
結論:読者が読みたい広報誌の記事は「体験談(エピソード)」です。伝えたいメッセージに添えて記事を作りましょう。
- 広報誌の編集長
- 広報誌の編集メンバー
- 介護施設の管理者

この記事を読むことで
・取材するときに何を聞けばいいかわかります。
・「人を集める」広報誌のネタ作りができます。
・広報誌の読者があなたの施設の「何を知りたいのか」理解できます。
介護施設の広報誌を作っていて
「(あなたの作った)広報誌を見てきました!!」
と言われたくないですか?
- 施設の利用者様
- 働く職員
- 施設の風通しをボランティア
あなたの作った広報誌を見て「お客様」や、あなたの仕事を手伝ってくれる「仲間」が増えるのです。
直接あなたが関わるとは限らないものの、そんな声が聞いて・・・

時間のやりくりして、広報誌を作った甲斐があった。
と達成感を感じてみたいとですね。
「人の集まる」広報誌を作るのは難しいことではありません。
介護士であれば、少し取材の仕方を工夫するだけで人の集まる記事を作ることができます。
それは
体験談(エピソード)を記事にすることです。
約5年ほど、介護施設の広報誌の編集長をやった私がネタに困ったときにはこの体験談(エピソード)を記事に入れました。
そうすることで、1ヶ月に1〜2件ほど
「広報誌をみて連絡しました。」
というお問い合わせをいただくことができました。
・想定する読者を[高齢者、就職活動生、地域のボランティア]の3つに分ける。
・読者の知りたい基本的な情報を提供する。
・最強のツールは「体験談」!!

ただ作るだけではなく、「人を集められる」記事を作れると達成感は半端ないです。
【想定読者:高齢者(見込み利用者)】ケアマネがあなたのデイサービス利用を勧めやすくする。


ケアマネの一番の仕事は利用者様が「ここは楽しそう。一回行ってみようかな。」と思う介護サービスを見つけることです。
具体的には次のネタを記事にするとケアマネが利用者様に紹介したくなる広報誌の記事になります。
- アクティビティー(毎日、利用者様に提供しているメニュー)
- デイサービスを利用する前後の利用者様の比較(ビフォアー、アフター)
- 特別イベント

アクティビティーを記事にして、地域の高齢者を「利用者にする。」
レクリエーション取り上げると人が集まりやすい広報誌ネタの一つです。
アクティビティーとは?
利用者様の活動を意味するメニュー。具体的にはレクリエーション、リハビリ(機能訓練)、体操のこと。アクティビティーを提供する目的は、利用者様の心と体のバランスを整えることです。
でも、なぜアクティビティーを紹介すると地域の高齢者がデイサービスに来たくなるの?


それは、高齢になっても特技や趣味ができる場所を見つけるとつづけやりたくなるからよ。
- 足、腰が弱くなってきてて「外に出るのがしんどい」と思っている。
- 体が弱ったら、戻す方法がないと思っている。
- もう同じ趣味をする「仲間」を作れないと思っている。
- 昔と同じように「好きなこと」をできないと思っている。
私も昔みたいに、お友達と手芸できたらもっと楽しいのにな・・・・

ここで、アクティビティーを紹介するとそんな地域の高齢者があなたの介護施設を利用するきっかけになります。
- 高齢者が趣味をきっかけにデイサービスを利用するようになる。
- 地域の方が自分の介護施設でボランティアをやりたいと思うようになる。
- 「ここの施設で働きたい!!」と、介護士志望の人が職員募集の問い合わせをするきっかけになる。
- 相談員がケアマネに営業をするときに、他施設との違いを説明しやすい。
- 施設に関わった利用者様や家族様のビフォア、アフターの違いを取材しやすい。
アクティビティーは、利用者様や職員の活動そのものです。
つまり、体を動かすということ。
利用者様がアクティビティー参加する前と後での違いを読者に伝えることであなたの介護施設を魅力的に伝えることができます。
- 利用者様の実際の発言を「」でありのままを伝える。
- どこで、何をしているのかを説明する。
- 写真の下にキャプション(利用者様が何をしているところかの説明)を入れる。
- 利用者様の気持ちに焦点を当てる。
- 写真は必ず利用者様が笑顔のものを使用する。
【ビフォア、アフター】家族様に利用者様が自宅にいる時とデイサービスの行かれている時との違いを取材して記事にする。
でも、どうやってアクティビティーを伝えたら読者に「ここの施設に一度問い合わせてみよう。」と思ってもらえるんだろうか?

- 笑顔が増える。
- 適度に運動する機会が増える。
- 施設で入浴してくれるので家族は安心。
- 今まで「もうできない」と思っていた趣味を施設でできるようになる。
- 高齢になっても新しくお友達を作れた。
- 昼間に寝ていた時間を体操や趣味など、活動するようになった。
広報誌をみてあなたの施設に問い合わせをしたくなるかどうかは
あなたの施設を利用することで利用者様や家族様の生活を変えられるかどうかです。
その伝える簡単な方法が
利用者様、家族様のエピソードを記事にすることです。
私は、○○デイサービスを利用するまでは昼間もずっと寝たままの状態でした。
夫に先立たれ、家にいるのは私だけなのでご飯も適当なもので満腹になりました。
ある日、見かねた娘から○○デイサービスを勧められました。
最初は「私はまだお下のことは自分でできるよ。」とあまり乗り気ではありませんでした。
でも、娘が「とりあえず、見学だけでも行こう。」
と何度も誘ってくるので仕方なく施設見学することにしました。
施設見学をしたのはお昼間のことでしたが、そこでは手芸で「干支のぬいぐるみ」を作っていました。
それを見て、
「よく、娘にぬいぐるみを作ったなー。娘の笑顔を見ると嬉しかった。孫はまだ小さいからまた、作ってみようかしら。」
そう思っていると、施設の職員さんが「よかったら、体験してみませんか?」
笑顔で私を誘ってくれました。
私はどちらかというと人見知りなので、不安でしたが他のお年寄りから「あなた、見学にこられたの?仲間が増えるのは大歓迎‼︎よかったら、一回やってみましょうよ」
と体験することにしました。
その間に、娘は職員さんと施設を見学。
あっという間に見学は終わりました。
それから、私はその施設を利用することになりました。
週3回ですが、お友達に会いに行くのと手芸をするのを楽しみにデイサービスに通い続けています。
もっと早く言ってたらよかったなーと後悔しています。
介護施設を利用しようかどうか迷っている人にとって、具体的なエピソードほど説得力のあるものはありません。
「他の人が馴染んでいるなら、私も馴染めるかも」と思えるからです。
- 取材の目的を伝える。
- 施設を利用するきっかけを聞き取る。
- 利用者様の話すペースに配慮する。
- あまり突っ込んで聞いて欲しくないような様子の時にはそれ以上取材しない。
- 広報誌の記事以外では話さないことを伝える。
- 取材前に、利用者様と家族様に同意をもらう。
【人気イベント】開催したら必ず記事にすべきネタ


たまにしか実施しないので、普段とは違う利用者様の様子を取材することができますよ。
「スペシャルなできごと」です。
私たちも特別なイベントがあるとワクワクしますよね?
例えば夏祭りとか。
夏祭りの時とか、浴衣を着るだけでもワクワクするわね。

それは高齢者にとっても同じです。
毎日は実施していない特別なイベントを実施することで、利用者様の普段とは違う様子を見ることができます。
それは広報誌のネタにしやすいですね。

【想定読者:就職活動生】「ここで働きたい」と思える記事は「働きやすい現場」を想像させる。

介護施設に就職しようと思っている人が一番気になるのは、「本当にこの施設で働けるのかな?」ってことですね。
- どんな流れで1日を職場で過ごすのか。
- 職員の年齢層。
- 自分でも長く続けることのできる職場なのか。
- 仕事で燃え尽きた時の難なく相談できる相手がいるのか。
- 入職後の仕事を覚えられるように研修体制は整っているか。
- 有給は取りやすいか?
あなたの施設で働きたいと考えてる人は「本当に楽しく仕事ができるのか?」不安を感じています。
それは、10年以上介護士を続けている私が職場を変える時同じです。
働こうと思っている職場の情報を知らないのは怖いです。
ふっと広報誌を見て

ここの職場だったら、楽しく仕事できるかも💗
と思わせる情報を発信できたら勝ちです。
そのポイントは・・・
読者の「不安を少なくすること」です。
業務の流れを写真付きで説明する。
送迎
朝は9:00~送迎に出発します。
夕方17:00~送迎に出発します。
送迎は利用者様にデイサービスへ来ていただくための大切なお仕事。
家族様にも元気に挨拶をします。
介護士経験のある人が転職するときに、まず気にするのが1日の流れです。
1日の流れで読者が特に知りたいのは
- 休憩のタイミングはいつか?
- 朝早くにきて仕事の準備をしないといけないか。
- 送迎時間は何時から何時までか?
- 入浴介助は何時から何時までか?
- レクリエーションを自分で考えて提供しないといけないのか?
仕事の1日の流れは、読者が職場で仕事をしている姿をイメージする材料です。
全く、何をするのかわからない仕事。
ある程度、どんな仕事をしないといけないかがわかっている仕事。
明らかに「ある程度、仕事の流れ」がわかっている方が読者の不安は少なくなります。
また、文字だけだとイメージしにくいので写真付きで仕事の流れを記事にすると読者の不安は少なくすることができます。

ひとり立ちまでの研修プログラムで、「本当にここで働けるかな?」を解決する。
【入職直後】
- 新人研修(業務中に入職から1週間は介助から書類の書き方まで一通りの研修)
- 入職から1ヶ月は特定の先輩介護士がマンツーマンで現場で指導。
- 仕事が終わったら、担当の先輩介護士が振り返り。
- 入職後1ヶ月間は「研修ノート」を書く。
【毎月の会議の時に研修】
- 挨拶の練習(ロールプレイ)
- 身だしなみのチェック
- ベット移乗の練習
- オムツ交換(2人1組になってオムツ介助の練習をする)
- 嘔吐物の処理の練習。
ここでのポイントは実施した研修は全て紹介することです。
研修が多いだけで、

ここの職場は研修が充実している。私でもここの施設なら安心して仕事ができるわ。
と思ってもらえます。
そのうちの一つを詳しく写真付きで紹介しましょう。
- 実施した研修は全て載せる。
- そのうち一つだけ、詳細に記事にする。
- 研修の詳細を紹介するときに、何をしたのか時間の流れを載せる。
- 1人の職員にピックアップして、研修を受ける前後での違いを聞きとる。
- なんの研修をしているのかがわかる写真を使う。
- できれば、職員が動いている研修を記事にする。(座学だけだとわかりづらい)
読者が研修に参加した時のことを想像できるように、記事にします。
仕事を失敗した時の解決事例を載せる。

【送迎の場所が分からなってもサポートしてくれる上司】
10年以上デイサービスで介護士をやっている私の一番の失敗談は送迎先で迷子になったことです。
その時は、「すごーく怒られる」と思ったけど逆に励まされました‼︎
あれは、私が送迎に出はじめて1ヶ月程度のことです。
送迎前に、初めて行く利用者様宅の地図は見ていました。
でも、そのお宅はいわゆる「旧村地域」で複雑に入り組んだ地域でした。道も狭く、軽自動車でも通るだけでヒヤヒヤするほどです。
私は一つ曲がり角を間違えたのか地図で見て想像していたのとは全く違う場所へ来てしまったようでした。
どうしようかと迷っていたところ、「上司に連絡する?」という考えが浮かんできました。でも、私はためらってしまいました。
「こんな失敗をして、上司に怒られる。」と思ってしまったからです。でも、勇気を出して上司に連絡すると・・・・
(上司)「なるほど、そこは私でもよく迷ったわ。利用者様には私の方から遅れる連絡しておくわ。」
私はなんとか10分ほど遅れながらも利用者様宅に到着しました。
仕事が終わってから、上司に朝の送迎での出来事の「振り返り」してもらいました。
(上司)「人間だから、初めて行く場所は迷うこともあるわ。でも、迷うことは交通事故のリスクを高めることもある。なので、これから初めて行く送迎先は行ったことのある誰かに送迎先のことを聞きましょう。もし、他の職員で聞きにくければ私に聞いてくれたらいいからね。」
その時、私はグッと胸が熱くなりました。送迎中に迷うことと利用者様にご迷惑をおかけし上司に怒られると思っていたけど、実際にはそうはならなかったからです。それどころか、「次、失敗しないための方法」を一緒に考えてくれていました。
しかも「私も昔よく迷ったのよ。」と私の気持ちに寄り添ってもらえたからです。
今、その上司は残念ながら退職したしまいましたがその上司の「思いやり」を受け継いで新しく入った職員さんが失敗したら気持ちに寄り添うアドバイスをさせていただいています。
どんな仕事でも、失敗はつきものです。
何年介護の仕事をしても、失敗をしない人はいません。
失敗して・・・・
あなた、そんな簡単なこともできないの?

と言われる職場と

あなたが、そんな失敗するなんて珍しい。今回、なんでこんなミスをしたのか一緒に考えましょう。
と、失敗してもフォローしてくれる職場とどちらであなたなら働きたいですか?
読者はあなたの施設がどちらのタイプか入職するまでわかりません。
あなたの施設の職員の失敗談から解決までのことを記事にすることで、
ここの職場は、ただ怒られるだけじゃないのね。この人は介護士経験が長いけど、失敗もあってこんな感じで失敗を解決したのね。私でもできるかも。

と思ってもらえるきっかけになります。
介護施設の広報誌はいいところばかりを記事にされがちですが、施設としては恥ずかしいところも記事にすると読者から信用されやすくなります。
テレビの通販番組を胡散臭く感じるのは、商品のいいところばかりを紹介して
「よくない点」を全く紹介しないからです。

どんな仕事でも失敗はつきもの。それを解決した「体験談」は介護士の仕事を探している人にとって潜在的に「知りたいなー」と思っている情報です。
ボランティアのことで取材すること3選【ボランティアを集めるためには「生きがい」がポイント】

ボランティア活動する理由は
自分自身の生きがいのためが一番です。
特に、定年退職されたり子育てがひと段落された方のボランティアが多いのが現状です。

私の職場でも
- アニマルセラピー
- フラワーアレンジメント
- 音楽療法
- 折り紙教室
- 納涼大会
- 楽器演奏
- ハンドセラピー
のボランティアに来てもらっていました。
たくさんのボランティア団体や個人の人に自分の施設のボランティアに来てもらうのは
「風通しの良い施設」
をアピールすることができます。
「ボランティア」広報誌の記事で読者(ボランティア希望者)が気になること。

ボランティアを希望される広報誌の読者には次のような不安があります。
・ここで私の趣味(楽器演奏や踊りなど)を発表する場として適切だろうか?
・職員はサポートしてくれるだろうか?
・施設にお邪魔して職員から嫌な顔をされないだろうか?
・(ボランティア団体)ボランティア終了後、メンバー同士で反省会をする場を提供してくれたら嬉しいな〜。
・一日デイサービスのお手伝いのボランティアをするけど、お昼ご飯は出るのかな?
・ボランティアを「楽しく」続けることはできるだろうか?
「楽しく」がないとボランティアはあなたの施設に来てくれません。
ボランティアは「無償」ではなく、「楽しく過ごすことができた」という体験がボランティアの報酬なのです。
ボランティアの方の「体験」を取材する。

ボランティアの唯一の報酬は「体験」です。
- 定期的に楽器演奏する場所がある。
- 施設で(団体で)活動することで友達ができた。
- お話ししていると楽しい職員さんがいる。
- 悩み事を抱えていると、職員さんが気づいて親身になって話を聞いてくれた。
- 介護の仕事をする前に、「介護の仕事がどんなものか」体験することができた。(辞めたいと思えばいつでも辞められる)
だから、お給料は支払われないくてもあなたの施設へボランティアに来てくれます。
その体験を取材します。
- いつからはじめているか。
- 何のボランティアをやっているか。
- どれくらいの期間続けているか。
- 何がきっかけではじめたのか。
- ボランティアを続けられている理由。
- ボランティアをやっていて「よかったなー」と思った瞬間のエピソード。
- ボランティアをする前後で変化したこと。

ここで大切なのは「エピソード」ですよ。
「エピソード」はマジで大切!!
なぜ、2回言った!?

読者は常に「この話、本当かな〜?」と思っています。
あなたの施設でボランティアをすると「楽しい」ことを体験できるのを伝えるのに、実際にボランティアに来ている方の口から語らせるのが効果的です。
アマゾンの商品レビューもあれも、一種の体験談です。
商品を使って「よかった/悪かった」をエピソードで語ります。
ボランティア広報誌はボランティアによるあなたの施設のレビュー記事なのです。

ボランティアの方の取材をする前に紙に「聞きたいこと」をまとめてから取材しましょう。
来てほしいボランティアを具体的に示す。

介護施設はどんなボランティアでも受け入れるわけではありません。
いくら報酬は渡さない(交通費などの実費を出している施設はあります)受ける側の介護施設も職員と利用者様が「この人に来てもらってよかったなー。」と思ってもらえる人にしか来てもらえません。
私の元職場でも
- 私、歌上手いからカラオケの機械を貸してもらったら昼間に歌いますよ。
- そちらで、昼食の準備を手伝ったら昼食をご馳走していただけると聞いたんですが・・・・。
- 有償ボランティアとして「お一人30分、1000円でマッサージをしますよ。」
という問い合わせもありました。
施設の方針が無条件でどんなボランティアでも受け入れるなら仕方ないですが・・・
来てもらってもボランティアの「自己満足」で終わるものはお断りしたいものです。
ボランティアの対応するだけで余計な仕事が増えます。
なので、来て欲しボランティアを広報誌に書いておきましょう。
まとめ
・想定する読者を[高齢者、就職活動生、地域のボランティア]の3つに分ける。
・読者の知りたい基本的な情報を提供する。
・最強のツールは「体験談」!!

「体験談」は読者に「確かにここの施設は魅力的かも〜〜!!」と思わせられます。取材の手間が必要ですが、「施設への問い合わせのきっかけ」になりますよ。
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