結論:お薬、連絡帳、入浴の用意、命に関わるものを忘れてはいけません。
送迎時は多忙です。そのため、さまざまなトラブルが起こります。
送迎中あるいは送迎後に青ざめてしまうほどの最悪なイベントです。
それは、ある職員の報告から始まります。
絢音さん、山本さんの連絡帳持っていくの忘れてるわよ。家族様から連絡ありました。「お薬入ってるのにどうするのよ!!」って激おこでしたよ。
ひえー!!
先日、荷物トラブルで迷惑をかけたご利用者様にまた荷物トラブルで迷惑をかける。
あなただけでなく、あなたの事業所の信用もガタ落ちです。
たとえば、美容室に行くたんびに預けたコートを間違えられたら行きたくなくなりますよね?
「何回、同じミスしてるねん」って。
デイサービスでも同じでどんなに理解のある温厚な利用者様、家族様でも荷物のミスを立て続けられると・・・・
荷物だけでなくうちのおばあちゃんもいい加減に扱われてるのかな?
利用者様や家族様から「何度同じことをするつもりなのよ?」と詰められたら、あなたはどのように答えますか?
そうならないように
荷物は人間の不注意から起こるものなので、それを防ぐ「仕組み」が必要です。
荷物トラブルを防ぐには3つの仕組みがあります。
「あの時、きっちり確認すればよかったな」と後悔する前に対策を立てましょう。
忘れたら取りに帰れ!!必ず確認しないといけない4つの持ち物
基本的には利用者様の荷物は忘れてはいけません。
しかし、次にあげるものを忘れると利用者様・家族様の信用を大きく失い、場合によっては利用者様の命に関わる「忘れ物」になります。
利用者様の自宅に到着したら、まず確認しないといけない準備物です。
連絡帳
デイサービスの連絡帳は重要な家族様からの申し送りが記載されています。
- 朝の血圧、体温
- 「主治医の指示で本日の入浴は中止して下さい。」
- 「昨日転倒して膝を擦りむいています。」
- 欠席される日付と理由
- 昼食のお薬が変更になっている
例えば、主治医から入浴中止を指示されているのに、その申し送りを確認できていなくて入浴してしまう。
そのために、体調不良になると・・・・。
考えただけでも震えが止まりません。
さらに連絡帳についてくる袋。その中には利用者様の健康を維持するのになくてはならないものも入っています。
連絡帳の袋に入っている大切なもの
- 入浴後に使用する塗り薬、貼り薬
- 食前、食後の飲み薬
- 糖尿病の利用者様が低血糖症状の時にのむブドウ糖
- 施設から家族様に渡したお手紙の返事
- 自宅の鍵
特に独居や家族様の送り出しがない利用者様は、お薬を連絡帳の袋で管理する場合が多いです。
連絡帳を忘れるのは昼食後薬を忘れるのと一緒なのです。
実は私もよく連絡帳を持参し忘れたことがありました。特に、「内服薬」があるのに忘れた時は、「あーーーー!!」って背筋が凍る思いになります。
入浴の用意
入浴はデイサービスの三大ニーズ(入浴、リハビリ、短時間利用)の一つです。
入浴の準備ができていないと入浴できません。
忘れてしまっても施設で対応できもの物ありますが、そうでないものもあります。
タオル類やリハビリパンツなどの排泄用品は施設でも予備があります。
しかし、下着類や着替えなど「誰が着たか分からないもの」を着るのに抵抗がある方が多いです。
場合によっては入浴前に着てきたものを着ていただくこともできます。
でも、せっかく入浴で体が綺麗になったのに汚れているものを着るのはもったいないです。
入浴のある方は必ず入浴の準備を持参されているかどうか確認しましょう。
汚れたパンツをもう1回はくのって気持ち悪い・・・
お薬関係(内服薬、目薬、貼り薬、塗り薬)
お薬は命に関わるから忘れるわけないでしょ。
その通りです。
お薬は、飲まないと血圧が高くなったり心臓などの動きを助けるお薬などすぐに命に関わるものも含まれています。
家族様やヘルパーの送り出しがあればほぼ間違いないなくお薬は入れてくれています。
ただし、注意しないといけない場合もあります。
朝食後薬を飲めていない可能性の高い利用者様
- 独居
- 高齢者夫婦の世帯
- 家族様が非協力的な家庭
- 障害のいる子どもさんあるいは未婚の息子と二人暮らし
全てのご利用者様が主治医の指示に従って朝食後薬を飲めているとは限りません。
特に独居の方は飲めていると思っても、実際には忘れてしまっていることが多いです。
お薬カレンダーがあるところへ送迎するときは必ずお薬カレンダーを確認しましょう。
その時に、昼食後薬も持参物にあるかどうかを確認しておきます。
お薬カレンダーがなくて、朝食後薬がないお宅には申し送りにあげて、相談員を通じてケアマネに報告しましょう。
デイの準備ができていなかったり、不十分な利用者様は朝食後薬の確認が必要です。
(朝の送迎時のお薬確認)
おはようございます。琴音さん。
朝のお薬飲めていますか?
ああ、そういえばまだ朝のお薬飲んでいなかったわ。
朝のお薬とお水ここに置いておくので飲んでくださいね。
あと、お昼のお薬もカレンダーに入ったままになっているので連絡帳の袋へ入れておきますね。
ありがとうね。
絢音さん、何から何まで細かく助けてもらってありがたいわ。
初めて送迎に行くお宅で、お薬の確認をしないといけない場合は「お薬カレンダー」の場所を相談員に確認しておきましょう。
お薬カレンダーは、高齢者のいるお宅ではあるのが一般的です。
その他の絶対忘れてはいけない持ち物(個別対応)
基本的に高齢者は既往歴(過去の病歴)があります。
既往歴によって、日常生活に制約があり
特定のものを携帯しないといけなかったり、特定の時間に特定の処置をしないといけません。
たとえば、糖尿病をお持ちの方は「低血糖症状」と言って急に意識を失ってしまうという症状が現れることがあります。
そんな時は「ブドウ糖」を飲んでいただくと症状が改善されることがあります。
特に重度の糖尿病の方はインスリン療法を受けてる方が多いのでよくみられる光景です。
このように、利用者様の中には特定のものを常に持参しないといけない方がいるのです。
絶対忘れてはいけないものの一例
- パルスオキシメーター(血液中の酸素濃度を調べる機械)
- ブドウ糖(糖尿病の方の低血糖症状対策)
- 携帯用酸素ボンベ
- 介護保険被保険者証
- 施設が家族様あてに配布したお手紙の返事
これらのものは忘れると命に関わる事態になったり、信用を失ったりします。
10年前と比べて街を見ると、鼻にチューブを繋げながらシルバーカーを押して買い物を押している高齢者を見る機会が増えてきました。
私自身「あの人在宅酸素してるんや〜」と日常の光景になってきているほどです。
もちろん、ブドウ糖や携帯酸素ボンベのようなものを持参しないといけないのであればアセスメントシートにも記載されています。
その他の特記事項も見て
この方は在宅酸素してる人だから、携帯酸素を二つ持っていこう。あと、送迎車に乗り込む前に酸素残量と流量も確認しなくちゃ。
と持っていかないと利用者様の健康を害するものはチェックしておきましょう!!
アセスメントシートは送迎の時に絶対に持参を忘れてはいけないものも記載されています。初めて行くお宅、久しぶりに行くお宅、まだ数回しか送迎に行っていないお宅へ送迎に行くときはアセスメントシートを見ないと「気持ち悪い」と思えるぐらいに習慣づけをしましょう。
酸素ボンベなど命に関わるものを忘れてしまったら、取りに帰らないといけないものです。
送迎時の荷物忘れを防ぐ5つのポイント
荷物忘れをしないために私がやっている対策は自分の動きに合わせて確認をすることと、確認を省かないことです。
確認を省くと送迎時間を短縮できるように思えますが、忘れ物をすると家族様に連絡したり、自宅へ忘れ物を取りに行ったりとかえって時間がかかってしまいます。
送迎は時間との勝負で忙しい時間帯です。
でも、急ぎつつも一つ一つ確認を丁寧に行う必要があります。
【何が必要かを把握】デイサービスへ行くときの標準的な持ち物リスト
デイサービスに行く準備物はどんなものか?標準的な持ち物は以下の通りです。参考にしてください。
標準的な持参物
- 連絡帳(連絡袋とセット)
- リハビリパンツ
- 布パンツ
- パット類
- 紙おむつ
- 上服
- ズボン
- 肌着
- パッチ
- バスタオル
- フェイスタオル
- 塗り薬
- 貼り薬
- 飲み薬
- 本人持ちの手カバン
着替え類はカバンの中に入れられています。そして、薬類や連絡帳、お手紙類は連絡袋に入っています。
昼食後薬はお薬カレンダーなどの指定の場所を確認して準備できていなければ、連絡帳の袋に入れておきましょう。
意外と忘れてしまいやすいのが「ご本人持ちの手提げ袋」。
中身がなくても、ないと利用者様ご本人が不安になる場合があります。
他に乗せ忘れたモノはないかな〜?
と最終チェックも怠らずに!!
私のデイサービスでも9割の利用者様が入浴されます。カバン、連絡帳、本人持ちのカバンはあるものと思って行動しましょう。
迎えの送迎(朝)での持ち物確認までの流れ
持ち物の確認は「送迎の流れ」で習慣化してしまうのが1番の近道。どのタイミングで荷物チェックをするとやりやすいかを見つけます。
まずは朝の送迎から見ていきましょう。
朝の送迎時の流れ
- インターホンを押す。
- 家族様(利用者様)が出てくる
- 利用者様に乗車していただく。
- カバンをもらう
- 連絡帳を確認する(その時にお薬も確認する。)
- 昼間独居、独居の方はカバンの中身(入浴後の着替え)などを確認する。
- その他の必要な持ち物を乗せる。
- 再度、カバン、連絡帳、その他の必要な持ち物を確認する。(運転手とダブルチェックで)
- 出発
家族様やヘルパーの送り出しがある場合は、カバンと連絡帳があるかどうか確認するだけでOKです。
すでに準備されているからです。
独居の方や送り出しの家族様も認知症状がある場合は要注意です。
ご本人は「準備したよ」と言っていても、実際には足りないものがあったりします。
最低限として、昼食後薬や着替え類、連絡帳など命の直接関わるものや清潔に関わるものは確認します。
時間ないし、多分入ってるだろうから確認しないで行こー!!
と、荷物の確認を省きたくなります。
そんなことをした時に限って・・・
しまった。お昼の薬が入ってなかったわ〜!
と大変なことになります。
ご本人の自宅までお薬を取りに行かないといけなくなります。
めんどくさいですが、送迎の時に荷物確認をしておくと結果的に「時間短縮」になるんですよ!
送りの送迎(夕)での荷物の確認チェックの流れ
夕方はお送りするだけなので、朝の送迎と比べてゆっくり送迎業務をすることができます。
だからこそ注意!!油断していると、確認し忘れて携帯酸素ボンベや連絡帳(お薬や自宅の鍵が入っている)を忘れてしまいます。
帰りの送迎では2つのタイミングで荷物の確認をします。
その2つのタイミングとは送迎出発前と自宅到着時です。
送迎出発前に荷物の確認が完璧でも、自宅到着時に家族様に荷物を返却できていなければOUTです。
実際に、私も荷物が車の中に残ったままでまた、その利用者様の自宅まで行くという時間のロスをすることがよくありました。
帰りの送迎出発前に荷物確認の流れ
- 運転手と連携して利用者様を順番に乗車介助をする。
- 荷物カバンの名札と乗車リストを照らし合わせて手に持つ。
- 荷物カバンの数を数える。
- 荷物カバンを送迎車に乗せる。
- 連絡帳に書かれている名前を乗車リストと照らし合わせる。
- 連絡帳の数を数える。
- 連絡帳用の手提げカバンに入れる。
- 連絡帳用の手提げカバンを送迎車に乗せる。
- 携帯酸素ボンベ、シルバーカー、施設からのプレゼントなど後から載せようと思っているものがないかい再度デイフロアを見回わす。
- 送迎出発
ここでのポイントは数を数えることです。
自分の送迎は何人送るので「何個の荷物と連絡帳の数が必要か?」を把握するのは数を数えて確認するのが確実です。
2人送迎の場合は、運転手と助手の2人で確認するとより忘れ物なく送迎することができます。
自宅到着時に荷物確認する流れ
- インターホンを押す。
- 家族様が出てこられたら、挨拶をして利用者様を自宅までお送りする。
- 荷物カバンを渡す。
- 連絡帳を渡す。
- その他、渡すべきものを忘れていないか車内を確認する。(結構忘れやすいので注意!!)
- 忘れ物がないことを確認できたら出発する。
やっと自宅に到着したわー!!
家族様に荷物と連絡帳を渡してーっと。
それから
しまった、ご本人持ちの鞄が車に置かれたままだったー。
朝の送迎では、家族様や送り出しのヘルパーから荷物をもらうだけでよかったです。
でも、帰りの送迎はあなたが自分で荷物と連絡帳、その他の持ち物を家族様に渡さなくてはいけません。
完璧に渡したつもりでも、忘れてしまうこともあるので出発前に車内に忘れ物がないかどうか再度確認しておくと荷物の渡し忘れが少なくなります。
やってしまいがちなミスを参考にする
帰りの送迎時の荷物ミスは渡し忘れだけではありません。
次のようなミスはデイサービスではよくあることですが、あなたがその立場だったらどう感じるか想像してみて下さい。
やってしまいがちな帰りの送迎時の荷物ミス
- 荷物の渡し忘れ。
- 荷物の渡し間違い(違う利用者様の荷物を渡してしまう)
- 連絡帳の渡し間違い(違う利用者様の連絡帳を渡してしまう)
- 自宅の鍵がない。
- 連絡帳の袋はあるが、連絡帳自体がない。
(ブルブル)
渡し忘れたのであれば当日中にお渡しすればOKです。
しかし、違う利用者様の荷物や連絡帳を渡してしまうと利用者様や家族様からの信用を失います。
連絡帳に至っては、違う利用者様のものを渡してしまうと他人の個人情報を漏らしてしまうことになります。
自宅の鍵に至っては、ないと自宅に入れません。
自宅の鍵に関しては、ご自分で管理できない状態であれば連絡帳の袋に入れておくなど決めた場所で管理しておくことをお勧めします。
ちなみに、荷物のミスは特定の利用者様に続けて起こってしまいがちです。
先日、鈴木さんの荷物を渡しそびれて今日は鈴木さんに山本さんの連絡帳を渡してしまうみたいに。
荷物のミスをしてしまった利用者様には「荷物を忘れたり、間違っているかもしれない」という前提で荷物チェックをしましょう。
荷物のミスはあなたのデイサービスの信用問題です。
意外とよく忘れてしまう5つのモノにご注意!
荷物のチェックをしていても、忘れていしまうことがあります。
いつもはあるわけではないモノ、ご本人が管理しているものはチェックが抜けてしまいがち。
意外と忘れてしまう5つのモノ
- 誕生日のお花
- 傘
- ご本人もちの手荷物
- 外出行事で買った物
- 家族様あてのお知らせのお手紙
送迎する人数が増えれば増えるほど、これらの5つのモノを忘れてしまいがちです。
しかも、10年以上デイサービスで働いているベテラン職員でも忘れてしまうことが多いです。
なんで忘れてしまうんだろう?
5つのモノを忘れてしまう理由
- 利用者様自身が管理しているから。
- いつもは持ってきていないのにその日に限って持参しているから。
- カバン、連絡帳以外の荷物だから。
- 毎回、渡すモノではないから。
毎回、持参があるとは限らなかったり職員で管理しているわけではないものは持参忘れしやすくなります。
たまにしかないからチェックする習慣が定着していないからです。
「毎回あるわけではないモノ」も漏れなくするための7つの段取り
- 出発前に「他に忘れ物がないか」もう一度デイフロアを見回す。
- 送迎リストを作ってその日だけ持ってきているものはお名前の横に赤字で書く。
- 送迎車に乗せたら利用者様の名前の横にレ点チェックをする。
- 全てにレ点チェックをつけたのを確認してから送迎車を出発させる。
- 利用者様宅に到着したらすべての荷物を確認して、家族様に渡す。
- 家族様に荷物を渡したらレ点チェックする。
- レ点チェックをつけているのを確認してから出発する。
せっかくお誕生日でお花を準備していても、渡し忘れては意味がありません。
帰りの送迎は利用者様が待っているので「早く出ないと」という気持ちになります。
そのために、荷物のチェックが疎かになりがち。
でも、荷物を忘れると逆に時間をロスしてしまいます。
数十秒の確認を怠った為に、数十分の時間のロスになるのです。
いつもはないモノ、ご本人が管理しているものは送迎出発前に再度確認してくださいね❤︎
「荷物忘れをしない」ルール化すべき3つのこと
荷物忘れをしないために絶対はやってはいけない対策が「注意する」です。
「注意する」は抽象的で何をすればいいかわからない状態です。
忘れないために「具体的にあなたが何をするか?」という仕組み(ルール)を作らないと同じことが起こってしまいます。
「荷物忘れをしない」ための3つの仕組み
- 2人送迎の時は運転手、助手でダブルチェックする。
- 送迎リストを作って確認したらレ点をつける。
- 「忘れ物はないか」送迎車内をチェックしてから次の送迎先へ出発する。
仕組みを作ったら、めんどくさがらずに実行してください。
私はこの仕組みを実行してから8割程度、「荷物忘れ」を改善することができました。
2人送迎の時は運転手、助手でダブルチェックする
これは助手付きの送迎でないとできないチェックですが・・・
助手付きの送迎の場合は運転手、助手の2人で荷物のダブルチェックを行ってください。
1人だと・・・・
これで完璧
と思っていたら・・・
しまった。連絡帳を事業所に置いてきてしまったわ・・・。
ということになります。
2人で確認すると、「完璧だ」と思っていたことも実は荷物を忘れていたことに気づけるようになります。
せっかく、2人で送迎するのですからダブルチェックしない選択はあり得ません。
最も、1人で送迎しないといけない場合は運転手役と助手役を1人でしないといけないですがね。新人職員がしばらくの間送迎助手で出るのはそういう理由もあるからです。
送迎リストを作って、確認したらレ点チェックをつける。
レ点チェック | 名前 | 自宅到着時間 | その他申し送り事項 | |
---|---|---|---|---|
1 | レレ | 佐藤 太郎 | ||
2 | レ | 鈴木 花子 | お誕生日のお花あり | |
3 | レ | 山本 次郎 | ||
4 | レ | 坂井 なずな |
ここでは、最終的にレ点チェック2つをつけます。
レ点チェックをつけるのは送迎出発前と利用者様の荷物を家族様に渡した後のタイミングです。
このタイミングが忘れやすいからです。
確認してレ点チェックをつけたら次の行動に移ります。
チェックリストのいいところは記載しておくことで忘れ物をなくすことができます。
「忘れ物はないか」送迎車内をチェックしてから次の送迎先へ出発する。
これはチェックリストのレ点チェックと合わせて心がけておいていただきたいことですが、
1軒の送迎が終わったら、次の送迎に行く前に忘れ物がないか確認する癖がついている状態です。
どんなに忘れ物を防ぐ仕組みを作っても、「忘れ物を防ぎたい」という思いがなければ忘れ物を防ぐことはできません。
「忘れ物を防ぎたい」と思っている証拠が都度、忘れ物がないか確認してしまうように勝手に体が動いてしまう状態です。
最初は意識しないと忘れてしまいますが、一度習慣化すれば歯磨きと同じように勝手に体が動くようになります。
体が勝手に荷物確認するようになるまで、一つ一つの動作ごとに「次は何をしないといけないか」と自問自答するようにしましょう。
「やってしまった!」荷物を忘れたらスグにやるべき誠意の見せ方
荷物を忘れた場合、「スピード」があなたの誠意の証となります。
もし、送迎で忘れ物をしてしまったら「やってしまった。」と思いに頭がフリーズしがちに。
でも、そこで止まってはいけません。
起こってしまった過去を変えることはできないからです。それよりも、「この後どうやって忘れ物の問題を解決するのか」ということを考えるほうが優先です。
忘れ物をしても家族様、利用者様の信頼を失うのを最低限にとどめたけば、「すぐに行動する」しかありません。
遅ければ遅いほど、不信感が募るばかりです。
スピード勝負とは言っても、順序を外してはいけません。
特に最近、デイサービスで働き始めたあなたは利用者様や家族様の状況があまり分かっていません。
忘れ物をしたらまずは上司に報告と相談です。
荷物忘れに気づいたら上司へすぐに報告・相談する。
忘れ物をしてしまった時にまずしないといけないことは上司に報告することです。
まだ、お送りしないといけない利用者様がいるならなおさらです。
上司に報告・相談しないとどうなる?
- 利用者様、家族様から問い合わせがあっても対応できない。
- 送迎から帰ってくるのが遅くなると「事故したのではないか?」と心配する。
- 次回のご利用時の返却でいいものも届けてしまう。(時間のロスと事故リスクの上昇)
忘れ物は減らすことはできても0にすることはできません。
忘れ物があったからと上司に全く報告なしに段取りをしてしまうと思わぬ結果になります。
利用者様の荷物を忘れたときに上司に報告・相談する内容。
- どの利用者様の何を忘れたか。
- 忘れたものをどのタイミングで届けるのか?
- (自分で届けられなかったり、取りに行けなかった場合の)段取りをお願いする。
上司に報告・相談するときにあなたは忘れ物があった事実とあなたはどうしようと考えているのかを伝えます。
どうすればいいかわからなければ、それも報告します。
まずは、忘れ物をしてしまった事実を上司に伝えましょう。
まずは深呼吸して落ち着いてから上司に報告・相談しましょう。
家族様、利用者様に連絡する。
上司に報告、相談したら荷物を届ける(取りに行く)前に家族様、利用者様に連絡します。
その時間に利用者様、家族様の都合が良いとは限らないからです。
家族様に連絡する際に話す内容
- 忘れ物をしたこと。
- 何を忘れているか。
- 謝罪。
- 何時ごろに荷物を届けるのが家族様、利用者様の都合がいいのか。
- 到着予定時間(何時でもいいよと言われた場合)
そして、次に判断しないといけないのが「いつ荷物を利用者様に返却するか?」です。
忘れ物をして、すぐに取りに行ける距離であればいいのですが・・・・
そうではない状況もあります。
「忘れ物をいつ届けるか?」の選択肢
- 別の職員が荷物をすぐに届ける(取りに行く)。
- 他の利用者様の送迎が終了した後で、自分で取りに行く。
- 家族様に報告して次回返却する。
お薬や洗濯物などないと利用者様が困るものはすぐにでも返却すべきものです。
連絡帳に関しては家族様が「次回でもいい」と言われた場合は、次回の返却でも可能です。
ただし、その場合は紛失しないように管理しないといけません。
さらに次回のご利用時に返却忘れしないように申し送りをしておきます。
次回、荷物を返却する場合の段取りの例
- 返却忘れた荷物を事務所で名前をつけて預かる。
- 次回ご利用時の書類(バイタル表など)に付箋(忘れた荷物の返却する旨が書かれたもの)を貼る。
- ご利用時、朝礼で申し送る。
- 帰宅時、忘れずに返却する。
次回の時に再度返却し忘れるとさらに信用を落とすことになります。
帰りの送迎表に赤字でメモしておきましょう。
忘れ物を取りに行く(届けに行く)【注意事項があります】
家族様、利用者様の連絡できたら忘れ物を届けに(取りに)行きます。
ただし、朝の送迎で荷物を自宅に忘れて取りに行く時に注意点があります。
それは、家族様が自宅にいないと予想される場合、利用者様と一緒に取りに戻ることです。
誰もいない利用者様宅に職員だけではいるのは「不法侵入」に当たるからです。
家族様が自宅にいる場合は、連絡して職員だけで取りに行けばOKです。
夕方の送迎で荷物を渡し忘れたら家族様に連絡して基本的には当日中にお届けします。
忘れ物を届け(取りに)行く時の注意事項
- 取りに行く前に、連絡する。
- 基本的にはデイサービスからスグに取りに(届け)に行くようにする。
- 朝の送迎で忘れ物をして自宅に取りに行く、なおかつ自宅に誰もいない場合利用者様と一緒に取りに戻る。
- 忘れ物をした頃に関して、家族様・利用者様に必ず謝罪して渡す(受け取る)。
忘れ物をしたらできるだけ早めに届ける。それが利用者様、家族様に対する「誠意」になります。
【助け合いの精神】他の職員が荷物を届けてくれたら必ずお礼を言う。「ありがとう」は人間関係の潤滑油。
荷物を忘れたら、自分で忘れ物をもらいに行く/届けに行きたいと思うものです。
でも、時間的にそれが難しい時があります。
そして、他の送迎職員が忘れ物をもらいに行く/届けることがあります。
忘れ物をもらいに行く/届けてもらう他の職員の状況
- 今日はデイフロアで待機だから。
- 送迎が予定より早く終わったから。
- 施設に戻る途中だから。
- 相談員が担当者会議、契約に行くお宅の途中で寄れるから。
- 何とか時間をやりくりして。
荷物忘れに関して、職場全体でカバーすればOKです。
でも、カバーしてもらうために他の職員は
- 業務が忙しい中
- 他の業務に時間を使えるのに
- わざわざ時間のロスをさせている
という事実があります。
業務が落ち着いたタイミングでいいので、その日のうちにその送迎職員にお礼を言いましょう。
また、上司や忘れ物のために動いてくれた職員にも謝罪とお礼の言葉をその日のうちに言いましょう。
助け合いはそういった当たり前の言葉をためらわずにいうことから始まります。
「ありがとうございます」「申し訳ございません」という言葉は人間関係をスムーズにする潤滑油です。
【再発防止】荷物を忘れたら「何が原因で荷物を忘れたのか」振り返ろう!!
喉元過ぎれば熱さ忘れる。
熱いものも、飲みこんでしまえばその熱さを忘れてしまう。転じて、苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。また、苦しいときに助けてもらっても、楽になってしまえばその恩義を忘れてしまう。
goo辞書より引用(https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%96%89%E5%85%83%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%82%8C%E3%81%B0%E7%86%B1%E3%81%95%E3%82%92%E5%BF%98%E3%82%8C%E3%82%8B/)
忘れ物問題を解決すると
ふう。忘れ物の問題なんとか解決した〜。
とホッとして一息つきたいところですが、そのままだとまた同じ失敗をしてしまいます。
今回の忘れ物問題は解決できても根本的に「忘れ物をしない」原因を解決できていないからです。
忘れ物をして解決できたら「なぜ、忘れ物をしてしまったのか?」振り返りをしましょう。
原因を元に解決策を立てます。
忘れ物をしたら自分で振り返り、原因を探し、次に忘れ物をしないための仕組みを作る。
これがないと同じ失敗を繰り返します。
忘れ物が立て続けに起こるとどんなに理解のある利用者様、家族様でも激しくお怒りになります。
忘れ物が多い人は「なぜ」「どうやって」忘れ物を減らせるのか考えましょう。ヒントはあなたの行動の中にあります。
デイサービスの送迎で確認すべき利用者様の荷物のまとめ
利用者様は目的を持ってデイサービスに来られています。
入浴するため、安全に日中を過ごすため、他の利用者様と交流するため。
これら4つのものは利用者様の目的を達成するためになくてはならない道具です。
忘れ物トラブルをするには、送迎業務の流れの中で意識してチェックすることが必要です。
しかし、それだけでは忘れ物トラブルを減らすことはできません。
なぜなら、「人はミスする動物」だからです。
だからミスをしないための「ルール化」作りが大切なんです。
職員が忘れていてもルールで歯止めを効かせる仕組み作りが。
このルールも人が考えたものなので完璧ではありません。
また、送迎職員がルールを忘れてしまうこともあります。
もし、忘れ物をしたらスグに行動することが利用者様・ご家族様の不信感を最低限にとどめておく唯一の方法です。
デイサービスの送迎は時間との勝負で、しかもやることは山のよう。
最初の頃は「無理難題ばっかり」と気が滅入ることは多々あります。
しかし、これを乗り越えたらあなたは「超人」的な動きをできるようになります。
これが成長です。失敗をやった分だけあなたはみんなから愛される介護士になれます。
絢音は頑張っている介護士のあなたを応援していますよ!
利用者様の荷物以外にも送迎にはいろんなトラブルが出てきます。
それは、人を相手にしているから。しかも、時には機械(車)の故障やトラブルに巻き込まれたりします。
何かトラブルが発生したら、送迎の基本に戻るのが近道です。
デイサービスの送迎の仕事を「まとめ記事」にしたので参考にしていただければと思います。
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