結論:読者にとって価値のある情報を発信することで、あなたの介護施設に興味を持ってもらえるチャンスです。情報発信するスキルはあなたの自己投資になります。
この記事の対象者
・介護施設の広報誌の担当者になった介護士・相談員
・介護施設の広報誌の編集長・副編集長になった介護士・相談員
・介護施設の広報誌の取材を受ける部署の所属長
です。
この記事を読むことで
・介護施設の広報誌を作るとどうなるか
・誰に対して広報誌を発信するのか
・広報誌の編集長になったときの仕事内容
について理解することができます。
※今回のアイキャッチはおリカさん(@wakuwakuorika)さんに描いていただいたものです。
多くの社会福祉法人(介護施設)で、発行されている広報誌。
広報誌の編集長になったあなたは、こんなことで悩んでいませんか?
- 何から手をつけていいかわからない。
- 記事の作り方がわからない。
- 全く広報誌を作ったことのない私が編集長。できるかどうか不安だ。
社会福祉法人の広報誌の編集長を5年務めた私も最初はこんな不安でいっぱいでした。
それが、自分の部署の上司もケアマネの事業所を回るのに私が作った広報誌を常に持参してもらっていることを知った時は
私が作った広報誌が営業するのに使われてる!!
と心が熱くなりました。
広報誌の編集長は適切なポイントをおさえられれば、全く広報誌を作ったことのないあなたでも「読まれる広報誌」の記事を作ることができます。
その最も重要なポイントは、読者の設定(どんな人を対象にして)すること。
その読者が知りたいことを情報発信することで利用者様や家族様、ケアマネ、潜在的に介護サービスを受けたい人をあなたの介護施設の利用につなげることができるのです。
これは、広報誌の編集長になったあなたにしかできないことです。
まさに、あなたが会社の経営を支えていると言っても過言ではありません。
この記事を読むことで、あなたが作った介護施設の方向しを読んだ読者をあなたの介護施設の関係者(新規利用者や新人職員、ボランティア)に変えることができます。
広報誌の編集長の仕事をすることで得られる文章スキルを手に入れられます。文章スキルは職場が変わっても通用するスキルです。
- STEP1広報誌のコンセプト設定あなたが作る広報誌で読者にどのように行動してほしい明らかにする。
- STEP2広報誌のテーマの決定介護施設の強みを伝えるための内容を決める
- STEP3読者の絞り込み広報誌を読む読者の日常を想像する
- STEP4広報誌とブログ、SNSとの棲み分け広報誌だからこそ伝わることがある
- STEP5計画、実施締め切りから逆算して計画を立てる。
- STEP6メンバーを動かす他のメンバーができる仕事を編集長はしない。
- STEP7他施設との差別化他の施設にはない広報誌を作ったら勝ち。
【目的】あなたが働いている介護施設のことを教えよう!!【広報誌の読者にどんな行動を起こしてほしいですか?】
広報誌の目的は「知ってもらう」ことです。情報発信をし続けないと「あんなところに介護施設があったんだ」とその場所にあなたが働いている介護施設があることすら知られません。
【理由1】介護施設の運営を継続するために、情報を発信し続ける必要があるから
広報誌で情報発信し続ける運営に関する効果
- 新規の利用者様を獲得するきっかけになる。
- 事業所へ営業に行くときに、ケアマネに説明しやすい。
- 介護の就職説明会でパンフレットの代わりとして、就職活動生に情報発信しやすい。
- 自治会や民生・児童委員など地域のキーパーソンに知ってもらえるきっかけとなる。
- 働いている介護施設の理念を具体的なサービスにどのように生かされているか説明しやすい。
どんなにホスピタリティーのある介護サービスを提供しても・・・
どんなに綺麗な設備があっても・・・・
どんなに介助技術の優れた介護福祉士がたくさんいても・・・
情報発信し続けないと、あなたの施設は忘れられていくのです。
介護施設は介護保険で運営をしているとはいえ、利用者様がいなければ仕事を続けていくことができません。
それだけでなく、介護施設を運営に不可欠な「介護職員」の確保をすることもできません。
利用者様は来ないし、介護士も来ない。
これは、介護施設の「死」を意味します。
日本でナンバーワンの「トヨタ自動車」ですら売り上げの約1.6%(4487億円)が広告費に使われています。
これは発信し続けないと会社は運営できないということです。
【理由2】介護施設の周辺住民や施設への理解を得るために。
広報誌で地域に情報発信をするメリット
- 「not backyard(私の裏庭に介護施設を建てるな)」対策になる。
- ボランティアを獲得できる。
- 社会福祉協議会にボランティアの斡旋を依頼しやすくなる。
- 地域福祉を推進できる。(介護施設も地域の一員として認識されやすくなる。)
- 「介護の相談所」としての介護施設を知らせることができる。
介護業界の最大の武器は地域ですら、人的資源になりうることです。
つまり、地域住民やグループに自分の施設のことを知ってもらうことで人手不足を一時的に補うことができるのです。
しかも、社会福祉法人は「街の介護相談室」という役割もあります。
介護のことで困ったら介護施設へ連絡すれば解決するのです。
私が正社員時代にも「介護保険を申請したいけど、どうすればいいのかな?」というお問い合わせがありました。まずは市役所に行って、介護保険の申請をしないといけないので同じ法人のケアマネの事業所を紹介しました。そこから、利用につながった利用者様もいます。
社会福祉法人の特徴として、介護保険事業で経営を成り立たせつつ地域住民の介護問題を解決する社会貢献という二つの側面があるのです。
これも、知ってもらわないと達成できない目標ですね。
介護施設の「強み」を伝える【広報誌で伝えたいあなたのメッセージはなんですか?】
介護施設の広報誌の読者が知りたいのは大きく分けて3つあります。①施設の見た目②施設に関わっている人の様子③どんな非日常を味わえるかです。
介護施設にどんな設備があるのか伝える。【外観、内観は施設の顔】
広報誌でよく紹介される介護施設の設備
- 入浴設備
- フロアの見た目
- 建物全体の外観
- リハビリ室(リハビリ器具も含めて)
- 建築中の施設の外観予想図
介護施設は高齢者にとって人生の一部になるかもしれない場所です。
入所施設(特養など)であれば、自宅と一緒です。
通所施設(デイサービスなど)は定期的に貴重な外出する機会になります。
時には一時的に預けられる場所(ショートステイ)になることもあります。
あなたが高齢者になったとき、これらのサービスを利用しないといけなくなって・・・
そんな場所が
- 汚い
- 不便
- 臭い
- 暗い
- 殺風景で刑務所みたいな雰囲気
だったら、その場所で過ごしたいと思いますか?
こんな場所に1秒たりともいたくない・・・
しかし、利用する介護施設が綺麗かどうかを口コミで伝わるのには限界があります。
では、試しにあなたの知り合いにあなたが働いている介護施設の綺麗さを伝えてください。
おそらく、あなたの頭で想像している設備どおりに、相手に想像させることはできていません。
それよりも、介護施設の画像を見せた方が早くしかも正確に伝えることができます。
「百聞は一見にしかず」だね。
文字と画像であなたの介護施設にどんな素敵な設備があるのかイメージさせることができる。
そのツールの一つが広報誌なのです。
【超重要】施設の関係者の様子を伝える。【普段の施設の雰囲気を伝える材料になる】
広報誌で伝えられる施設関係者の様子
- カラオケの機械を使って利用者様が歌っている様子。
- 利用者様が笑顔でリハビリに取り組まれている様子。
- wi-fiを使ってパソコンを使われている様子。
- 手芸や創作レクリエーションに参加されている利用者様の笑顔。
- 脳トレを真剣に取り組まれている利用者様の姿。
- 利用者様と職員がふれあっている様子。
- 定期ボランティアがいきいきとお手伝いしている姿。
- 新人介護士が楽しく働いている様子。
施設がどれだけ綺麗で最新の設備が整っていても・・・
そこに関係する人間が楽しくない、全く笑顔が見られない雰囲気だったらその施設で過ごしたいとは思いません。
これも、介護施設の設備と同じく言葉だけで伝えるより画像もとり言えることで相手によりリアルにあなたの施設の雰囲気や温かさを伝えることができます。
あなたの施設に関わる人たちの様子が分かれば、
- 新しい職員
- 新規利用者
- ボランティア活動の提案
が増えます。
特別行事(納涼大会や外出行事)を伝える【施設の日常とのギャップを伝える】
広報誌にこそ特別行事(非日常)の情報を発信すべきです。
日常と非日常のギャップが利用者様を生き生きとした姿を紹介できるからです。
例えば
「いつもは、朝7時に起きてご飯食べて、なんとなくテレビをみて夜寝るだけ」
そんな利用者様でも特別行事という非日常というネタを発信すると
- たまに豪華な食事で、普段食が細い利用者様の食欲が高くなる。
- あまりレクリエーションに参加されていない利用者様の笑顔を見れる。
- 施設の特別イベントで利用者様の能力が発揮される瞬間を発信できる(生活リハビリの効果)
広報誌で非日常を発信することで利用者様の日常に意味があることを読者に伝えることができるのです。
広報誌で記事にしやすい特別行事ネタ
- 納涼大会
- 外出行事
- 慰問のボランティア
- 季節の特別イベント(餅つき、スイカ割り、収穫祭など)
- 行事食
ただ、特別行事を取材するチャンスは1度きり。
特別行事までに
- 特別行事のどの部分を紹介するのか(例えば、餅つきの「餅をついている部分」あるいは「餅をこねている」どちらをメインに取り上げるかなど)
- どんな写真をとるのか
- 直接広報誌の担当者が取材しにいくのか?それとも、その部署の責任者に依頼するのか?
欲しい情報をもらえるように事前準備が必要です。
広報誌を作るときに読者を想定しないと誰も読まないよ!!【想定した読者に価値提供をする】
「全ての人が対象」の広報誌は「誰にも読まれない」広報誌です。
「みんなに読まれる」広報誌を作ったら広報誌を読んでくれる人が増えるような気がします。
実は逆で「読んでもらう対象者」を限定しないと誰に読まれない広報誌になってしまいます。
広報誌の担当者にとって、通常の介護業務に加えて「広報誌」を作成するのに時間や労力をかけたのに誰にも読まれないって悲しいですね。
【理由】「読者がどんな人か?」によって欲しい情報が違うから。
あなたの施設に興味がある人には大きく分けて
- これから介護施設のサービスを使いたいと考えている高齢者や家族様→入浴設備や利用者様を大切にしてくれる雰囲気か
- 余暇時間を使って、介護施設で自分の能力を発揮させたいボランティア→仕事や今までの人生で培ってきた経験や知識を「社会参加」で生かしたい
- 「どこの介護施設だったら働きやすいか?」を探している求職者→少なくとも2〜3年は働くことになるので人間関係で失敗したくない。
- 担当の利用者様が続けて利用してくれるデイサービスを探している。→どんなサービスや入浴施設をしているか細かく知りたい。
- 他の介護施設→同業他社がどんなサービスを提供しているのか知りたい。うちのし施設では難しい利用者様をサービス移行させたい。
たとえば、介護施設で働きたい人に居室やデイフロアの広さを「居室○○坪」とか「デイフロアは△△㎡」と書かれたところで、
・・・・・・
ってなります。
あなたが介護士になろうとした時に、居室やデイフロアの広さを知ったところで得る驚きって「広いですね」ぐらいではありませんでしたか?
それよりも、
- もし、人間関係で悩んだら気軽に相談できる体制になっているか?
- 全くの介護初心者でも介助できるように研修体制は充実しているか?
- 仕事中に疑問が生じたらすぐに相談できる内容になっているか?
- 具体的に1日の仕事はどんなことをするのか?
- この施設でしか体験できないことはないか?(私の元職場の場合、施設のブログを更新したり、音声認識で業務日誌を入力したりIT技術で仕事をすることができました。)
ことの方が重要な情報です。
むしろ、その情報で就職活動生はあなたの施設で働くかどうかを決めると言っても過言ではありません。
なので、広報誌を作る前に
「想定読者(広報誌を読んでくれる人を絞り込む)」
作業は「読まれる広報誌」の第一歩なのです。
実は施設の広さとか施設の内観とかってあまり印象に残っていない。
施設の広さと内観は実際に施設見学をしてみて実際に
ここの施設広いし、おしゃれだね。
と初めて実感できるものです。
広報誌で画像や文字で伝えても施設見学ほどは分かりやすくはないです。
もちろん、書いておいた方が参考程度にはなりますがそれがあるからといって「ここの施設を利用したいな」と読者に行動をさせることはできません。
あってもいいけど、あくまでも予備情報として情報発信する程度で良いです。
読む対象者を限定して、読者に行動を促す。
あなたの広報誌の最終目標は読者に行動させることです。
広報誌をみることで変えたい読者の行動
- どこの施設で働くのがいいか分からない就職活動生→「ここの施設を一度、見学してみよう。
- どこのデイサービスを利用するとうちのお母さんが続けて行ってくれるのか?→ここはくもん学習療法っていうのを取り組んでいるみたいだし一回お試しで利用させよう。
- 定年退職で毎日暇。車の運転ぐらいならできるけど→ここ、送迎の運転手も募集してるのか。一回問い合わせてみよう。
- バンドグループを結成したけど、発表する場がない。どこで活動しよう。→ここの施設なら「音楽活動のボランティア」も受け入れている。一度ホームページを見てみよう。
- (ケアマネの)担当の利用者様が退院する。自宅でのお風呂は難しいし、ご本人自体お風呂嫌いだ。ベテラン介護士の多いデイサービスやショートステイはないかな?→ここは「サービス提供体制加算(一定の割合以上で介護福祉士がいてる事業所に加算される報酬)」があるからここなら安心かも。責任者の方に連絡とってみよう。
想定している読者がどんな意図を持ってあなたの広報誌を見るのか事前に想像しておくことで「読むだけ」から「実際のここの施設で行動してみよう」と興味を持ってもらえる紙面作りを目指してみましょう。
私が知る限りでは、ほとんどの介護施設の広報誌は読者を絞らずにただ施設を紹介するだけです。対象を絞ることで対象読者により深くて知りたい情報を網羅して提供することができます。
広報誌だからこそ高齢者に読まれやすい【ブログ(電子媒体)と広報誌(紙媒体)の棲み分け】
SNSが発達した現在においても紙媒体としての「広報誌」は多くの人にあなたの介護施設の情報発信するツールとして有効です。ブログ(電子媒体)と広報誌(紙媒体)の棲み分けについて理解を深めましょう。
ブログ(電子媒体)で伝えられることは介護施設の日常
介護施設のブログの最大のメリットが「日常」を伝えやすいことです。
- いつも提供しているレクリエーションに参加されている利用者様の表情
- 体操での利用者様の取り組まれているときの熱心さ
- 季節のお風呂の紹介
- イベントで開催の雰囲気
- 利用者様同士で将棋の対戦をされている実況
- くもん学習で職員と利用者様が一対一でコミュニケーションをとっているときのやりとり。
あなたの施設の利用見込みのある高齢者は
「私に合う介護施設なのだろうか?」
と常に不安に思っています。
文字数も使用できる画像の数も実質的に制限のないブログでは、より普段の雰囲気に近い情報を読者に提供することができます。
ブログを読むことであなたの介護施設を利用したいと思っている高齢者はその不安を少なくすることができます。
この施設は音楽療法や太鼓教室もやっているのね。
みなさん、目が輝いているわ。
私も音楽は好きだから今度施設見学に行かせてもらうかしら。
パンフレットや広報誌の雰囲気と比べると、実際に利用し始めた時とのギャップが少なくなるのが最大のメリットです。
実際に利用したものの、思っていたのと違うと幻滅されるリスクを下げる特徴があります。
いつでもどこでもネットを使える環境と画像のデータさえあればすぐにでも更新できるので、そんなことが可能なのですね。
広報(紙媒体)で伝えられることは「介護施設が伝えたい」整えられた部分のこと【卒業アルバムみたいなものです】
ブログ(電子媒体)が日常なら、広報誌(紙媒体)は非日常を読者に伝えることができます。
ブログが修学旅行の記念写真なら、広報誌は卒業アルバムみたいなものですね。
SNSが発達している今でも広報誌が必要な理由は【利用者様はまだ新聞やテレビがメインのメディアの世代だから】
デイサービスの利用者様でも少しずつですが
- スマホを使える。
- パソコンを使える。
- FacebookなどのSNSを使っている。
- エクセルの表計算やワードで文章を通くれる。
人が増えてきています。
私の職場でも100人いたら一人はスマホやパソコンを使える利用者様が多いです。
とはいえ、まだホームページなどの電子媒体より新聞などの(紙媒体)の方が主流です。
つまり
- パソコンを使うのが苦手で・・・・
- スマホを使いこなせない。
- 紙に印刷されたものの方が信頼できる。
という高齢者とその家族様も少なくありません。
10年後ぐらいには、ほぼブログやSNSが主流になるでしょうがしばらくは広報誌も作り続けるメリットはあります。
介護施設の広報誌の編集長なったときにやる仕事まとめ【仕事は計画的に!!】
もし、あなたが広報誌の編集長になっても大丈夫!!絢音が手取り足取り解説していきますね💗大まかな流れを把握すれば、計画的に広報誌を作っていくことができますよ。
【最重要!!】コンセプトを決める【広報誌を読むことで誰に、どんな価値を提供するのか言語化する】
介護施設の広報誌の目的は「読んでもらうことで読者の考え方や行動を変えることが目的です・。
そのためには、
- どんな人が
- 何の目的で
- あなたの施設のどんなことを知りたいのか?
- どの切り口で伝えたらいいのか?
を設定しないと誰にも読まれません。
読んでも行動しないです。
今回、あなたが作る広報誌は一言で言ってどんな広報誌か?
仮のタイトルをつけておくと、その後の取材や編集活動がやりやすくなります。
広報誌編集担当グループのメンバーを動かす。
広報誌の編集長の仕事量は非常に多くて時間のかかるものが多いです。
- 年間計画の組み立て
- 広報誌の編集メンバーを組織化
- 広報誌の取材、編集、校閲作業
- 編集会議の開催
- 編集会議の会議録確認
- 広報誌の編集チェック
- 広報誌配布先の検討
- 個人情報の管理
法人によっては、数百万円が無駄金になったり利用者様、家族様や地域の住民の方々からクレームをいただいたりすることもあります。
あなたの介護施設の「良い情報」を広めたいのに、逆に悪い噂が流れたり施設の予算が無駄になくなったりします。
その為に、編集長のあなた自身が動くのはあなたにしかできない仕事をする時です。
それ以外の仕事は副編集長やその他のメンバーに割り振りしましょう。
編集長の仕事の8割は
仕事の割り振りだと思ってください。
仕事の割り振りは、広報誌の編集だけでなく通常の業務でも必要なスキルです。仕事を割り振るのが苦手なら「仕事をお願いする」と考えましょう。
広報誌を発行するための年間計画を立てる。
目的地がないのに車でドライブするのは事故の元です。
- 事故多発場所。
- 渋滞しやすい時間帯。
- 見にくい標識や表示を見逃す。
- 思ったより狭い道路を通行。
- 実は当たり屋の多い道路だった。
目的地がわからないだけでこれだけの事故の原因を抱えます。
広報誌も同じように年間の計画を立てないと
- 期限が不明確なのでいつまでも取材できない。
- メンバー広報誌を作るのに具体的に何をすればいいかわからない。
- いつまで経ってもレイアウトが決まらない。
- 上司から広報誌の仕上がりを急かされる。
- 結局、最初に決めていった発行の日付より大幅に遅れてしまう。
これらは全て「年間計画」を作れていないために起こるトラブルです。
広報誌の編集において「年間計画」はドライブするときの地図と一緒です。
年度が始まる前にしっかりと年間計画を作りましょう。
年間計画を作るときのポイントは締め切りから逆算することです。締め切りを決めないといつまで経っても広報誌の編集を進めることはできません。
関係者に根回しをする。
根回しとは関係者にあらかじめ協力の依頼を了承してもらうことです。
広報誌の根回しをする為には
- 何をテーマにして広報誌を発行するのか?
- どんな内容を記事にするのか?
- 取材先の責任者に予め、その広報誌で伝えたいことと、取材の時にお願いしたいことを説明する。
- 広報誌担当の上司にも動いてもらえるように広報誌作成の計画とお願いしたいことを伝える。
- メンバーに年間計画を伝えて動けるところから動いてもらう。
つまり、関係者とのコミュニケーションを密にするということです。
いつ伝えるかというと、計画を立てた時点で全ての関係者に伝えましょう。
方法は
- 電話
- ファックス
- メール
- ライン
- ショートメール
- Slack
電話でコミュニケーションを取れれば良いのですが、それぞれ忙しい時間帯が違ったりするので、まずはファックスやラインなどの「いつでも見られる」方法でコミュニケーションを取ります。
話さないと伝わりづらいことや緊急で確認しないといけないことは電話連絡でします。
根回しをしていないと思わぬところで進まなくなります。
編集会議の司会をする。
編集会議には大きく分けて3種類あります。
- 広報誌の進捗状況の報告。
- 広報誌の編集内容に関わる議論。
- 広報誌の発送に関わる作業。
会議は司会の進行の仕方で、長引いたりコンパクトにできたりします。ただただ長いだけの会議にならないように、次回の会議では何を話すのかイメージトレーニングをしておきましょう。
【やらなくてもいい会議は減らせ】
ほとんどが報告しかない会議はやらない方がいいです。
なぜなら、会議は編集メンバーの時間を奪うからです。
編集長だけでは、決めかねるようなことをメンバーに相談したり広報誌に関わる作業をするときに会議を開くの理想です。
もちろん、議論したり、作業するついでに報告するのはありです。
報告はLINEや会議録で確認してもらって、決めないといけないこと、できるだけ多くの人数で作業しないといけないことがあるとのみに会議を開くのが理想ですね。
会議を開く、開かないは「残業」や「残業代」に関わることでもあるので、やる・やらないは担当の上司に相談する必要があります。
編集の進捗状況を確認する。
編集長が一番不安になるのがこの段階の作業です。
なぜなら、
どこまで取材や記事の作成作業が進んでいるんだろう?私がお願いしている通りに進んでいるのだろうか?
と不安になるからです。
特に初めて編集長になったら思うように仕事が進まないので締め切りに間に合うか不安な毎日に。
ここでの解決策は
- 取材する
- 必要な画像をもらう
- 記事を作成する
- 仮の紙面に編集する
- 記事の修正をする。
- 誤字、脱字のチェックをする。
- 上司にチェックしてもらう。
- 印刷業者に広報誌の印刷を依頼する。
の期限をあなたが思っているより2週間早めに設定することです。
そうすることで
- 期限が遅れても対処できる締め切り
- 期限に遅れると広報誌の発行が遅れる締め切り
を設定することで、万が一前者の期限を守れなくても何とか年間計画で設定した期限に間に合うので不安も少なくて済みます。
締め切りを二つ設定するやり方は覚えておいて損しない考え方です。
校了原稿を印刷して配布する。
広報誌を発行するまでに
原稿を何度もチェックし、校正します。
1回目の校正は第一校正
2回目は第二校正
そして、そのまま印刷する段階の構成を終えた広報誌の原稿を校了原稿と言います。
広報誌の場合、最終構成をして法人の責任者(施設長もしくは理事長)の了承をもって「校了原稿」とします。
校了原稿が完成したら、そのまま印刷業者に印刷を依頼。
そして、事前に決めていた場所に発送作業を行います。
広報誌編集グループを動かす。
広報誌を編集長1人で作ることは不可能です。私も「編集長だから」と仕事を抱えることが多かったですが、周りのメンバーは「もっと、私に仕事を任せてもらったらいいのに・・・」と思っていたみたいです。あなたは、仕事を抱え込んでしまう編集長にならないように仕事は周りのメンバーに振り分けましょう。そのために、あなたがやらないといけないのは確認と連絡の作業です。
関係者と連携する。
編集長にとっての関係者とは
- 編集メンバー
- 広報誌編集担当の上司
- 法人の最終責任者
- 取材先の部署の責任者
つまり、広報誌の編集に直接関わる人たちのことです。
紙面のテーマ、記事の内容、発行日が決まったら各関係者に
- 広報誌のテーマ
- どこの部署に取材をするのか
- 取材協力の依頼
- どんな情報が欲しいのか
- 記事の作成に必要な画像
- 各工程の締め切り
を説明して、事前に協力依頼をしましょう。
広報誌のネタを作る。
広報誌で何を取り上げるかって広報誌を作るのに最初にぶつかるかべです。
ここで重要なポイントは対象の読者を絞るということです。
この広報誌は
- どんな読者に
- どの部署(事業所)の
- 何に取り組んでいることを
発信するのかを決めましょう。
ただ単に、
- 事業所の新しい取り組みを紹介する。
- 新しい施設が建てられるからその紹介をする。
- 今までと同じようなことを取り上げる。
だけだと、記事全体の内容がバラバラで統一感がなくなります。
たとえば、コンセプトが「デイサービスの入浴設備の比較」だった場合、全ての記事に「デイサービスの入浴のことを書きます。
全対象だと、書ける内容が多すぎるので、かえって何を取り上げたらいいわ変わらなくなります。
締め切りまでに間に合うかどうかを逆算する。
締め切りまでに広報誌を完成させるためには都度、進捗状況を確認しないといけません。
各編集メンバーに仕事を振り分けて、あとどのぐらいで完成するのかを編集長は把握しましょう。
介護施設の広報誌の編集会議で話すこと。
編集会議で話すことは
- 広報誌の進捗状況の報告。
- 広報誌の編集内容に関わる議論。
- 広報誌の発送に関わる作業。
です。
利用的な会議の作り方としては
会議の冒頭で必要な報告をサラッと終わらせて、
残りの時間を
広報誌の編集に関する議論や作業に時間を当てましょう。
できれば、報告はLINEグループやSlackで流すとメンバーが状況を把握しているかどうかを確認しやすくなります。
今年度の振り返りをする。
来年度も継続してあなたが編集長になるかどうかは分かりませんが
少なくとも、年度末に次年度の引き継ぎをしなければいけません。
引き継ぎをしないと、読者に価値を提供でいる情報を広報誌で発信できません。
価値ある情報を読者に提供することは、法人や事業所の信頼を高めることにつながります。
1年間を振り返ることは、次年度の広報誌も読者に価値ある情報を提供し続けるために不可欠なことです。
おすすめの振り返り方としては振り返りシートを作って各メンバーに1年間の広報誌の編集活動を思い出してもらうことです。
最後に発表して全員で共有してください。
他の介護施設で作っている広報誌と差別化を図ろう【ネタはマンネリ化しても大丈夫!!】
「最近、ネタがマンネリ化してきたなー。一風変わった情報を発信したいなー」という広報誌担当のあなたのために、今回は特別に絢音が携わった「ユニークな広報誌」ネタを提供します。
基本的には介護施設は大きく変わることは少ないです。
なので、毎回同じような記事になる。
それは仕方のないことです。
でも、読まれる広報誌にするには小さなところで他の施設にはない独自性の強い記事を作る必要があります。
ユニークな広報誌を作る。
介護施設の広報誌を見ていると
- 利用者様がみかん狩りなどの外出行事に参加されている。
- お食事を食べている様子。
- 納涼大会で利用者様と職員が触れ合っている様子。
- レクリエーションに参加されている利用者様。
の記事を作っていることがほとんどです。
広報誌は自分の施設の宣伝をするだけではなく、読者に価値を提供するものです。
読んでもらわなければ作った広報誌自体が意味がありません。
たまに、一風変わった他の施設にはないテーマで広報誌を作っていくと読まれやすい広報誌になります。
法人のブログやSNSとリンクさせる。
広報誌もブログ、SNSもあなたの施設の情報を流すための媒体です。
ブログやSNSメインで施設の情報を見ている方には広報誌も見てもらえるように。
逆に広報誌をメインで施設の情報を見ている方にはブログやSNSも見てもらうようにすると、自分の施設を多角的に読者に紹介することができます。
ブログ・・・リアルタイムな情報を提供できる。
広報誌・・・施設が一番伝えたい部分を伝えやすい。
広報誌は施設のパンフレットの延長、ブログは日々の情報を発信するツール。
どちらかだけを使うのではなくて、どちらの読者ももう一つの媒体に触れてもらう機会を作る。
そうすることで、「ブログだけ」「広報誌だけ」では見えないあなたの施設の価値を伝えることができます。
【提案】個人ブログを紹介する。
かなりのポジショントークになりますがw
今、個人でブログを運営している介護士が増えてきています。
介護士系の個人ブログを紹介することで、ブロガーさんも喜ぶし介護施設的にも自分の施設での体験談を掲載してもらうと宣伝費用を追加せずに自分の介護施設を紹介してもらうことができます。
介護施設、個人ブロガー両方にとってWin-Winな関係に慣れますよね?
サイドメニューを見ていただくついでにメインメニューも見ていただく感じです。
マックドナルドで言うところの無料のマックフライポテト(個人ブロガー)で興味を持たせて、メインのハンバーガーを買ってもらう感覚ですね。
個人ブロガーさんを完全にはコントロールできないのが難点ですね。
そのための解決策として、あなたが個人ブログを始めるとデメリットも解決できます。
介護施設の内部の人間です。
何の情報を発信してよくて、何の情報は発信してはダメかすぐに確認できますからね。
しかも、ブログって文章スキルも獲得できる。
編集長であるあなたの文章力が上がると、あなたが作る広報誌も読者の気持ちを捉えた高品質なものを作ることができます。
しかも、ブログ自体があなたの資産になるのです。
広報誌の編集長になったら個人ブログもやり始めると、ブログも広報誌の編集スキルも上がるといういいことづくめの行動です。
今から個人ブログを始めましょう!!
おさらい
広報誌の記事作りをする前に、対象の読者を絞り込もう。
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