結論:時計を見ながら入浴介助をして下さい。
入浴介助を始めてこんなことで悩んでいませんか?
でも
私介護士に向いていないのかな?
と思う必要はありません。
最初から「早く」入浴介助ができないからです。
それでも今より利用者様を入浴をスマートに済ませたいと思いませんか?
新人介護士でも入浴介助を最適化する方法、それは「時計を見ながら」入浴介助をすることです。
時計を見る=時間を意識する
時計を見ない=時間を意識できていない
時計を見ることは、ドライブするときの「カーナビ」と一緒です。
初めていくカーナビもなく目的地が分からないと途中で迷子になるのと一緒で、時計を見ないことは目標の時間もわからずに介助することになります。
それでは、何時間あっても入浴介助はいつまで経っても終わらせることはできません。
今回は、時計を見るベストタイミングだけでなく入浴介助の流れで目標の時間をクリアするポイントも解説します。
毎回、時計を見続けて入浴介助をすると来年にあなたは焦って介助しなくても先輩と大差がないほど入浴介助のスピードがアップします。
入浴介助の手順
- 入浴前声掛け〜脱衣介助まで。
- STEP2入浴中洗身・洗髪〜浴槽に浸かって出るまで。
- STEP3入浴後整髪介助を行うまで
今回は入浴全体の介助の流れも解説しています。
あなたは「どのタイミングで時計を見ればいいかな?」と介助の場面を思い出しながら読んでいただけるとスピードアップの改善点を見つけやすくなります。
時計を見ながら入浴介助をしていますか?
入浴介助は時間との勝負です。
入浴の準備〜整髪までの入浴介助の速さ介護技術のレベルによるところがあります。
ただ、新人介護士の間はそれほど介護技術のレベルが高いわけではないのでそれほど入浴介助が劇的に早くなるわけではありません。
時計を見るだけで時間を意識できるようになります。
時間は意識するだけで入浴介助を早くすることができます。
新人介護士の時から都度、時計を見るクセをつけると同僚と入浴介助の速さで差をつけることができます。
時計を見ている時/見ていない時の比較
入浴介助の時に都度時計を見ることで時間を意識しやすくなります。
時計を見ると、「ちょっと時間が遅くなりそうだから少し時間をまこう」とか「この調子で介助をしても10分時間に余裕があるからそれほど急がなくてもいいな」と判断ができるようになります。
では、具体的に時計を見れる時/見てない時でどんな違いがあるのか見てみましょう。
時計を見ることで、入浴介助に使える残りの時間とまだ入浴できていない利用者様の残りの人数を比較することができます。
時間と人数の比較をすると「時間を巻く/巻かない」の判断ができるようになります。
入浴介助をしている時の時間感覚は他のことをしている時よりも「短く」感じやすくなります。
時計を見ること入浴介助に使える時間を正確に把握することができます。
万が一、目標の時間より遅くなってしまっても
原因を見つけて、対策を立てるのが簡単になります。
あなたが「入浴介助が早くて丁寧」と感じる先輩もこの原因を見つけて対策を立てることで改善しています。
どんなに素敵な先輩介護士も最初は新人。改善し続けた結果、介助が早くなったのです。
残りの時間も把握していないのに何を改善すればいいか分かるはずがありません。
基本的に利用者様は「早く入浴して、レクリエーションや体操に参加したい」と思っています。
中には、時間が遅くなるだけで「今日は入浴したくない」と思ってしまう利用者様もいます。
実は入浴介助が遅れると利用者様だけでなく他の職員にも迷惑をかけてしまいます。
デイサービスの仕事は帰りの送迎までに終わらせなくてはいけません。
入浴介助が遅れてその後の業務も全て遅くなると、「早く利用者様を送らなければいけない」と思っている職員にとっては焦ってしまう元になります。
どのタイミングで時計を見るの?【利用者様の状況が落ち着いている時です】
でも入浴介助って常に忙しすぎて時計を見るタイミングを見つけるのも一苦労。
3〜5秒間、時計を見ていても事故の起きる確率はそれほど変わりません。
入浴前の流れ【声掛け〜脱衣介助まで】で時間を短縮する
- 入浴前
- 入浴中
- 入浴後
入浴前の準備を完了させる目標時間をクリアするポイントは「準備すること・もの」を完璧に覚えることです。
同じ事業所でも利用者様によって準備物が異なります。
あなたの事業所での入浴の準備の流れを完璧に覚えつつ、利用者様個人の準備も覚えていきましょう。
入浴の準備で目安の時間をクリアするコツ
入浴準備のポイントは「抜かりなく」が鉄則です。
なぜなら、入浴準備が不十分だと入浴介助中に時間のロスを生み出すからです。
ノーパンはいやーーー!!
ノーパンはともかく、その分時間のロスになるのは間違いありません。
必要以上に入浴時間が長引くのは利用者様の体に負担をかけるだけです。
入浴介助前の段取り
入浴前の段取りであなたの入浴介助がどれだけ安全かが決まります。
なぜなら、入浴介助の時間が長ければ長いほど利用者様の体への負担が大きくなるからです。
どこの事業所でもこの段取りは事業所のよって変わりません。
なのでこの流れを覚えておくと大幅に入浴介助前の準備にかかる時間を短くすることができます。
【準備1】浴槽にお湯を入れる。
今から利用者様を浴槽で温めるのに、お湯が入っていないと利用者様が寒い思いをして風邪をひきます。
寒いから早く湯船に入れせてくれへん?
浴槽にお湯が入ってないよ。どうしよ〜!!
ここの確認を怠ると入浴介助に余計時間がかかってしまいます。
【よくある浴槽のお湯が入っていない原因と対策】
【準備2】脱衣場・浴室の温度調整
脱衣場と入浴場の温度管理は利用者様の命を守るのに必要です。
特に冬場はデイフロアと脱衣場・入浴場の温度差によるヒートショックで利用者様の体調が急激に悪化しやすくなります。
デイフロアと脱衣場・入浴場の温度差をできるだけ0にするのが適温です。
冬場は特に暖房をつけてもすぐには暖まらないので、入浴の準備をする時にはエアコンのスイッチをオンにしておきましょう。
【準備3】足マット・バスマット・滑り止めを敷く。
次にタオル類の準備です。
椅子の上にバスタオルをかけます。
次に足マットと滑り止めを椅子の足元に敷きます。
足マットを上、滑り止めを下です。
足マットと滑り止めを敷く前に床が濡れていたら雑巾で拭いておきましょう。
完成形はこんな感じです。
車椅子にもバスタオルを敷いておきます。
タイミングは利用者様が特浴用のチェアーに座りかえた直後です。
もし、他の介護士に依頼するとスムーズに洗身・洗髪介助に入れます。
【準備4】利用者様の荷物の準備
次に利用者様の荷物を確認します。
利用者様の荷物を確認しながら、一旦入浴用のかごに入れましょう。
利用者様によって持参物が変わります。
入浴前に何を持参されているのか覚えておいてください。
万が一家族様から「下着の洗濯物が入っていないんだけど」という問い合わせに答えることができます。
実は入浴時の返却忘れや持参物の紛失のクレームは少なくないのです。
【準備5】バイタル・申し送りの確認
入浴場・脱衣場の準備が完了したら、入浴の声かけをする利用者様のバイタルと申し送りを確認します。
入浴介助の人数が多ければ多いほど、申し送りやバイタルを見落としが多くなります。
指差し確認しながら確認してください。
見たつもりが、一段見間違えていたということがないように・・・・
ここまでの準備が終わったら利用者様に入浴の声かけをします。
脱衣場に誘導する前に、トイレの声かけも忘れずに・・・
最後に、利用者様の脱衣介助をする
入浴中の流れ【洗身・洗髪〜浴槽に浸かって出るまで】で時間を短縮する
- 入浴前
- 入浴中
- 入浴後
入浴中の介助の目安時間をクリアするポイントは「段取り良く」と自立支援がポイントです。
つまり、自分の手を遊ばせないということです。
浴槽に浸かるまで、利用者様の体は濡れている「寒い状態」。
その状態が長く続けば続くほど利用者様の負担は大きくなります。
無駄な時間を作らないためにスキマ時間で次の介助の準備をするという要領の良さも求められます。
入浴中の流れ【段取りよく介助する】
浴槽に浸かるまでの流れの基本はこの通りです。
入浴介助の順序は利用者様のADLが大きく変化しない限りは大きく変わることはありません。
流れを覚えてしまうとスムーズに洗身・洗髪介助ができます。
洗身・洗髪介助のやり方については「洗身・洗髪介助の基本はこれだ!!」で詳しく解説しています。
利用者様自身でできることはご自分でしてもらう【自立支援】
自立支援は利用者様のできることを減らさないための「リハビリ」として実施されています。
実は、それだけではなく入浴介助をスムーズにすることもできます。
【たとえば、洗身中】
絢音さん、背中洗いましたよ。
背中、気になるところはありませんか?
うん、気持ちいいよ!!
では、前の方。腕とか胸とは洗ってもらっていいですか?
は〜い。
その間に、シャワーのお湯を出しておいて泡を流す時には丁度いい温度になるようにしておこう。
終わったよ〜。寒いから早くお湯をかけてほしいな☆
はい!!
お湯、熱くないですか??
うん丁度いいよ。
では、足からお湯をかけていきますね。
あ〜、気持ちいいわ〜!
入浴後の流れ【浴槽を出てから整髪介助を行うまで】で時間を短縮する
- 入浴前
- 入浴中
- 入浴後
湯船に出た後は着衣介助まで終わらせましょう。
ここでも目安の時間をクリアするコツは「段取り良く」と自立支援です。
浴槽から出た後の流れとポイント
入浴後の介助は入浴前以上に段取りよく仕事を進めなくてはいけません。
時間をかければかけるほど、利用者様は風邪をひかせるリスクを上げるからです。
それぞれの介助のポイントを見ていきましょう。
【入浴後の介助1】体を拭く
背中や足は利用者様の手が届きにくいので介助してください。
でも、胸や腕、お腹は利用者様自身で拭けることが多いです。
前の方は利用者様自身で拭いていただいている間に、持参の塗り薬や貼り薬の準備をします。
絢音さん、背中拭きましたよ。前はご自分でお願いします。
は〜い。
その間に、湿布とワセリンの準備の準備しておこう。
【入浴後の介助2】薬を塗る、貼る。
体を拭けたらお薬を塗っていきます。
しかし、その前にもう一回拭き残して水が残っていないか確認しましょう。
利用者様の目線から直接見えない部分に拭き残しがあるのが多いです。
しっかり体を拭けたらお薬を塗ったり、貼ったりします。
褥瘡の処置など、看護師の手が必要な時は看護師を呼びます。
【入浴後の介助3】着衣介助
お薬を塗られたら、上の肌着を利用者様に渡して来てもらいます。
すぐに全部の服を着れませんが、肌着だけとりあえず着ると利用者様の「寒さ」がマシになるからです。
後は、利用者様の意向に合わせて着衣介助をすればOKです。
着衣介助が終わったら一安心です。
【入浴後の介助4】水分補給をする。
利用者様に服を着てもらえたら、水分補給をしてもらいます。
湯船に浸かって水分を失っているからです。
入浴後に渡す水分用にコップがあれば、人数分をまとめて水分の準備ができます。
着衣介助後、一回一回、お茶をコップに入れて利用者様に渡す動作を省けます。
【入浴後の介助5】整髪する。
最後に整髪をして入浴介助終了です。
ドライヤーを利用者様の頭に近づけすぎると、利用者様が熱くなります。
【ドライヤーする時のポイント】
こうすることで、利用者様の頭が熱くなる前に介護士の手が熱く感じます。
自分の手が熱くなってきたら、ドライヤーの位置を遠ざけて調整します。
最後にクシで髪を整えましょう。
ご自分でできる方は、ご自分でしてもらいます。
まとめ
・都度時計を見る癖をつける。
・スキマ時間を有効に使う。
・焦らずに入浴介助をする。
入浴介助を短縮するには「あとどれぐらい時間がかかるのか」逆算するのが確実です。
入浴介助を完了するまでのあなたの動きを映像としてイメージできるかにかかっています。
全体の時間を意識しつつ、「あと、目安でどれぐらい時間かかるのか?」計算しましょう。
入浴介助の中で、着脱介助が意外と新人介護士には難しい。
上服の袖の部分がなかなか通らなかったり、頭が通らなかったりします。
以下の記事で着脱介助のコツと手順について解説しています。
デイサービスの入浴介助で最低限おさえて欲しいポイントをまとめました。
これから介護士をやる方やデイサービスのスタッフになりたての方は是非参考にしてください。
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