
結論:助手で送迎に出ている間に運転手の動きを観察しよう。

この記事の対象者は
・現在、送迎業務は助手しかしていない介護士
・まだ送迎に出られていないデイサービスの介護士
・送迎の独り立ちが決まったデイサービスの介護士
です。

この記事を読むことで
・送迎の助手がやらないといけない仕事が分かります。
・運転手へのサポートの仕方が分かります。
・1人送迎でも状況に応じて判断できるようになります。
デイサービスの送迎は運転だけできればいいわけではありません。
- 利用者様、家族様とのやりとり。
- 運転手の運転補助。
- 利用者様の荷物管理。
- 送迎車への乗り込み介助。
- 上司への報告
運転と助手業務を合わせて送迎業務です。
新人介護士が助手で送迎に出るときにつまづくのが
何をしたらいいのか分からずただ車に乗っているだけ。

何回か送迎に出ているのに、相変わらず動けていない・・・。
私って仕事ができないのかな〜?
でもそれは、あなたが仕事ができないからではありません。
送迎業務の仕事を覚えていないだけです。
送迎の数をこなせば少しずつ「送迎」の流れがわかってきて、体が勝手動くようになります。

でもどうせなら、できるだけ早く運転手から「あなたが助手をしてくれるから、送迎が楽だったわ!!」って言われたいですよね?
そうなりたけば
助手力を上げるのが近道です。
助手力とは、直接運転する以外で
- 利用者様を安全に送迎するスキル
- 家族様の依頼を事業所に申し送るスキル
- 運転手と連携プレーができるスキル
- 交通事故や利用者様の突発的な体調不良などのイレギュラー(いつもと違う状況)があっても問題解決できる力
- 利用者様や家族様の行動を先読みできる力
のことです。

助手力が上がると運転手に頼りにされるだけでなく、送迎でひとり立ちするときにも「一人で送迎できるかな?」って不安を感じることなく送迎できるわね。
助手力は運転技術が未熟でもすぐに自分でトレーニングできます。
助手のトレーニングをした数が助手力につながります。

その前に送迎業務の流れを把握しておくと、助手業務に早く慣れることができますよ。
助手の業務力をアップさせる3ステップ

- 運転が苦手
- 利用者様の名前と顔が一致しない
- 送迎で自分が何をすればいいか分からない
そんな新人介護士が送迎に出る時初めてやる送迎業務が助手業務です。
ただ、助手の業務をするだけでなくて、
- 運転手はいつもどのような動きをしているのか?
- なぜ、その動きをしたのか?
- 利用者様や家族様の反応(表情や言葉)はどのようなものか?
- 結果、送迎は時間通りにできているか?
- イレギュラーがあったときにどのようにして修正しているか?
に注目しましょう。

最初はみんな「助手って何をすればいいのか分からない」と不安になりながら助手業務をやっています。ここからはステップ別で新人介護士がおさえるべき助手業務のポイントを学びましょう。
- STEP0送迎に出るまでに・・・送迎の手順を抑える。
- STEP1ベテラン運転手、上司かリーダーの助手送迎のプロフェッショナルのマネをする
- STEP2ひとりで送迎に出るときに困らないように送迎の助手を初めてから6カ月は自分だけの日記をつける。
- STEP3フィードバックしてもらう上司や先輩介護士と送迎に出る時は、最後に「フィードバックしてください」とお願いする
【ステップ1】最初はベテラン運転手か上司、リーダーの助手業務をする。


助手力をアップさせる3ステップ
運転手のタイプ別支援の方法
ここでの目的は送迎業務の流れを把握することです。
ベテラン運転手、上司、リーダーの助手業務をするメリットは
- 送迎業務になれることに集中できる。
- 利用者様の自宅までのルートをなんとなく知ることができる。
- 送迎時間がギリギリの時にどうやって時間短縮できるか参考にできる。
- 助手業務の流れを見て学ぶことができる。
- マネをすればそのまま使えることが多い。
つまり、運転手のマネをすることで送迎業務に出るまでのタイムラグを短くすることができるのです。
送迎は時間のとの戦い。
自宅への到着時間が遅くても早くてもいけません。
予定時間通りに到着するのが原則です。
予定時間通りに送迎業務をこなすためには、送迎業務の流れを体に覚え込ませましょう。


上司やリーダー、ベテラン運転手だと1人送迎することも多いので助手業務もできる人が多いです。いわば、送迎のお手本。新人介護士の動きをサポートしつつ送迎業務も行えるので、安心して送迎業務になれることができます。
【ステップ2】自分が運転手になった時のことを考えて助手の業務をする。


助手力をアップさせる3ステップ
運転手のタイプ別支援の方法
新人介護士がデイサービスの送迎での最終目標は
1人で送迎に出れるようになること。
デイサービスで労力の最も多い業務が
- 送迎
- 入浴介助
- トイレ介助
この業務に関しては「猫の手も借りたいぐらい」人手がいる業務です。
ほぼ全ての利用者様を送り迎えをしないといけないので・・・
20名のデイサービスなら20人分の送迎。
30名のデイサービスなら30人分の送迎。
独歩や見守りの中杖歩行できる利用者様を2人で送迎していたら、介護士の数が足りなくなります。
つまり、デイサービスで働く限り1人で送迎する機会が必ずあるのです。
1人で、運転だけでなく助手業務もできないと送迎ができません。
送迎の助手で出る時から
- なぜ、そのルートで送迎するのか?
- 自宅に到着してから送迎車に乗るまでに助手がしないといけないこと。
- 車を発進させる前に確認しないといけないこと。
- 社内での利用者様の様子をどのタイミングで確認しているか。
- 利用者様の様子確認をするポイント。
- 各利用者様の荷物。
- 利用者様同士の相性。
を観察してください。
できれば、デイサービスの送迎に出始めてから少なくとも6ヶ月は毎日、その日の送迎で印象的だったことを自分だけの日記を書きましょう。


1人送迎は、イレギュラーがあっても1人で対応しなければいけません。あなたの判断で利用者様の命に関わることもあります。
【ステップ3】上司、先輩介護士からフィードバックしてもらう。


助手力をアップさせる3ステップ
運転手のタイプ別支援の方法
朝の送迎は時間がないので、なかなかフィードバックは難しいですが・・・・
帰りの送迎の時間であればあとは施設に帰るだけなので運転手と話をする時間的余裕があります。
そこで、送迎の流れを把握するまでは「今日の送迎で改善すべき点」を運転手に聞きましょう。
具体的には
- 自分のどの動きをどのように改善すれば利用者様の乗り込みの時間を短縮できるか。
- 移動・移乗介助で危険な箇所はないか。
- 送迎で疑問に感じた場所。(例:昼間独居の利用者様で自宅の鍵をなぜそこに置いておくのかなど)
- 家族様への対応で良かった点、改善した方がいい点。
特に上司やリーダーが運転手で送迎に出る時は毎回必ず聞きましょう!!
上司からリーダーの指摘を聞くって


ボロカスに言われたらどうしよう・・・
怖いなー
って思ってしまって自分からは言い出しにくいです。
気づかなくて利用者様に危険な介助をする方がリスクが高いです。
場合によっては利用者様を怪我させることもあります。


私も新人介護士時代に上司から「車椅子への移乗介助が過剰介護で危険」と指摘されてショック。先輩介護士や上司に利用者様役をやってもらって移乗介助の練習をして、今ではどんな人でも移乗介助できるようになりました。その指摘がなければ、私は移乗介助すらできない介護士でした。
運転手別支援の方法。【立場によって支援方法が変わります】


ある程度、助手業務に慣れてきたら運転手の個性に合わせて助手のやり方を変えていきましょう。ただし、施設のルールは守らないと交通事故や介護事故のリスクが高くなるのであくまでも施設のルールの範囲内で。
【ケース1】ベテラン運転手(運転手雇用)の助手は基本は任せてOK


助手力をアップさせる3ステップ
運転手のタイプ別支援の方法
週5回以上、勤続年数5年以上でベテラン運転手といえます(あくまで絢音基準ですが)
業務の流れや利用者様の個別の対応方法、移動・移乗介助も熟練しています。
- 施設のルールを無視しそうになる→やんわり伝える。(これって施設のルールで禁止されてませんでしたっけ?)
- たまに、運転が乱雑になる場合がある。→クッション言葉を使って伝える(ごめんなさい。私、乗り物酔いしそうです。できれば、もう少しゆっくり運転してもらえると嬉しいのですが・・・)
- 利用者様と馴れ馴れしく会話することがある。→上司に報告するのが無難(運転手の〇〇さんが・・・・)
ベテラン運転手さん(特に運転手雇用の人)って、
- 定年退職後パートで働いている。
- 60代以上
- 男性
- 現役時代はバリバリ仕事をしていた
- 管理職で部下を何人も抱えていた
という特徴があります。
つまり
すごーくプライドが高い方が多いです。
その場で直接注意できればいいのですが、
「お前に言われなくてもわかってるわ!!」
と言われる人が多いです。
小心者の私自身直接的な言葉で指摘できなかったです。
上記のように言うことでベテラン運転手に必要な指摘を受け入れてもらえる確率が高かったです。


いずれにしても運転手の様子については都度、上司に報告しておくと無難です。上司も気付いていないことがあります。
【ケース2】上司、先輩介護士が運転手の時は指示通りに。指示がない時は非「言語的なコミュニケーション」で指示を予測する。


助手力をアップさせる3ステップ
運転手のタイプ別支援の方法
- 運転手の動きを観察しているか。
- 分からないことを「分からない」と言えるかどうか。
- 送迎の予定を把握しているか。
- 利用者様や家族様からの依頼ごとで、その場で判断できないことを持ち帰ることができるか。
- 上司やリーダーがあなたに「どこまでを具体的に指摘しないといけないか」
上司やリーダーは新人介護士が「独り立ちして問題があっても適切に処理できるか」と言う判断力や介助力を見ています。
上司はまず「新人介護士が指示を出した通りに動くことができるかどうか」を試します。
もちろん、ただ指示通りに動くだけでいいわけではありません。


何のために上司やリーダはその指示を出したのだろうか?
その指示が何の意味があるのかを考えましょう。
- それをすることで、利用者様の安全を確保できる。
- 家族様とのコミュニケーションを取るために。
- 自分や仕事場の仲間の身を守るため。
- 万が一のことがあっても適切に対応ために。
- 自宅の環境をクリアして送迎をスムーズにするため。
送迎は想定外のイレギュラーが起こりやすい状況です。
上司やリーダーもかつてそのイレギュラーに悩んだことがあります。
そのイレギュラーに適切に対応できるように助言しています。
指示の意図するところを考えることは、送迎以外でも問われます。
例えば・・・


琴音さん、次の〇〇さんの自宅に入ったらお薬カレンダー見てくれる?
はい分かりました。


あれ?
〇〇さんの自宅には、家族さんがいてるのにどうして何だろう?
個人ケース記録に書いてたわ。


おはようございます。
〇〇さん、お薬カレンダー確認しますね。
奥さん、おはようございます。


あれ?
お薬飲んでいない・・・。


そうか!!
奥さんも認知症の疑いがあるから管理できないんだ。


送迎は時間との勝負。
上司は常にあなたに丁寧に伝えている時間はありません。
最低限の言葉で説明しようとします。(もちろん、後から説明はしますが)
上司の
- 視線
- 体の向き
- 声のトーン
- 表情
- いつもの動き
もよく観察しましょう。


助手のあなたが独り立ちして送迎できるようになればそれが上司やリーダーへの支援になります。まずは指示通りに動けるように指示の内容を復唱して動くようにしましょう。
【ケース3】中堅運転手(送迎にで初めて3〜5年)は、イレギュラーが鬼門


助手力をアップさせる3ステップ
運転手のタイプ別支援の方法
1人送迎に出て時間が立っているので送迎に自信が出てくる頃です。
私の見解としては
中堅職員が一番危険
- 「自分は運転が上手い」と思って慢心しやすい。
- 「これぐらいのルール違反は問題にならない」と送迎を甘く見る傾向がある。
- 介助や運転の時に確認ミスで事故を起こしやすい。
- いつもとは違うイレギュラーが起こると動揺しやすい。
運転も介助も慣れた頃が一番危険なのです。
新人介護士でもできる支援の方法は
- 送迎前に送迎先とルートを運転手に確認する。
- ルール違反があればすぐに指摘する。
- 危険だと思う運転も指摘する。
- 運転手としてナイスな判断をしたと思ったら「さすがわ〇〇さんですね」と褒める。
- 助手でも自分も運転しているつもりで安全確認をする。
送迎は運転手、助手で一つのチームです。
助け合って送迎業務を行いましょう。
いつもと違う状況があれば、上司に連絡して指示を仰ぎます。


中堅職員は油断しやすい。
はい、繰り返して!!
送迎助手の仕事の振り返り
1人送迎で運転しながら助手の仕事もするとなると、自分で送迎の段取りを立てれるようにならなくてはいけません。
高齢者の場合はほとんど行動パターンは変わらないので、一度流れを覚えれば楽勝です。
あとは、いつもと違う状況の時に遭遇したら落ち着いて判断できればOKです。
運転手の助手として送迎に出ている間に助手の仕事の流れをきっちり覚えておきましょう。
- 送迎一覧表を見て自分の送迎先と運転手を確認する。
- 送迎先の申し送りや送迎での決まり事(出発前に連絡するなど)を確認する。
- 家族様にお伝えしないといけないことを確認する。
- 運転手と送迎の段取りや申し送りを打ち合わせ(情報共有)。
- 送迎時に事業所から持参しないといけない持ち物(事業所の車椅子や雨天時のカッパなど)を確認する。
- 乗車前の車両周囲の確認。
- 出発
- 利用者様宅に到着。
- 家族様からの申し送り確認。
- 利用者様を送迎車に乗車していただく。
- 利用者様の荷物を積み込む。
- 移動時間中に利用者様の連絡帳の中身を確認。
- 車両の周囲確認をする。(※踏み台の積み込み忘れに注意!!)
- 次の送迎先を確認して、出発する。
- 利用者様をデイフロアまでご案内。(待機職員がいれば託す)
- 利用者様の荷物を降ろす(所定の場所へ)
- 送迎車内に利用者様や荷物が残っていないか確認する。
- 送迎車両の周囲確認をして、送迎前になかった傷がないか確認する。(あれば、速やかに上司へ報告する。)


送迎ってやることがいっぱいなんですよね。でも、送迎の流れがわかっていたら、あとは利用者様個別の申し送りを覚えるだけです。体に覚え込ませましょう!!
送迎助手のロードマップ




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