはできません。
最低限必要な準備物は以下の通りです。
流しそうめんに必要な準備物
- 素麺を流すトイ
- トイを支える脚
- トイと脚を巻きつけるための紐
- 水を受けるためのタライ
- 割り箸
- めんつゆ
- お碗
- 素麺
- ホース(やかんでも可)
- ブルーシート
おわんやお箸、そうめんはすぐに準備できても、流しそうめんのトイやそれを支える脚をすぐに調達することはできません。
ない場合はAmazonで購入するのが便利で早いです。
流しそうめんで、そうめんと同じぐらいなくてはならないセットです。
これがないとただの「そうめんを食べるだけのイベント」になってしまうからです。
流しそうめんセットは一度購入すると、来年以降も使えます!!
そうめんと麺つゆは厨房がある事業所だったら、厨房で発注を依頼するとスムーズに計画を立てられます。
もし、厨房からの発注が難しければ業務スーパーで麺つゆを買うと費用を抑えられます。
白いそうめんだけで楽しんでいただけます。
でもカラフルなそうめんだと見た目でも楽しいですね。
麺つゆはすぐに味が薄くなるので2倍濃縮にお水を入れて使うと麺つゆを足す回数を少なくすることができます。
流しそうめんセットの配置図を作る
流しそうめんをするときにものと人の配置を考えないといけません。
配置に関して、文字だけで説明しても分かりません。
頭でイメージしていることを図にしてみると分かりやすさは明らかです。
配置図を作ったら実際に配置図通りに流しそうめんセットを組み立てて下さい。
一度組み立てることでわかることがあります。
流しそうめんセットを組み立てて明らかになった課題点は、他のスタッフに意見を求めましょう。
なので、セットを組み立てるときは協力してもらえるスタッフにも参加してもらいましょう。
利用者様とスタッフの動きを決める。
流しそうめんセットを組み立てたら、協力者と一緒に利用者様の動きとスタッフの動きを検討します。
実際に利用者様役とスタッフ役に別れて誘導からそうめんをとって、席に戻るところまでをデモンストレーションしてみるのも分かりやすいです。
デモンストレーションしながら、スタッフの役割を決めていきましょう。
他のスタッフに協力を求めるなら、それぞれのスタッフに役割を明確にお願いしないと必ず失敗します。
流しそうめんは「非日常」を利用者様に体験してもらうイベントなのです。
スタッフは普段とは違う動きをするので、役割を決めておかないと無駄な動きが出てくるからです。
役割分担は次の計画書を作って、担当のスタッフに説明・依頼して完了です。
流しそうめん実施までの段取り
計画の重要ポイントをおさえたら、具体的な形に落とし込んでいきます。
流しそうめんの計画書を立てて、他のスタッフに説明!!
当日の流れとスタッフの役割分担ができたらあとは計画書を作って、他のスタッフに説明するだけです。
計画書を作る目的は「スタッフが迷うことなく、無駄なく動ける」です。
重要な部分は何度でも説明しましょう。
流しそうめん実施の流れ
流しそうめんの実施は
- 実施する時間帯
- 参加するメンバー
によって実施する流れは変わります。
細かい流れについてはそれぞれのデイサービスの状況に合わせて変えて下さい。
この記事では午後から実施する予定で解説します。
- 午前中そうめんの準備
- そうめんを茹でる
- そうめんを樋に流せるぐらいのサイズに小分けにまとめる
- 食材以外の準備物の1箇所に集める。
- 13:00流しそうめん会場の設営
- ブルーシートを敷く
- 流しそうめんセットを組み立てる
- ホースを蛇口に繋げる(やかんで実施する場合はお水を貯めておく)
- 樋のゴールに大きなバケツとザルを設置する。
- バスタオルを樋のスタート、ゴール時点と途中の切れ目に敷いておく。
- 麺つゆと割り箸セットを作る
- 利用者様が座る椅子を設置する。
- 13:30トイレ誘導
- 利用者様にトイレの声かけ
- 13:50流しそうめんの開始
- 利用者様を順番に声かけをして誘導する。
- 参加される利用者様にお椀と割り箸を渡す。
- 順次、水とソーメンを流す。
- 利用者様各自2〜3回ずつそうめんを取り終えたら次の利用者様に交代。
- タライに水がいっぱいになったら一旦中断。タライを変える。
- 15:00流しそうめん会場の撤去
- 素麺セットを下げる。
- 利用者様に席に戻っていただく。
- 使ったお椀と割り箸を回収。
- 流しそうめん終了後後片付け
- 流しそうめんセットとブルーシートを水洗いして、天日干しする。
- 乾いた流しそうめんセットとブルーシートを元の場所へ戻す。
- ザル、バケツ、余った食材は厨房へ返却する。
- 使用済みの割り箸などゴミをまとめる。
流れに合わせて追記して欲しいのが「職員の役割分担」です。
誰がいつのタイミングで何の仕事をしてもらうのか?
適材適所で振り分けましょう。
とはいえ、仕事の振り分けはデイサービスで働き始めたばかりのあなたにとっては難しい仕事。
上司や先輩と一緒に計画してもらいましょう。
あなたのデイサービスの業務に合わせて流れを変えてくださいね。
流しそうめん当日の注意点
計画を立てて、準備が整ったらあとは実施するだけ。
でも、終わるまで油断禁物です。
流しそうめんが楽しくなる演出をしても、事故が起きてしまうと楽しくなくなります。
流しそうめんは水を使用するので床は必ず濡れてしまいます。
つまり、転倒のリスクは確実に上がります。
特に注意して欲しいのは次の3つです。
- 利用者様の予想外の動き
- 床面が水浸しで濡れている
- 食材の賞味期限
普段のデイサービスとは違うので、利用者様も興奮気味の状態です。
いつもの様子から想像できない動きをする利用者様もいます。
流しそうめんをするときは必ず床濡れます。
濡れたらすぐに拭けるようにバスタオルを10枚程度は準備しておきましょう。
流しそうめんの計画を立て始めると、早く材料を調達したくなります。
でも、早く調達しすぎると使う頃には賞味期限切れということもあります。
特にネギなどの薬味は賞味期限が切れるのが早いです。
食材は早くてみ1週間前に調達するようにして下さい。
実施日当日に再度賞味期限の確認をしておきましょう。
流しそうめんは、
・床面が濡れやすい
・利用者様が興奮して立ち上がりが見れる
ので、転倒に注意して見守りしながら実施しましょう。
まとめ
流しそうめんは利用者様に「非日常」を提供できる夏ならではのイベントです。
普段はあまりレクリエーションに参加したがらない利用者様もテンション高めで参加していただけます。
その反面、スタッフの役割分担をしないと楽しいはずのイベントが転倒事故で痛い思い出になります。
流しそうめんに関してはまず配置図を作ることが最優先です。
配置図が決まらないと課題を見つけられず、改善できないからです。
実際に流しそうめんセットを設置してみて当日の利用者様とスタッフの動きをイメージできれば成功したも同然です。
同時に物品を揃える段取りも忘れずに行って下さい。
準備が完璧でも、実施するとき苦手意識があると利用者様の楽しさは半減します。
レクリエーションの基本的な企画・実施方法については以下の記事を読んでください。
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