
結論:送迎の仕事の9割は確認作業です。送迎の流れをおさえてどの場面で何を確認しないといけないのか整理しましょう。

この記事の対象者
・初めて送迎に出るデイサービスの介護士
・送迎に出るのがなんとなく不安な介護士
・送迎の時に何を確認すればいいか分からない介護士

この記事を読むことで分かること
・デイサービスでの送迎の流れが分かります。
・デイサービスの送迎でどのタイミングで何を確認しないといけないのかが分かります。
・確認作業が抜けるとどうなるか想像できるようになります。
(とある日曜日の朝の話)
お姉ちゃん、今度デイサービスの送迎に初めて行くんだけど私、なんだか不安だわ。


そうか、琴音は今度アルバイトで初めて送迎に行くんだっけ??
確かに、私も初めて送迎に行った時はとても不安だったわ。
でも、きっちりと事前に準備をしていれば恐れることはないわ♡
そうなんだー。では、送迎の事前準備ってどんなことをすればいいのかな?


そうねー。まずは利用者様の送迎場所の確認ね。
送迎場所が分からなければ、お迎えにもいけないからね。
あとは、利用者様のADLなどの基本情報は押さえておきたいところね👆
送迎場所と利用者様のADLが分からなかったらお迎えに行けないもんね。


そう、私たち介護士は利用者様の命を預かっているの。
だから、どんな状況になってもまずは利用者様の安全を確保しないといけないのよ。

あとは、「ほうれんそうよ!」
お姉ちゃんが食いしん坊なのは知っているけど、送迎中に食材を持っていくのはどうかと思うよ(o_o)


違うわよ💖
報告、連絡、相談のことよ☺️

この前、新人研修で習ったじゃない😸
報告・連絡・相談は介護士にはなくてはならないものよ。
ほうれんそうは利用者様の命に関わることもあるぐらい大切なことだから忘れてはダメよ。
そうだったわ。
ほうれんそうって報告・連絡・相談のことだったわ。

じゃあ、今日は送迎に行く時の事前準備と送迎の流れについてレクチャーしてあげるわ。
今日は界王拳20倍ぐらいで行くわね。

はい、おねがいします。
お姉ちゃん!!

カイオウケン??

この記事でわかること
- 送迎の流れ
- 送迎の時によくあるトラブル。
送迎に出る前に徹底的な確認が不安を軽減する対策になる。

送迎を怖いと思うのは事前の準備不足が原因。
初めての送迎で不安なら事前準備をしましょう。
出発前に車の状態を確認する

出発前に車の状態(ブレーキランプがつくかどうか)確認は交通事故のない安全な送迎をするのに必須です。
それと、送迎出発前に必ず車の周辺に傷やへこみがないか確認しましょう。送迎で使う車は、職員複数人が使用しています。
もし、確認をしていなくて車の傷やへこみが見つかればあなたの責任を追及されかねません。
車の状態を確認するのも準備の一つ。
- 車の周囲に傷やへこみがないか。
- ブレーキランプが点灯するかどうか。
- ウインカーは出ているかどうか。
- タイヤの空気圧は適切か。
- タイヤがすり減っていないか。
- ガソリンの量(一定量を下回ったら申し送る)
- 車の下や周囲に猫や子供がいないかどうか。


送迎車に傷があるのに確認や上司への報告をしないとあなたがどこかで「送迎車の接触事故を起こした」とみなされます。どんなに細かい傷も上司に報告しましょう。
利用者様の基本情報を確認する


送迎前に、確認するのは利用者様の送迎場所だけではありません。
送迎前に確認すること
- 利用者様の持参する荷物(入浴の準備物、昼食後薬、連絡帳、その他利用者様が常時必要とするもの)
- 自宅の戸締りが必要かどうか
- 利用者様のADL(身体状況)
- 送り出しのヘルパーが入っているかどうか(入っていたら、送迎時間に指定があります。)
- ご家族様の送り出しがあるかどうか。
- その他、注意事項(これは通常、特記事項で説明されています。)
利用者様の送迎場所を確認する


送迎場所の住所が分からなければ送迎できません。
なんとなく「いけるだろう」と施設から送迎先へのルートがわからない状態だと迷子になります。
初めていく送迎先、久しぶりに送迎に行く場所は送迎ルートを調べておきましょう。
ここで注意しないといけないのが自宅と送迎先が異なる場合です。
自宅と送迎場所が違う場合
- 主介護者(メインで介護しているご家族)が2人以上いて、日替わりで帰る場所が変わる。
- サービス付高齢者向け住宅に住んでいおられる場合。
- 退院後、そのままデイサービスを利用される場合。(たまにあります)
- 自宅前の道路が自動車も入れないぐらい狭い場合
- 病院受診後、デイサービスを利用される場合(基本的には🆖です)
※5つ目の病院受診後に病院まで送迎するは、基本的には🆖です。なぜなら、送迎はタクシーではないからです。安易に、病院まで送迎する依頼を受けると「私も」と対応しきれなくなるので避けましょう。
ただし、利用者様にやむを得ない事情がある場合は、担当の上司(管理者)に相談をして許可をもらったらその上司の責任で送迎をしている場合があります。


旧村地域は急に番地が飛んだり不規則になっていたりします。Google検索で分からなければ、行ったことのある送迎職員に送迎先の場所を確認しましょう。
自宅到着までにやっておくと利用者満足度が下がらないこと


利用者様はデイサービスの日は朝早くから起きて、1時間以上待っている方も少なくありません。
しかし、送迎は予定通りにいかないことも多いです。
利用者様宅への連絡と送迎先の到着予定時刻を予測しておきましょう。
到着するまでに利用者様に今から出発することを連絡しておく(職場のルールに従う)


職場や利用者様・家族様からの依頼があるかどうかによっても変わってきますが、多くの事業所では自宅到着までにご利用者様宅に到着予定時刻の連絡をしています。
①どの連絡先に②どのタイミングで連絡しているか、自分のところの事業所のルールはどうなっているか確認しておきましょう。


送迎時の利用者様宅への連絡するタイミングは施設によってルールが違います。あなたの施設の送迎ルールがどうなっているか把握しておきましょう。
到着時刻を予想しておく。【遅れそうになったら自分でフォローできる】


自宅到着時刻を予想しておくことは大切です。
なぜなら、必ずしも送迎で使うルートが常にスムーズに車が動いているとは限らないからです。
たとえば


国道〇〇線の△△交差点付近がいつも16時ごろはスムーズ。山本さんのお宅までは10分ぐらいで到着できるかな。
国道〇〇号線に入って


今日は国道〇〇号線混んでるなー。
このままだと、〜〜通りはこの時間から混み始めるから後14分はかかるなー。


脇道を使うのもいいけど・・・
あそこは事故多発地帯で使いたくないから・・・


家族様に連絡して、送迎の時間が遅れることを伝えておこう。
つまり、予測していた利用者様宅到着時刻より遅くなるのであれば家族様に連絡しておくことで利用者様や家族様の不安や不満を軽減できます。
ここで覚えて欲しいのが
利用者様や家族様は送迎車が到着するまで待っていることです。
いつまで待てばいいかわからないものを待つと言うのは利用者様、家族様にとって負担なのです。
なので、予測していた予定時間より遅れる場合は家族様に連絡しましょう。
ただし、送迎時間を事前に家族様に伝えていて、予測時刻より遅れるけどお伝えしている時間通りに到着できる場合は連絡をする必要はありません。


最初は出発から自宅到着までの時間予測をするのは難しいです。感覚的にわかるようになるまで、信号待ちや次の送迎先への出発前などのタイミングで現在の時間を確認することを習慣づけましょう。
自宅到着時の確認事項


自宅に到着したら、利用者様にそのまま乗車していただいたらいいといううものではありません。
乗車前に利用者様の状態確認と申し送り確認をしないと利用者様が安全にデイサービスをご利用することができません。
利用者様の健康状態を確認しておく。【乗車前検温は必須】


自宅到着後、まず確認しないといけないのが、利用者様の健康状態です。
インフルエンザやノロウイルスといった感染症のはやる季節は、「利用者様に感染症になって欲しいな」と言っているようなものです。
もし、利用者様が感染している状態で、デイサービスに来ていただくと、その他の利用者様に感染させかねません。
また、利用者様は
- 基本的には何らかの疾患を持っている。
- 体の変化で怪我のしやすい状態。
- 一度インフルエンザやノロウイルスに感染、発症して1週間程度寝込むと足の筋力も落ちる。
非常に身体が衰えています。
私たち介護士にとって「ちょっとしたこと」でもすぐ「寝たきり」になってしまうのです。
送迎時に
- 「前回、利用された時とどこが違うか。」
- 「健康状態に問題はないか」
- 「この利用者様の通常の体温は何度だったか」
確認しておきましょう。
以前、前の職場で送迎で私がお連れした利用者様が施設到着後、発熱されたことがありました。その利用者様はすぐにご家族が迎えに来られて、病院受診後帰宅されて「インフルエンザを発症していることがわかりました。」
今考えると、自宅到着時にいつもより顔が赤かったなと思い自宅到着時に検温していればデイサービスに来ていただかなったのにと後悔しています。
幸い、その後、他の利用者様がインフルエンザを発症することはありませんでしたが、もし他の利用者様に感染し発症していたら、その利用者様は亡くなっていてもおかしくなかったです。
その利用者様が前と状態が変わっていないかどうかは普段から、その利用者様の様子観察をしていないと気づきにくいです。
他の職員と雑談で話できる程度までその利用者様の行動パターンを観察しておきましょう。


利用者様の体調がよくない時はデイサービスをお休みしていていただくのが原則です。
ご家族様、送り出しのヘルパーからの申し送りを確認しておく。


ご利用者様の中には、独居されていたり、家庭の事情で昼間は独居で送迎で自宅に到着した時に、ご家族様の送り出しがない方もおられます。
そして、そのために、送り出しのヘルパーが派遣されている場合があります。
デイサービスの送迎は、基本的にはヘルパーがその利用者様の支援に入っている時間に合わせて送迎時間も調整されています。
そして、そのヘルパーからあなたが自宅に到着するまでの利用者様の状況を「お変わりありませんか」と聞いておきましょう。
独居の方には自宅の世情確認も忘れずに。


利用者様本人だけ、あるいは日中ほぼ本人だけというご家庭も珍しくありません。
ご本人で施錠をできる場合がありますが、あなたも念の為施錠の確認をしておきましょう。
もし、施錠を忘れてしまって空き巣被害にあるとあなたの責任を取られる可能性があります。


施錠後の鍵の保管場所は個人ケースファイルで確認しておきましょう。
【慣れてきたら確認しよう】独居の方は施錠確認や荷物(特に服薬の持参)の確認【薬の管理が破茶滅茶になっているかも】


独居の方全員に送り出しのヘルパーが派遣されているとは限りません。
経済的な状況やご本人の意向あるいは介護保険の制約(※単位数の制限)で、独居でも送り出しのヘルパーがいない場合があります。
ご自分で、デイサービスの準備ができる方もいらっしゃいますが、送迎職員で準備をしないといけない場合があるので、これに関しては送迎出発前にしっかりと事前に確認をしておきましょう。
基本的には、利用者様の個人ケースに情報が入っていますが、利用してあまり時間が経っていなかったり、作成されたのが利用者様の情報が1年以上前に作ったきりで更新されていなくて、送迎の対応が大きく変わっている場合もあります。
プラスで最近送迎に行った職員にも送迎時の注意事項を確認しておきましょう。
単位数ってなんのことだろう・・・




ああ、介護保険って全てサービスによって「単位数」というのがあって、それで全て利用料とか決まるのよ。
介護保険の場合は、介護度によって上限が決まってるのよ。
だから、人によっては単位数上限まで別の介護保険のサービス使っていたら、ヘルパーは入れないことがあるのよ。
これは、また、別の機会に話するわね
あっ、そうなんだね。
だから、独居でもヘルパー入っていない利用者様もいるのね。


お姉ちゃん、私の心を読んだの??
もしかして、エスパー??


4、自宅出発から施設到着の確認事項


無事、利用者様に乗車してもらったら次の送迎先の確認です。また、高齢者は急に体調が変化することがよくあります。送迎車中でも都度、声かけやルームミラーで利用者様の健康状態を確認しましょう。
次の送迎先の確認で迷子にならないようにする。


多くの場合、1人だけの利用者様を迎えに行って送迎が終わりということはありません。
デイサービスの送迎では、1回の送迎で少なくとも2から3人お迎えに行きます。
ちなみに、私は朝のお迎えの送迎だけで10人以上もお迎えに行ったこともあります。(まあ、なかなかしんどかったですが)
つまり、一人の利用者様をお迎えに行ったら次は別の利用者様をお迎えに行かなければなりません。
次の送迎も同様に、①送迎場所を確認し②到着時刻を予想し③自宅到着後、送迎時の利用者様の特記事項を確認しておきましょう。


送迎出発前に送迎の順番と到着予定時刻をメモしておきましょう。利用者様の乗車介助をしていると、「あれっ!?次、どこへ何時に送迎すればいいんだろう」と送迎先を忘れてしまうことがあります。
送迎中、都度利用者様の状態確認を行う
利用者様に車に乗車してもらったからっと言って安全というわけではありません。
送迎車中で状態が急変したり、危険な動きをすることがあります。


乗り物酔いで調子悪くなるよりかはまだいいのですが・・・
座っていると体が傾く方なんかは頭を打たないかどうかみておく必要があります。


これもデイサービスの送迎でよくみられる光景です。
実はあなたが思っている以上に高齢者って「せっかち」なんです。
完全に車が停車していないのにシートベルトを外すのは危険な行為です。
【信号待ちなどのタイミングで声をかけてみよう!!】
・・・・・・・・・




琴音さん、大丈夫ですか。
ん!?


寝てただけだから大丈夫よ。


5、よくあるトラブル




送迎時、予想外のトラブルに遭遇することがあります。ここでは、私が体験した送迎時のトラブルについて紹介します。
よくあるトラブル一覧


デイサービスの送迎では、トラブルはつきものです。
これは、入所施設の入居者様とは違って、24時間常に施設のサービスを利用されているわけではないからです。
私がよく経験したデイサービスのトラブルワースト5をご紹介します。
送迎中にトラブルが発生した時の解決の流れ。【基本は報告・連絡・相談】


ここで大切なのは、報告・連絡・相談です。
特に、新人介護士にとって、送迎に出るだけでも不安を持ちながら送迎に行くので、このようなトラブルがあるとどうすれば良いか分からなくなります。
まずは、落ち着いて①状況を整理し、②利用者様の安全を確保し③上司に相談しましょう。
なぜなら、デイサービスは一人だけでサービスを提供しているわけではないからです。つまり、介護サービスというのは「チームプレイ」なのです。
プロ野球の正解でも特定の名プレーヤーがいれば勝てるわけではなく、プレーヤ全員の連携プレーが勝負の鍵となります。
介護士も、介護士全員の連携プレーが介護サービスの質に関わってきます。
特に、このようなトラブルがある時は、職員間の連携プレーがなければ利用者様に適切な支援をすることはできません。
介護職同士の連携プレーはまさに「報告、連絡、相談」なのです。
ちなみに、送迎中の事故については利用者様の安全確保までしたら、先に110番通報してください。そのあとで、上司に連絡します。
なるほど、利用者様って元気そうに見えても急に体調が変わることがあるのね。
だから、事前の準備が大事なのね。それと、もし何かあれば上司に報告・連絡・相談が必要になるのね。
あと、利用者様の都度の状況確認も忘れてはいけないね✌️




その通りよ、琴音!!
私たち、介護士は常に利用者様の命を預かっているの。
だから、何があっても常に冷静に迅速に的確に動かなければならないの。
そして、一人で介護の仕事をすることはできないから、報告・連絡・相談が必要なのよ。
さすがは、私の自慢の妹だわ(^O^)
ありがとう、おねえちゃん💖
これで、明日の送迎は行けそうだわ!!




そう、それはよかったわ👌
そろそろ、琴音がお風呂入りたくなる時間だから、お風呂沸かしておいたわよ。
明日に備えてそろそろ入ってきたら?
ありがとう、お姉ちゃん。
じゃあ、先にお風呂入るね🌟




ふっふっふ・・・
琴音の基本情報はバッチリ私の頭の中よ。
どれだけ、成長したかこっそり確認させてもらうわよwww


まとめ


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