結論:入浴の設備、施設の外観と内観(見た目)、利用者様が直接触れる機会の多い施設の備品を広報誌の記事にすると読者が読みたくなる広報誌になる。
この記事の対象者
・広報誌の記事にするためのネタ不足に苦しんでいる編集長
・他の介護施設の広報誌との差別化を図れていない介護施設の管理者
・新施設を建てるので施設の設備も記事の依頼をされている編集長
です。
この記事を読むことで
・マンネリ化した介護施設の広報誌を対象読者が読みたい魅力的な記事にすることができます。
・広報誌の内容の提案の段階で上司から「やり直し」と言われて「どうすればいいんだろう?」という悩みを解決です。
・ほとんど取材をしなくても、相談員が営業で活用される広報誌の記事を作成できるようになります。
こんにちは、介護の仕事とは別に社会福祉法人の広報誌の編集長を5年経験したことのある櫻絢音です。
介護施設の広報誌を編集のメンバーになって
- 記事を作るのにネタ不足。
- 新しい施設を紹介しろと編集長や上司から言われたけど、具体的に何を記事にすればいいの?
- 広報誌の計画を立てて上司に相談したけど「もう1回、広報誌の計画を練り直せ」って言われた。どこがダメだったのかわからない。
こんな悩みを持っていませんか?
その原因はズバリ
私の施設の強みってなんなんだろう?
これから広報誌をつくっていかないといけないのに今から自分の施設の魅力を見つけたり思い出すのって時間だけが過ぎてなかなか見つからないです。
そこで、ネタが尽きたり、上司から広報誌の計画の修正を求められたら
とりあえず、あなたの施設の設備について記事にすればOKです。
介護施設の設備なら、建物自体が多少古くても問題ありません。
なぜなら、介護施設の設備を使わなければ解決できない問題を抱えている人がいいるからです。
介護施設の設備を広報誌で魅力的に伝える方法は
その設備を使った利用者様のビフォア、アフターを伝えること。
ビフォア、アフターを伝えることで読者だけでなく上司を唸らせる広報誌を作ることができます。
【1つ目】高齢者とその家族はあなたの介護施設にどんな入浴の設備があるのかを知りたがっている。
介護設備で記事作りで一番わかりやすい例が「入浴の設備」。
今すぐデイサービスを利用したい高齢者がすぐに解決したい問題が「入浴です」
特にデイサービスは入浴出来なけば選ばれないと言っても過言ではありません。
ケアマネからの問い合わせでまず最初に聞かれるのが「入浴」です。
特浴の設備はあなたの施設を利用したいかどうかの指標になる。
入浴設備でも重要になるのが「特浴」。
特に寝たきりの人や重度の認知症の方は「普通のお風呂」では入浴できないと思っています。
私が働いているデイサービスを利用する人の約9割が「自宅では入浴できない。」「一人で入浴するのは不安だ。」と施設での入浴を希望されています。
入浴するための機械があるだけで「これからデイサービスを利用したい」と考えている読者には価値ある情報です。
機械浴にも様々あります。
絢音がよく使っていたのはチェアーイン式の特浴とリフト式の特浴です。簡単に違いを説明しますね。
(チェアーイン式の特浴)
利用者様に服を脱いでいただいた後、専用のチェアーに乗り換えていただいて入浴していただく設備です。
対象の利用者様は
- 立位がしっかりしている。
- 座っている状態でも傾いたり、お尻の位置が大きく前の方へ行ったりしない。
- 長い距離で自分では歩行できない。
- 褥瘡(床ずれ)や怪我で傷口を濡らしてはいけない。
- 退院直後で主治医から「シャワー浴で」という指示が出ている。
イメージ的には要介護2〜3の方が対象です。(絢音の見解です)
この設備を持っているだけで、他の施設との差別化を図れます。
あるなら記事にしない手段はありません。
(リフト浴)
こちらがリフト式の入浴設備です。
介護施設の機械浴と言ったらこちらをイメージする方が多いのではないでしょうか?
リフト式の対象になる利用者様は
- 寝たきりで寝返りも打てない。
- 職員の介助である程度の距離を安定して歩行できる。
- ケガや褥瘡(床ずれ)のために特別な処置が必要。
要介護の4・5か要介護2の方が利用されるイメージです。
重介護だけでなく歩行が安定している方にも使われるというのがリフト浴の特徴です。
たとえば、午後からのレクリエーションが楽しみで朝早くに入浴したい。
そんな方にもオススメの入浴となっています。
デイサービスの場合、入浴を中心に利用者様は1日の過ごされ方を考えています。設備が充実しているのであれば広報誌で情報発信しましょう。
介護度の低い利用者様には「一般浴で入浴したくさせる」記事を作る。
でも、うちの施設は古いんだよね。一般浴で読者に満足してもらえる情報なんか・・・
魅力的な情報がなければ作ればええやん‼︎
えっ、作るの⁉︎
記事の捏造はダメだけど、伝え方一つで魅力的な一般浴になるわよ。
高齢者が思わず来たくなる入浴設備に関する記事の作り方
(入浴設備に関する記事見本)
入浴設備の記事で利用者を獲得しようと思うとあなたのデイサービスで入浴するとどんないいことがあるのかを読者に伝えなくてはいけません。
入浴の困難な人に入浴を進める記事の書き方
- リフト浴で、寝台で洗身するので寝たりきりの方でも全身の清潔を保持することができます。
- チェアー浴で、入浴用の車椅子に座ったまま浴槽に入れます。リフト浴に抵抗がある人でもチェアー浴ならゆっくりと湯船に浸かっていただくことができます。
- 一般浴や自宅のお風呂のように、浴槽をまたぐ必要ながないので転倒の危険性を大幅に抑えることができます。
足腰が弱っていて、自宅で入浴するのが怖いと思っている高齢者の「不安」をあなたのデイサービスの入浴の設備で解決を提案すれば読者が「来たい」と思う記事になります。
ここで伝えるべきメッセージは「この施設で入浴すると、『自宅で入浴して転倒してらどうしよう』という不安を解決できますよ」です。
あとは、広報誌を読んでいくうちに生まれる読者の「疑問」に先回りして答えていく記事にするとケアマネも利用者様に勧めたい記事になります。
伝え方、見せ方を工夫するだけで読者に「ここの施設見学してみようかな」と思ってもらえる広報誌を作ることができますよ‼︎
【2つ目】施設の外観と内装(フロア)は履歴書の顔写真と一緒。
施設の外観や内装は写真で印象が決まります。
施設の外観は履歴書の写真と同じ。
施設を紹介するときに「外観(建物全体の写真)」と内装を取らないわけにはいきません。
広報誌で読者があなたの施設に興味を持ってもらっても建物のイメージがわからないと行けないからです。
- 施設の見取り図
- 施設へのアクセス
- 部屋の数
- 広さ
などよりも先に写真での見た目が重要。
いわば施設の履歴書写真です。
ここでのポイントはプロのカメラマンみたいに「インスタ映え」するような写真はいらないということです。
- ここは何をしているところ?
- 建物の雰囲気はどんな感じ。
- 気軽に施設見学できる?
あなたの介護施設だと分かればOK。
後は複数枚撮影しておけばその中から使える写真を選ぶことができます。
建物の写真は1枚だけでなくて、5〜6枚以上撮る角度を変えて準備しておきましょう。
フロアの見た目は利用者様の日常をイメージさせる。
施設のフロアの写真を撮る際にも注意が必要です。
もし、あなたのフロアが魅力的でなければ読者は「ここの施設、利用者様に優しくない施設なんだ」と印象を与えてしまうからです。
普段からフロアのゴミが落ちていたらすぐ拾うような職員ばかりでも、広報誌の写真を撮るときに限ってこんな状態になっていることはよくあります。
瞬間的なことかもしれませんが、間違ってその写真を広報誌に使ってしまうと読者へ悪い印象しか与えません。
フロアの写真を撮る前に、整理してから写真を撮るようにしましょう。
ものであふれかえっていたり、床にゴミやほこりが落ちている施設がまともな施設だとは思われませんもんね。
【3つ目】あれば絶対に伝えるべき‼︎高齢者があなたの施設を利用の決定につながる介護施設の備品3選
どれも利用者様の過ごされ方を決めるものです。その中でも利用者様のニーズの高いものを3つに絞って紹介します。
カラオケの機械【カラオケできるかどうかで利用するかどうかを決める利用者様もいる】
高齢者にとってカラオケは喜ばれるレクリエーションの一つです。
特に、若いときにお友達や近所の方とカラオケによく行っていた方にとって「カラオケにい行けない」のはストレスでしかありません。
また、カラオケしたいな・・・
と思っている方も少なくありません。
私の職場ではあまりにも歌いたい人が多いので、歌う順番とかを介護士で決めています。
順番をミスすると
なんで、琴音さんは3回歌っているのに私は2回しか歌わせてくれないのよ!!
喧嘩になるぐらい人気のあるレクリエーションです。
ただ、カラオケのできない介護施設もあります。
なので、カラオケの機械があるのはそれだけであなたの施設の強みになるのです。
カラオケの機械に搭載されている曲数や付属品のワイヤレスマイクなどの特徴の説明を入れてもいいですが、あくまでも補足情報として記載します。
リハビリの設備【介護予防は介護保険サービスのスタンダード】
リハビリの設備を広報誌の記事で読者にい伝えられるメッセージは3つあります。
- 在宅での生活を支援していること
- 介護保険サービスの流れは「自立支援」であること
- リハビリは「苦しい」ものではなく、楽しんでできること
自立支援というのは、利用者様が今以上に介護度が上がらないように「自分のことは自分でしていただく」支援です。現在の介護業界ではスタンダードな考え方です。
リハビリのサービスと自立支援はセットです。
利用者様は何もしないと年々体が不自由になります。
- よく転倒するようになったり
- 足が上がらなくなったり
- 手先が思うように動かなくなったり
- 記憶力が低下してきたり(短期記憶の低下は特に顕著)
- 怒りっぽくなるなど感情をコントロールできない
リハビリというと理学療法士や作業療法士による平行棒での歩行練習を思い出します。
でも、
- 車椅子で移動している利用者様が職員の介助でトイレまで歩行される。
- レクリエーションとして脳トレを提供する。
- 手芸や創作レクリエーションで手先の動きを思い出してもらう。
- カラオケで口の動きや顔の筋肉を鍛えることで嚥下体操になる。
- 毎日、施設独自のリハビリ体操を実施している。
日々のレクリエーションや排泄などの日常の動作に自立支援(できることは利用者様自身の力でやってもらうという考え方)を取り入れることでフロアも立派なリハビリ室になります。
これを日常生活リハビリと言います。これを取り入れていないデイサービスは廃業します。
特にリハビリ室がなくても、施設のフロアを「リハビリ室」にして記事作成をすることもできますよ。
広報誌でレクリエーション=利用者様に楽しんでもらうものとして記事を作っている施設が多いです。生活リハビリの観点から記事を作ると、同じネタでも違った切り口で情報発信することができます。
Wi-Fi設置はこれからの利用者獲得には必須の設備【高齢者のIT化は進みつつあります】
2018年の時点で60歳以上のスマホ普及率が60%を超えていますね。
これからもシニア世代のスマホの使用は増えます。
私の元職場でも施設内、Wi-Fi完備‼︎
もはや介護施設のWi-Fiはスタンダードになりつつあります。
私たちも旅先や遊びにいった先でWi-Fiを使用できるのが普通の状態になりました。
情報としては施設の内装の補足的な情報にはなりますがあれば必ず情報発信しましょう。
読者が利用したくなるほど、あなたの介護施設の設備を魅力的に伝える3つのポイント
ここまでの情報だけでも十分あなたの施設の魅力は伝わります。でも、ここからさらに一手間付け加えるだけで「あなたの施設だから体験できる」ことをアピールできる記事を作ることができます。
【ポイント①】設備を使っている時の利用者様の笑顔の写真を使う【お願いして写真を撮るときに笑顔になってもらってOKです】
なぜ、施設の設備を使っているときの利用者様の笑顔の写真が必要かというとそれが介護施設の存在価値だからです。
利用する前と利用した後で利用者様に変化がなければあなたの介護施設に価値はありません。
- 定期的に外出する場所ができて目が輝いている。
- 高齢になっても友達ができてイキイキした生活を送れる。
- デイサービスを利用する前はただ寝ているだけだったが、今はデイサービスに行くために6時には起きている。
あなたの施設は価値があるかどうかを判断する材料が
利用者様の笑顔です。
笑顔は利用者様にお願いして作ってもらってOK。
なぜなら、お願いして笑顔を作ってもらえるというのは利用者様の信頼を得ている証拠だからです。
笑顔っていうのはそれだけであなたの施設の信頼を勝ち取ることができます。
【ポイント②】コメント欄には、一人の利用者様をピックアップして施設を利用される具体的なエピソードを乗せる【ビフォアー・アフター】
介護施設の広報誌では、一人の利用者様にしぼらないで記事を作る施設が多いですがこれにはデメリットがあります。
あなたの施設の強みを伝える広報誌なのに、他の施設と変わらない記事だったら作る意味がないです。
全ての広報誌の全ての紙面で「一人の利用者様に絞って」記事を作るのはほぼ不可能です。
今回作る広報誌で一番伝えたいメッセージを載せた記事で「一人の利用者様に絞って」
具体的なエピソードを載せればOKです。`
【ポイント③】その設備のデメリットも伝える【フォローを忘れずに】
どんなに機能性のある設備でもデメリットがあります。
そのデメリットを敢えて広報誌に書かないと「ここに書かれていること本当かな?」と信用してもらえません。
そして、そのデメリットをただのデメリットとして伝えるだけもNG。
この場合はデメリットをデメリットじゃないように書くのがベストですね。
たとえば、カラオケの機械を例に挙げると
確かに、カラオケの機械があることで利用者様が毎日利用したくなるぐらい楽しまれているというメリットがあります。
ただ、デメリットとして「利用者様どうしの喧嘩の元」にもなります。
そこでこんなふうに書けばどうでしょうか?
〇〇デイサービスでは、カラオケの機械があって毎日カラオケをしています。歌が好きな利用者様の中には「毎日でもカラオケをするためにデイサービスに来たいよ」という方もいらっしゃいます。カラオケをすることで利用者様の楽しみが増えるだけでなく、お口の体操で誤嚥予防にもなります。あまりにも人気のレクリエーションなので、職員の方で歌う方を決めさせていただいています。この日は△△さん、明日は□□さんが多めに歌ってもらうと調整しています。利用者様方の協力もあり皆さん仲良くカラオケを楽しまれている様子です。
紙面に限りがあるため、必ずしもデメリットを書く必要はありません。でも、デメリットを予め書いておいて解決策を実施していることを書いておくと、あなたの介護施設の信用は上がります。
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