結論：送迎時も利用者様やご家族様に笑顔で挨拶をすることから始めよう。
この記事の対象者
送迎時の接遇研修を企画している人
です。
この記事は
送迎時の接遇研修用の資料用
です。
デイサービスの数はコンビニの数より多く、倒産しているデイサービスもあるぐらい競争が激化しています。
「うちのデイサービスも稼働率が下がっている。」
「最近、新規利用者が続かない」
そんなデイサービスの管理者や介護リーダーの方が多いのではないでしょうか。
そこで、差別化を図るいちばんの方法が
送迎時の接遇
です。
デイサービスの利用にあたって、家族様の影響力は強く「嫁さんが行けって言うから来てみたけど」と言う利用者様も少なくないぐらいです。
そして、家族様とコミュニケーションを取る一番の機会が「送迎」です。
送迎時の接遇を押されるかどうかが
「選ばれるデイサービスになれるか」
の分かれ道です。
今回は送迎時の接遇時について学んでいきましょう。
今回はロールプレイをメインにしています。
最後に、みんなで「送迎時の接遇」と言うテーマでロールプレイを実施しましょう。
【基本】接遇の５原則
デイサービスの送迎業務の半分は「接客です」。
どんなにあなたのデイサービスの職員が「介護福祉士」資格を持っている介護士が多くいても、利用者様や家族様が「ここのデイサービスは感じが悪い」と思われたらそれ以上利用されません。
これからも利用していただけるかどうかは送迎時に利用者様や家族様に「感じのいいヘルパーさん。」と思われることが大切です。
そして、あなたが「感じのいいヘルパーさん」と思われるかどうかはあなたの「接遇力」にかかっています。
接遇には５つの原則があります。
- 言葉遣い
- 態度（しぐさ）
- 表情
- 挨拶
- 身だしなみ
この原則を改善することが「接遇力」をあげることになります。
１、朝出勤したら全ての職員に笑顔で大きな声で挨拶する。
２、1日の最後に自分の「言葉使い」が崩れていないか振り返る。
３、朝起きたらすぐに洗面所の鏡の前で笑顔の練習をする。
４、猫背はもったいない‼︎猫背強制ベルトで信頼が20％アップ。
５、送迎前に全身をもう一度確認する。
自宅に到着したらあいさつをしよう
利用者様宅に到着したら、まずは挨拶をしましょう。
挨拶は
- 元気に
- 笑顔で
- 明るく
しましょう。
もし、朝から元気のない挨拶だったら・・・
おはようございます・・・。
はい、おはようございます。
声小さくてよく聞き取れないわ。
このヘルパーさん、大丈夫かな？
と不信感をもたれてしまいます。
そうならないためのトレーニング方法は「朝、出勤したら他のどの職員よりも大きな声で笑顔で挨拶をすること」です。
職員に元気に挨拶できないのに利用者様や家族様に挨拶なんてできません。
言葉遣いに注意！！
利用者様や家族様とやり取りで主に使うのは「言葉遣い」です。
- 「です」、「ます」をつける丁寧語。
- 利用者様、家族様を敬う言葉の敬語。
- 自分（送迎職員）を下げて利用者様、家族様を敬う言葉の謙譲語。
ちょっとした言葉の緩みが利用者様、家族様の不信感を買ってしまいます。
余談ですが、利用者様に「ちゃん」付けやタメ口で話してしまうことはありませんか？
介護士の経験年数が長かったり、認知症バリバリの利用者様でも卒なくコミュニーションを取れる能力の高い人ほど陥りがちです。
普段から、呼び方を「〇〇さん」と呼んでいないと送迎の時にボロが出てしまします。
「最近、呼び方とか言葉が崩れていないかどうか」振り返るのも大切です。
言葉使いの乱れはそのまま介護の質にも影響します。
【表情は笑顔で】自分の顔に責任を持ってください。
笑顔はどんな人でも利用者様、家族様に提供できるプレゼントです。
笑顔がないと・・・
おはようございます。ゆる〜いデイサービスです。
おはようございます。
なんか、この職員さん・・・
朝から顔が怖いなー。
本当に大丈夫？
完全に信用を失います。
顔は相手から信頼されるかどうかの重要な要素です。
特に注意して欲しいのが
40代以上の男性職員
なぜなら、40代以上の男性は意識的に笑顔を作らないと「怒っているよう」な顔に見えてしまうからです。
自然な顔でなくても大丈夫。
笑顔は作るものです。
試しにスターバックスに行ってみてください。
スターバックスのお姉さん方はみんな笑顔。
この人たちは辛いことや悲しいことがあった後に仕事をしている人もいてるでしょう。
でも、笑顔のない暗い感じの顔をされているお姉さんをみたことがありますか？
少なくとも私はみたことがありません。
送迎で利用者様や家族様と顔を合わせる限り、自分の顔には責任を持ちましょう。
そこでオススメの笑顔の練習方法は・・・
毎朝、鏡で自分の笑顔のチェックをすることです。
鏡を見ることで
- 自分が笑顔になれているか確認できる。
- 自分の笑顔を見るとドーパミン（喜びを感じる神経伝達物質）が出やすくなる。
- 習慣になると、自分で笑顔を作れるようになる。
プロの介護士はいつ、どこで、誰といても笑顔を作れます。
お金をもらって介護の仕事をしているあなたは「笑顔」を作ることは義務です。
【態度（姿勢）】猫背は「頼りない」イメージを利用者様、家族様に与えてしまう。
私も猫背なので、よく言われるのですが・・・
なんか元気ないみたいですが、お疲れなんですね。
体を大切にしてくださいね。
心配をさせてはいけない家族様に心配されるみたいな・・・・w
猫背を治すだけで、堂々と自信に溢れる職員に見えるのです。
猫背というのはどんなに介助スキルが高くて、コミュニケーションも問題なくできる介護士でも「自信がない」職員に見られてしまいます。
すごーくもったいないです。
そこで私は猫背矯正ベルトを買いました。
使用した感覚は
猫背矯正ベルトをつけているのになんか自分に自信がついた感覚
でした。
猫背で悩んでいるあなたは是非、使ってみてください。
身だしなみ
メラビアンの法則によれば、人間の印象の約8割は見た目によります。
つまり、身だしなみが整っていないと「だらしない」という印象を利用者様、家族様に与えてしまいます。
- 洗髪した整えられた髪
- ヒゲの剃り残しのない顔
- きちんと整えられた爪
- アルコール臭、汗臭さ、ワキガ、口臭など体臭に気をつける
- 額が脂でテカテカに光らないよう、こまめに洗顔
- 靴が汚れていないか
- 制服に毛玉、汚れがないか
- ビジネスにふさわしいナチュラルメイク
- 派手なアイシャドーや太すぎるアイラインは避け、控えめなアイメイクを心掛ける
- 不自然なほどのまつげエクステンションは避ける
あまりみられていないようで、実は利用者様、家族様は細かいところまで見ています。
送迎前に二人〜三人グループになってお互いの身だしなみをチェックしましょう。
自分だけでは気づかない身だしなみをチェックしてもらうことができます。
自分では「大丈夫」と思っていても他人から見ると、「大丈夫ではない」ということがよくあります。
特に男性の場合は、女性よりも身だしなみが大丈夫でないことが多くなりがちです。送迎前に女性職員（上司が女性であれば、上司に）チェックしてもらうのが無難です。
接遇５原則だけでは足りない。できる介護士はみんなやってる「気づく」ためのテクニック。
接遇5原則はあくまでも接遇の基本です。
介護士の場合はそれだけでは足りません。
なぜなら、介護士は利用者様や家族様の変化に気づけるのが「専門性」だからです。
家族様から利用者様の申し送りを確認する
挨拶が終わったら、ご家族様（あるいは送り出しのヘルパーさん）からご自宅での様子やその他の申し送り事項を確認しておきましょう。
この時に、すぐに申し送り事項を書き留めて置けるようにメモとペンの準備も忘れないようにしましょう。
ご家族様から申し送られる内容
- 朝のバイタル（血圧、脈拍、体温など）
- 送迎到着までの利用者様の様子
- 病院受診での結果
- 入浴中止
- 入浴時の注意事項（洗髪中止や新しい塗布薬など）
- 欠席の連絡
- 帰りの送迎時間の指定
など
とある送迎にて
おはようございます。
お変わりはございませんか？
実は、昨日うちのおばあちゃん家でこけたから病院行ったのよ。
幸い、擦り傷ができたぐらいですんだんだけど・・・
念のため、今日はお風呂を中止にしてください。
昨日、櫻さん転倒されたんですね。
今日はお風呂は中止させていただきます。
その他、こちらで注意しないといけないことはありますか。
たとえば、塗り薬などはないですか？
本当に擦り傷だけだから、このカットばんでいけるみたいだから、特に塗り薬とかはないです。
お医者様からは「一応、今日はお風呂は置いておいて、何も症状が現れなければ明後日から入浴してもいいですよ。」と言われたので様子だけ見ていただけますか？
承知いたいました。
今日は一日歩行状態とか様子を見させていただいて、何かあればすぐに連絡させていただきます。
はい、ぜひお願いします。
このように、ご家族様からの申し送り（利用者様の様子や依頼ごと）を確認し、デイサービスの利用時に他に何かしないといけないかご家族様に確認をしましょう。
利用者様が転倒した申し送りの場合、デイサービスの利用中に何らかの症状が現れる場合もあります。
他の介護士も日中様子観察できるように申し送りを確実に行いましょう。
送迎車に乗車する際の利用者様の歩行状態等を確認する。
利用者様のお体の状態は日によって変わります。
痛みの訴えなどなく歩行できる日があれば、膝が痛くて杖を使って介護士の介助で何とか歩ける日もあります。
玄関から送迎車両に乗り込むまで、ご本人の歩行状態はもちろん。
顔色やご本人の動作からその日の利用者様の健康状態をしっかり観察しましょう。
それでは、アリスさん。
今から車までご案内します。
はいお願いします。
・・・・・・！！
どうされました、アリスさん？
実は、今日は膝が痛くて。
何とか歩けるんやけど早くは歩けないかな。
昨日、こけたからかな？
そうだったんですね。
今日は、念のため自動で上り下りのできる椅子で車に乗っていただきます。
向こうでは歩けそうですか？
もし辛ければ、今日だけ車椅子をしようしますか？
車椅子を使うほどは痛くはないよ。
ありがとう。
デイサービスについたらできるだけ自分で歩いてみるみるわ。
お医者様からも歩くのは支障ないっていってたし。
わかりました。
でも、途中で膝の痛みが我慢できなくなったらいつでもおっしゃってください。
車椅子をお持ちしますので。
ありがとう。
もし、足が痛くなったら言います。
感染症がはやる季節は乗車前に検温で利用者様の体調の変化に気づく
利用者様の健康状態を確認するのも送迎業務の一つです。
特に、インフルエンザなどの感染症は高齢者にとって命取りになることがあります。
事前に、体温をチェックし一定以上の熱があれば休んでいただくことで、他の利用者様の健康を管理することもできます。
感染症がはやる季節には、必ず乗車前に検温をしましょう。目安としては37℃以上の熱があるときはお休みいただくのが一般的です。
帰りの送迎時の利用者様ご本人の様子を伝えることは家族様にとっての「お土産」
帰りの送迎も基本的には迎えの送迎時と対応は同じで
しっかり挨拶をして、利用者様を玄関までお送りしましょう。
朝の送迎と違うのは
デイでの日中の様子を伝える
ことです。
- 入浴の中止とその理由
- レクリエーションでの参加されていた様子。
- 昼食や水分の摂取状況
- 他の利用者様との交流の様子
- 施設からのお知らせ
- 利用者様、家族様からお問い合わせていただいた内容の返答
- その他特記事項。
入浴中止や施設からのお知らせなどがない時は、レクリエーションの参加されている時の様子など、一言ご家族様に日中の様子をお伝えしましょう。
連絡帳があるデイサービスでは、送迎出発前に連絡帳を確認してから出発すると家族様に利用者様の日中の様子を伝えやすいです。
ではここからは、ロールプレイのコーナーです。
帰宅の送迎時
ただいま戻りました。
戻ったよー！！
お帰りなさい💖
今日はアリスさん、午後からスカットボールに参加されています。
「私、昔ゲートボールやってたのよ。」と笑顔で参加されていました。
残念ながら、一位は他の利用者様でしたがアリスさんは「次こそは勝つわよ。」といっておられました。
そうだったのー。
おばあちゃん。
昔から、運動は得意な方だったからねー。
こんなに体を動かしたのは久しぶりだわぁ。
それでは、アリスさんまた来週お願いします💖
また、待ってるわね。
ご苦労様！！
それでは最後にそれぞれの場面のロールプレイを実施してみましょう！！
まとめ
送迎時の接遇のポイント
・自宅に到着したら挨拶をしよう
・家族様からの申し送りを確認する（メモとペンのご用意を）
・送迎車に乗車していただく際、利用者様の歩行状態を確認しよう。
・感染症がはやる季節には、乗車前に検温するのがベター
・帰りの送迎時は、利用者様の日中の様子を一言添えましょう。
送迎時でも、利用者様の肌に触れず3秒で体温を図ることのできる便利な体温計です。
脇に入れなくてもすぐに体温を測定できるので、シビアな時間配分の送迎時に重宝します。
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