結論:判断する力と運転技術が「送迎ひとり立ち」のキーワード。
最初は「送迎助手」でも、いつかはひとり立ちしなければいけません。
- 家族様とのやりとりするのが怖い。
- バックをするのも正直苦手。
- 利用者様を怪我させてしまった時に私では責任を取れない。
- 送迎は常にセカセカしていて、時間についていてるか不安だ。
- 助手で送迎にでていても「今、何をやっているのかわからない。」
責任感の強いあなただからこそ、「やらないといけない」とわかっていてもあまり乗り気にはならないですよね?
でも、1人で送迎に出るのに不安に感じることは悪いことではありません。
トレーニングで送迎スキルをステップアップさせれば、万が一のことがあってもトラブルを最小限度にすることができます。
ポイントは「送迎助手」しかできない時に、具体的なゴールを決めてトレーニングをすることです。
何かあってもフォローしてもらえる人がいる間に、「もし私ひとりだったら、この時はどうすればいいのだろう?」という自分自身に問いかける
実は、それを自分なりに組み立ていくことが送迎のトレーニングになるのです。
- 運転手の指示に従って卒なく送迎できる
- 調べて送迎の段取りを組める
- 人の動きを予測できる
- イレギュラーあっても冷静に処理できる
- 上司から免許皆伝(ゴール)
【意外と大きなひとり立ちの壁】2人送迎との違いを理解する
2人送迎と、ひとり送迎の壁は大きいです。
今まで運転手と2人でやっていた仕事を全て自分だけで送迎の仕事をやらないといけないからです。
でも、送迎でやらないといけない仕事自体は変わりません。
なので、一人送迎を目指す前にどんな仕事があるのか把握するところから始めましょう。
送迎の仕事に関して、分からない仕事を分からないままに進めると事故の元になり大変危険です。
ちなみに送迎の仕事は大きく分けて6つあります。
送迎の6つの仕事
- 運転
- 助手
- 家族様対応
- ヘルパーとの協力
- 車両管理
- 移動、移乗介助
これら6つの仕事に共通するのは「判断力」。
しかも、瞬時に自分で判断しないといけない場面もあるのです。
例えば、利用者様を自宅に迎えに行ったけど利用者様がいない・・・
通常ではない状況です。
この場合、「事業所に連絡して指示を仰ぐ」が正解です。
もし、2人での送迎の場合あなたが「どうしよう?」と思っていても運転手と相談することで「事業所に連絡して指示を仰ぐ」という判断ができます。
でも、一人の場合普通ではない状況に遭遇しても冷静に判断できる冷静さが必要なのです。
送迎助手は運転手と協力する仕事【2人送迎の時はシンプルに心強い】
2人送迎の時は、運転手と一緒に送迎するのでシンプルに心強いです。
送迎はある意味で不安との戦いでもあります。
送迎でひとり立ちした直後で強く感じる不安
- 時間通りに自宅へ到着できるか。
- 目的地へ迷わず到着できるか。
- 軽自動車がギリギリ通れるくらいの狭い道でも接触事故を防げるか。
- イレギュラー(いつもと違う状態のこと)が起こっても、パニックにならずに解決できるか。
- 通るのもやっとの狭い道で対向車が来たときに安全にすれ違えるだろうか?
精神的に不安になりにくいのは2人送迎の特徴です。
送迎中の事故のような判断しにくい状況になっても運転手と助手で相談して解決できるからです。
ひとり送迎の場合、
でも、どこの事業所も人数ギリギリ。いつも「2人送迎」ってわけにはいきませんよね。
1人送迎は運転と助手業務の全てやらないといけない【2人送迎の時の仕事量は1/2】
たしかに、ひとり送迎は最初こそは不安に感じます。
慣れてきて、思うように体が動くようになると・・・
私、実は仕事のできる女だったのね。
と、セルフイメージが高くなります。
実際には、失敗もしながら成長していく感じです。
ひとり送迎で成長する能力
- 利用者様、家族様の動きを送迎助手の時より細かく見れるようになる。
- イレギュラー(普段と違う状況)があってもすぐに判断できるようになる。
- 利用者様、家族様の行動パターンを読めるようになる。
- 利用者様、家族様だけでなく他の介護士の求めているものを読み取れるようになる。
- 助手の時に運転手が「やってほしいこと」を的確に読み取れるようになる。
- 抜けてしまう業務を振り返る習慣ができる。
判断力って、数こなしていくと誰でも普通についてくる能力です。
ひとり送迎をはじめてから1年後には、大きく成長したあなたを自分で確認することになります。
成長した時の自分のことを考えるとワクワクします。
でも、送迎ひとりだちの最初の方は不安がいっぱい。
送迎ひとり立ち当初に感じる不安
- もし、自分の運転で事故をしたらどうしよう。
- 家族様と話すのが怖い。
- 利用者様を点灯させて怪我させるのが怖い。
- 迎えに行ったけど、利用者様がいなかったらどうしよう。
- 他の送迎職員が「あそこの送迎は大変だ」と言っているけど、自分の担当になったらどうしよう。
根本的な原因は、その時に自分で適切な判断ができるかどうかが不安だということです。
そんな時のために「上司」がいます。
困ったことがあったらためらわずに、上司に相談すればOK。
なので、送迎出発前に携帯電話を持っているかどうか確認しましょう。
送迎で悩んだこと、困ったことを他の職員と話をすると、「あ〜私もー」ってなります。共感してくれる人が一人でもいると苦労は「いい思い出」に変わります。
新人介護士がひとり送迎でも間違った判断をしない為にできることは・・・【「どうしよう!?」と思ったら上司に相談】
ひとり送迎では自分で送迎中に発生した問題を自分でいち早く見つけて解決しないといけません。
どんな送迎でも問題が発生しない送迎はありません。
それをいち早く気づいて解決しないと大きな事故やクレームに繋がります。
送迎中に解決しないといけない問題(具体例)
- 施設から利用者様宅までの送迎で使う道順。
- 送迎先に到着した時の利用者様、家族様への声かけの言葉選び。
- 利用者様の様子から利用者様のその日の状態。
- イレギュラー(いつもと違う状況)があった時の優先順位の付け方。
- 家族様からの依頼ごとへの返答。
送迎中ってこれだけの問題を同時並行で解決しないといけないんですよ。
ひとり立ちし始めた頃は迷って当たり前です。
送迎中に「どうしよう!?」って思ったら上司に連絡しましょう。
ここでの注意点は、きっちりと情報を整理して連絡しないと上司には伝わらないということです。
絢音さん、実は▼✖️☆♡%$&#?!=で・・・・
えっ、何!?どういうこと??
自分では正確に伝えているつもりが上司には全く伝わっていない。
割と現場では多く見られる現象です。
見たままをそのまま伝えようとすると伝わらないことが多いです。
送迎中に電話で上司に相談をするときのポイント(情報を整理して)
- 何が起きたかを話す。
- 上司にどうしてほしいのかを話す。
- なぜそうしてほしいのか理由を話す。
- 利用者様や家族様はなんと言っているのか話す。
- 上司からのアドバイスがあれば復唱する。
- 上司のアドバイスを実行する。
- 送迎後、上司にアドバイス通りに実施した(できなかった)結果どうなったかを報告する。
ちなみに、問題解決すると安心して「6.送迎後、上司にアドバイス通りに実施した(できなかった)結果どうなったかを報告する。」を忘れてしまいがちになります。
上司に失礼で、人によっては激怒されますのでお忘れなく。
送迎中って意外と判断に迷うことが多いんですよね。
送迎でひとり立ちするまでの5ステップ【1人送迎までのロードマップ】
送迎でひとり立ちするに必要な判断力のレベルを5つのステップが分けました。
送迎で最も必要なスキルが「判断力です」
あなたが今どのステップにいるのか把握しておきましょう。
なぜなら、ゴールまでどれだけの距離があるか分からないといつまで経ってもひとり立ちできないからです。
「どこまで走ればいいか分からない」マラソンって走る気をなくしますよね?
いつまで、苦しい状態が続くか分からないからです。
送迎助手の間に判断力をステップアップさせていきましょう。
【ステップ1】運転手(上司や先輩介護士)の指示に従って卒なく送迎をこなせる。
今ここタイムライン(送迎ひとり立ちまでの5ステップ)
- 運転手(上司や先輩介護士)の指示に従って卒なく送迎できる
- 事前に利用者様の情報を調べて送迎の段取りを組める
- 運転手や利用者様、家族様の動きを予想することができる
- イレギュラー(いつもと違う状態)があっても冷静に判断できる。
- 上司に1人送迎の「免許皆伝」をもらえる。
デイサービスの介護士になったらかと言って、すぐに自分で判断して動くのは難しいです。
「あの時これをして解決したから、今回もこれで解決できるかな」と、送迎の時の判断は「過去の経験」よるところが大きいです。
最初のうちは送迎の経験は全くないわけですから、運転手のもらった指示を確実にこなせるようにしましょう。
ただ、意外と指示通りに動けなかったということもあります。
これがあるのはあなたがコミュ障だからではありません。
言葉で意外と伝わらないものです。
でも、これは確認をすれば問題を解決できます。
助手として送迎に出始めの頃は、言われたことを確実にこなせる状態でいいんです。ある程度送迎がどういうものかわかるようになるには送迎の回数を重ねるしかありません。
【ステップ2】事前に利用者様の情報を調べて送迎の段取りを組める。
今ここタイムライン(送迎ひとり立ちまでの5ステップ)
- 運転手(上司や先輩介護士)の指示に従って卒なく送迎できる
- 事前に利用者様の情報を調べて送迎の段取りを組める
- 運転手や利用者様、家族様の動きを予想することができる
- イレギュラー(いつもと違う状態)があっても冷静に判断できる。
- 上司に1人送迎の「免許皆伝」をもらえる。
送迎に出るためには段取りをしなければいけません。
送迎は人の命を預かっているからです。
送迎助手の時は運転手にも手伝ってもらって段取りすればいいのですが、ひとり送迎ではもちろん1人で段取りしなければいけません。
送迎出発する時にはこれらを完璧にしておかないと、送迎中に焦ってしまことになります。
送迎の段取りとは、落ち着いて送迎をするための環境を整えることなのです。
段取りさえしてしまえば、あとは実行と途中経過の確認をするだけです。
【ステップ3】運転手や利用者様、家族様の動きを予想することができる。
今ここタイムライン(送迎ひとり立ちまでの5ステップ)
- 運転手(上司や先輩介護士)の指示に従って卒なく送迎できる
- 事前に利用者様の情報を調べて送迎の段取りを組める
- 運転手や利用者様、家族様の動きを予想することができる
- イレギュラー(いつもと違う状態)があっても冷静に判断できる。
- 上司に1人送迎の「免許皆伝」をもらえる。
利用者様や家族様の動きを予想するのってほとんど難しくはありません。
なぜなら、利用者様や家族様は送迎時に「同じ段取り」で送迎をしてほしいというニーズがあるからです。
利用者様の1日の様子を観察すると日によって行動がほとんど変わりません。
特に毎日やっていることは実施時間まで同じ。
「いつもその利用者様がどの順番で何をしているのか?」
を思い出すことが利用者様や家族様の動きを予測することになります。
高齢になると、基本的には「自分の生活するペースを乱されたくない」と思っています。
実は家族様や他の介護士の動きは利用者様の動きでほぼ説明できるます。利用者様の周りの人は利用者様自身の動きに合わせて動いているのです。利用者様自身も毎回
【ステップ4】イレギュラー(いつもと違う状態)があっても冷静に判断できる。
今ここタイムライン(送迎ひとり立ちまでの5ステップ)
- 運転手(上司や先輩介護士)の指示に従って卒なく送迎できる
- 事前に利用者様の情報を調べて送迎の段取りを組める
- 運転手や利用者様、家族様の動きを予想することができる
- イレギュラー(いつもと違う状態)があっても冷静に判断できる。
- 上司に1人送迎の「免許皆伝」をもらえる。
送迎時というのはイレギュラー(いつもと違う状態)に遭遇しやすい状態です。
送迎時にイレギュラーがあると焦ってしまいがちですが、落ち着いて解決しましょう。
実はイレギュラーがあってもやることって特別なことをするわけではありません。
イレギュラーに遭遇した時の対策
- まずは深呼吸をする。
- 状況確認する。
- 自分だけで解決でき問題か判断する。
- 利用者様の命や健康に関わる問題か。
- 緊急で解決しないといけない問題か。
- 上司や家族様に報告したら解決する問題か。
- 当面の問題を解決する対策はあるか?
- そのイレギュラーをほったらかしにすることで発生する問題点。
それで、結局「私では判断できないわ」という時は上司に相談するという判断ができればOKです。
必ずしも、イレギュラーをあなたの力だけで解決しないといけないというわけはありません。
「どうすればいいか分からない」まま時間だけが過ぎと、結局問題が大きくなってしまいます。
送迎時にイレギュラーが解決したら、申し送りにあげて他の職員にも情報を共有しましょう。
【ステップ5】上司に1人送迎の「免許皆伝」をもらえる。
今ここタイムライン(送迎ひとり立ちまでの5ステップ)
- 運転手(上司や先輩介護士)の指示に従って卒なく送迎できる
- 事前に利用者様の情報を調べて送迎の段取りを組める
- 運転手や利用者様、家族様の動きを予想することができる
- イレギュラー(いつもと違う状態)があっても冷静に判断できる。
- 上司に1人送迎の「免許皆伝」をもらえる。
これは私の職場ではやっていたのですが・・・
1人送迎を認められるために上司の送迎テストがありました。
送迎テストで見られるのは
「運転技術とステップ1〜4までの判断力があるか?」です。
(送迎テストに合格した時の絢音)
では、今から運転テストお願いします。
今日のコースは先日お伝えしたように、①山本様②鈴木様③坂本様の自宅近くに行った後事業所に帰ってくるコースです。
本日使うルートはSAKURA通りを通って山本様宅に行きます。そして、国道ASA線を通って鈴木様宅まで行きます。
坂本様宅へはサルスベリのバイパスを使います。坂本様から事業所までは内環状線を通って戻ります。
うん、それでいいと思うよ。
運転に関しては私は何も言わないから絢音さんのタイミングで出て下さい。
テスト終了後
ふー、なんとか終わったー。
緊張したな。
では結果発表です。
ドキドキ・・・・。
山本様の自宅へ行くまでのカーブがややふくらみ気味かな。
それ以外は危険に感じる箇所はなかったので「合格」です。
おめでとう!!
明日から1人送迎で出てくれていいよ。
やったー、3回目にして合格💮
明日から1人送迎、自分で利用者様の送り迎えできるって楽しいな。
運転が苦手でコミュ障でも送迎助手でトレーニングすれば1人送迎できる。
送迎は「トレーニング」を続ければ誰でも1人立ちできます。ただし、トレーニングは楽ではないです。
送迎助手は「1人送迎」するときのトレーニングになる。
送迎は運転だけできればいいものではありません。
1人送迎では運転+助手業務をこなさなければいけません。
送迎助手の仕事
- 利用者様、家族様への対応。
- 荷物の確認。
- 朝の服薬状況の確認。
- ヘルパーからの引き継ぎ。
- 施設からのお知らせ。
- 運転補助の業務(車をバックさせる時の後方安全確認)。
- 利用者様の健康チェック(バイタル確認、検温)。
運転以外で送迎のトレーニングをするには助手業務であなたがどんな動きをしているのか振り返りをしましょう。
助手の仕事については以下の記事にも解説しています。
運転技術+助手力=送迎スキルです。
絢音も1人送迎出れるようになるまで1年かかった。【一つずつ課題をクリアすれば焦る必要はありません】
デイサービスで働き始めたばかりの私の送迎スキルは
- 車をバックさせることができない。
- 狭い道で車をブロック塀に接触しそうになる。
- 運転手が次何をするのか読むという発想がない。
- 送迎の時のイメージができていない。
- 移乗介助が苦手。
介護士としても運転手としても未熟でした。
送迎テストの道順さえも自分で組み立てられず、上司に組み立ててもらっていたほどです。
それが主な原因で送迎テストに2回も不合格だったわけですがw
そんな私でも今では1人送迎できるようになっているのです。
あなたも必ず1人送迎できるようになりますよ。
最初はできなくて当然です。できないことをできるようにするのが成長です。助手業務から覚えていきましょう。送迎業務に慣れてきたら先輩介護士や上司にお願いして運転の練習を手伝ってもらいましょう。
1人送迎できる=デイサービスの売り上げに貢献できる。
ここであなたに質問です。
デイサービスの売り上げで一番重要なものは何ですか?
- 入浴介助
- 排泄介助
- 移動介助
- 移乗介助
- 食事介助
- レクリエーションの技術
- コミュニケーション能力
- 送迎スキル
答えはhの「送迎スキル」ですよ!!
なぜなら、送迎できなければ利用者様はデイサービスを利用できないからです。
あなたが1人送迎できるようになるのはデイサービスの「売り上げに貢献できる」ことになるのです。
参考までに1人の利用者様が7時間程度デイサービスを利用すると、約1万円の介護報酬(売り上げ)が事業所に入ります。1日5人送迎したら5万円の売り上げにあなたは貢献したことになります。私に場合1日のお給料は約1万円なので送迎するだけで4万円もの付加価値をつけて事業所に貢献することになるのです。すごくないですか?
まとめ
送迎をひとり立ちするまでには段階ごとの課題をクリアしなければいけません。
そして、送迎でひとり立ちはゴールではなくスタート地点に立ったばかりです。
送迎とはただ運転できるだけでいいのではなく、常にイレギュラーとの戦い。
イレギュラーが普通の状態になれば、イレギュラーはイレギュラーでなくなります。
デイサービスでよく使われる「臨機応変」は、基本ができた上に「送迎経験」を積み重ねることで幅が広がるのです。
送迎でひとり立ちが決まっても慢心せずに、送迎の基本を振り返って下さい。
送迎に関するまとめ記事で、今すぐセルフチェックをして下さい!!
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