「命の洗濯」気持ちよくする 入浴介助の手順【肌観察もやってる?】

入浴介助
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※褥瘡の画像を使っているので、一部グロテスクな表現があります。ご理解の上、ご覧ください。

櫻アリス
櫻アリス

結論:利用者様の安全を確保しつつ、「非日常」を入浴場に演出しよう!!あと、脱衣介助時の肌観察も忘れずに!!

この記事の対象者
  • 入浴介助を初めて半年以内の介護士
  • 介護の仕事が初めてで、近々入浴介助の予定がある新人介護士
  • 「入浴介助が苦手だ」と思っている介護士
入浴介助が上手くなるコツは「回数」です。

入浴介助は利用者様が服を脱いだ無防備な状態で直接介助をするので怖いと感じます。

でも、利用者様から「気持ちよかったわーありがとうな」と言われると「介護士やっててよかったなー」と思えます。



他人の喜びを自分の喜びとして感じことのできる介護士。

入浴介助はダイレクトに利用者様と入浴の「気持ちいい」を共有できるサービスです。

利用者様を気持ちよくさせる入浴介助にはコツがあって

  • 利用者様の安全を確保する。
  • 利用者様ができることはご自身にお任せする。
  • 入浴場に「非日常」を演出する。

ことです。

入浴介助は「時間との勝負」。

丁寧に介助するだけでは利用者様の安全を確保することはできません。



利用者様から「今日も気持ちよかったよ。ありがとう」と言ってもらえる入浴介助をするためには、「目的」と「介助の流れ」を覚えてください。

この記事でわかること
・利用者様がデイサービスで入浴する目的
・褥瘡のできやすい場所
・入浴介助の流れ
・入浴場に「非日常」を簡単に演出する方法

それと忘れてはいけないのが脱衣介助時の「肌観察」。

利用者様の変化にいち早く気づける介護士になってください!!

櫻 絢音の実績
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • ガイドヘルパー
  • 10年以上デイサービスで介護士として勤務
あなたでも介護士を続けていけばベテラン介護士になれますよ。

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なんでデイサービスで入浴するの?【入浴介助の目的3選】

結論の話の前に、何のために入浴するかを理解しましょう!

入浴介助に絶対はなくて、利用者様によって介助方法がかわるからです。

入浴の目的を理解して、基本的な介助を応用させるのがバイステックの原則で言うところの「個別化」になるからです。

よく聞く利用者様の入浴拒否の理由、「家でお風呂入るのに、なんでここで入浴

しないといけないの。」

結論から言うと、高齢者が自宅で入浴するのは危険だからです。

デイサービスで入浴するのは利用者様の命を救うことになるのです。

そもそもなんのために入浴するのか?

高齢者がデイサービスで入浴するメリット
  • 体の清潔を保持する。
  • 利用者様をリラックスさせて「チョー気持ちよく♡」させる。
  • スキンチェック(肌観察)をする。
お風呂は命の洗濯なんです。

【目的①】体の清潔を保持する

清潔保持!!

これがお風呂の1番の目的です。

お風呂に入れていないと・・・

  • 全身があかだらけ
  • なんとも言えない体臭
  • 靴下を脱ぐだけでフケがまう
  • 尿失禁、便失禁で下着やズボンがドロドロのビチャビチャ
  • 髭が伸びまくっている(女性でもヒゲが伸びている人はいます)

もはや人間としての「尊厳」なんてかけらも感じません。

お風呂は「人間らしく」生活するための必需品なのです。

【目的②】利用者様をリラックスさせて「気持ちよく♡」させる

適度な水圧と湯温でリラックス。

そのためか、長湯が好きな利用者様が多いです。

声をかけないと9割以上の利用者様は5分以上湯船に浸かっています。

湯船に浸かるときのルール
  • 3〜5分を目安にする。
  • 湯船に浸かっている時間はタイマーで管理する。
  • 湯船に浸かっている間は利用者様から目を話さない。
  • 湯船に浸かる前に、介護士が温度計の数字を見てさらに手で湯温を確かめる。
  • 少し早めにお風呂から上がるように声かけをする。
  • その日の申し送りを最優先にする。
湯船に浸かってるだけでジョギングをしてるのと同じ負担がかかっているという説もあります。

入浴は利用者様ご本人が思っている以上に体に負担がかかります。

入浴時間を守りながら入浴してもらいましょう。

【目的③】スキンチェック(肌観察)をする。

歳を重ねると肌トラブルが増えてきます。

入浴時は全身の肌を観察できるチャンス。

小さな肌トラブルを見つけることで、大きなケガや病気になる前に対処することができます。

【優しくしてほしい】高齢者の肌は弱い!!

高齢になると肌トラブルが増えてきます。

私たちならすぐ治る水膨れも高齢者の場合は、褥瘡になってしまうことも珍しくありません。

抵抗力が弱くなっているので小さな肌トラブルが大きなケガや病気の原因になるのです。

高齢者によく見られる肌トラブル3選

入浴の時は、利用者様のお肌をじっくり・・・

穴が開くまで見てください。

そうすると、利用者様のお肌の大変な状態に気づけます。

高齢者に多い肌トラブル3選

  • 水疱
  • 乾燥肌
  • 発赤・発疹

年中のなんらかの肌トラブルを抱えています。

特に水疱はほっておくと、皮膚剥離(皮膚が剥がれてケガになってしまう)や褥瘡(床ずれ)の原因になります。

利用者様の命に関わる【褥瘡(床ずれ)】ができやすい場所

高齢者のスキンチェックをするときに見てほしいのが「褥瘡(床ずれ)」ができていないかどうかです。

最初は小さな赤みでも、進行すると骨にまで達してしまいます。

場合によっては死亡してしまうこともあります。

褥瘡の深さに分類

琉球大学病院形成外科HPより引用(http://www.ryukyuprs.com/menu/nanchiseikai/index.html)

櫻琴音
櫻琴音

褥瘡ってこんなになるの!?

なんで褥瘡になるのか?

介護の業界では寝ているときの「圧力の集中」が原因と言われています。

利用者様の入浴介助をするときは以下の部分に水疱(水膨れ)があれば初期の褥瘡である可能性があります。

褥瘡(床ずれ)の現れやすい場所

  • 後頭部
  • 肩甲骨
  • 仙骨
  • かかと

ただし、ここ以外にも褥瘡はできます。

褥瘡になる前に、この部分を中心に全身のスキンチェックをしてください。

少しでも肌トラブルがあったら看護師を呼んでね♡

「これは褥瘡なんじゃないかな」、「いやー、あせもでしょ」と言いたくなりますがちょっと待ってください。

褥瘡もあせもも診断するのは「医師」の仕事です。

私たちはあくまで「状態」を伝えるだけです。

「水疱」は肌の状態なので伝えても問題ないです。

でも、「褥瘡ができてますよ」と言うことはできません。

デイサービスで一番医師に近い立場が看護師。

肌に異常があれば看護師に状態を見てもらいましょう。

必要であれば家族様に「病院受診」を勧めます。

新人介護士にもできる入浴介助。気持ちよくなる体の洗い方♡【入浴介助の流れ】

利用者様の話を聞くと約9割が「他人に洗ってもらうと気持ちいいわ」と話されます。

気持ちいいのって湯船に浸かっているときだけではなかったんですね。

私たちは何気なく体を洗っています。

でも、いざ他人の体を洗うとなるとどこから洗えばいいか迷います。

一般的な入浴介助時の洗身の型を身につけてると9割の利用者様に「気持ちよく♡」なってもらうことができます。

入浴介助の流れ
  1. 浴室の準備をする。
  2. 利用者様の荷物を準備する。
  3. バイタル、申し送りを確認する。
  4. 利用者様に声掛けする(トイレの声掛けも忘れずに)
  5. 脱衣室にして脱衣介助をする。
  6. 同時にスキンチェック(肌観察)をする
  7. 浴室まで移動する(特浴の方は専用のチェアーへ移乗する)
  8. かかり湯をする。
  9. 洗髪と洗顔をする。
  10. 洗身する。
  11. 湯船へGo‼︎(3〜5分が目安)
  12. あがり湯をかける。
  13. バスタオルで利用者様の体をふく
  14. 持参薬を塗布する。
  15. 着衣介助
  16. 整髪する。
一般的な入浴介助の流れです。

ここで注目して欲しいのがスキンチェックのタイミングです。

脱衣介助しながら利用者様のスキンチェックをします。

水疱(水膨れ)やキズがあって、水に濡れないように処置しないといけない場合もあります。

利用者様のお肌に異常があれば看護師に状態確認と処置を行ってもらいましょう。

櫻絢音
櫻絢音

看護師の状態確認が終わったら、看護師から入浴時の注意点を尋ねましょう。

入浴する前に事前準備を怠らないように。

入浴介助は8割が準備です。

  • バイタル確認
  • 利用者様の荷物の準備
  • 浴室の環境を整える(室温、湯船の準備など)
  • 申し送りの確認
  • 入浴前のトイレの声掛け

デイサービスの入浴はその日の利用者数の8割〜9割が対象です。

入浴介助だけで1日使うほどの事業所もあるほどです。

事前準備を確実に行う時間がないと思うかもしれません。

でも、事前準備をしないとスムーズに入浴介助はできません。

洗身・洗髪介助の基本はこれだ!!

では、ここからは洗身・洗髪の流れを見てみましょう。

洗身・洗髪の流れ

  1. かかり湯をする
  2. 洗髪をして(洗顔も)流す
  3. 上半身の洗身
  4. 下半身の洗身
  5. 陰部臀部、肛門を洗う(基本的にはご自分で洗ってもらう)
  6. 泡を流す

ただ、足を広げると痛がる利用者様もいるので表情を見ながら、声かけしながら介助してください。

入浴介助においては、「できる部分はご自分で洗身、洗髪してもらう」のが鉄則です。

どうしても手の届かないところや、十分に汚れが取れていない箇所(特に後ろ)は介助が必要です。

一般浴で入浴される方の中には「見守り」だけで十分な利用者様もいます。

高齢者でも「恥ずかしい・・・」デリケートゾーンを洗う!!

基本的にはデリケートゾーンは男性、女性ともにご自分で洗ってもらいます。

デリケートゾーンを介助にて洗う必要がある場合。

  • 寝たきりで手足をほとんど動かせない。
  • 便失禁、尿失禁でデリケートゾーンがドロドロに汚れている。
  • ご自分では洗えるが、デリケートゾーンの汚れが残っている。

現状男性よりも女性の利用者様の方が圧倒的に多いです。

男性が女性の入浴介助をする機会はまだなくなりません。

「私はいいよ」って言ってくださっている女性の利用者様も本当は恥ずかしい。

櫻絢音(女性利用者様)
櫻絢音(女性利用者様)

いつも世話になってるお兄ちゃんやし。ちょっと我慢して洗ってもらおう。自分では綺麗に洗えないし。

と思っています。

それを踏まえた上で男性介護士は介助してください。

女性のデリケートゾーンを洗うとき、これを逆にするとデリケートゾーンに雑菌が侵入して膀胱炎などを起こします。

絶対に逆の洗い方はしないでください。

虹色、赤色部分が汚れの溜まりやすい部分です。

この裏側も汚れがたまりやすいです。

あまりにも汚れがひどい時は男性で介助した方が無難です。

男性利用者様の中には「女性職員に自分のデリケートゾーンを洗って欲しい」と言う欲望を出す方もいらっしゃいます。

そんな方は自分で洗えるのに洗えないふりをして女性介護士に洗わせようとします。

男性で介助するのが無難ですが、女性が介助しないといけない場面もあります。

こんな時は、さらっと話を流しつつタオルを渡して利用者様から距離を取るのがベターです。

櫻絢音
櫻絢音

それでも、手首を掴んだり貴女の体を触ろうとする行為が見られたら上司に報告しましょう。

入浴後のスキンケアも忘れずに

湯船から出たらあがり湯をして、タオルで体をふきます。

体の水分を十分に拭き取ったら、次はスキンケア。

入浴後のスキンケア

  • 持参されている塗り薬を塗る。
  • 貼り薬を貼る。
  • 入浴前との肌の状態の違いを観察する。
  • 褥瘡の処置。
  • 主治医から指示されている処置。

処置関係は介護士ではできないので看護師を呼びます。

今後、法改正で介護士でもできる処置が増えるでしょうが基本的には看護師にお願いするのが無難です。

スキンケア→着衣介助→整髪介助が終わったら入浴介助は終わりです。

櫻絢音
櫻絢音

声かけから整髪介助までにかかる目安の時間は約25分〜約40分です。

これができたら利用者様の「気持ちよかったわ〜」をもらえる方法

お風呂は一工夫するだけで、「楽しいお風呂」になります。

入浴中のトラブルを防せぎつつ、入浴を「非日常」を演出するのがポイントです。

【あっ!!】お風呂場でのトラブル5選と解決法

よくある入浴時のトラブル
解決法
  1. 転倒する。
  2. 浴槽で溺れる。
  3. ヒートショック(血圧の変動)
  4. やけど
  5. 表皮剥離(皮めくれ)
  1. 移動介助中に利用者様の側を離れない
  2. 湯船に浸かっているときに利用者様から目を離さない。
  3. 入浴を始める30分前には浴室と脱衣室の室温差をなくす。
  4. 温度計だけでなく、介護士自身の手でも湯船の温度を見る。
  5. 包み込むように洗身・洗髪介助をする。

あなたの事業所でもいずれかのトラブルを経験したことがあるのでは?

トラブルを予防する。

トラブルが生じてもすぐに解決できるように準備する。

利用者様に入浴を楽しんでもらうには「トラブルがない」のが一番です。

新人介護士でもできる利用者様が楽しめる入浴3つのこと

新人介護士でも利用者様に入浴を楽しんでもらう方法は以下の通りです。

  • 入浴時間を守る(湯船に浸かるのは3〜5分以内にする)→タイマーを使う
  • 適切な湯温にする。→温度計+介護士の手でも湯温を確認する
  • 非日常を感じれるお風呂にする→季節のお風呂を企画する。

トラブルを先に解決しつつ、利用者様に非日常を楽しんでもらうのがベストです。

入浴で手っ取り早く利用者様に「非日常」を提供する方法。

それが「季節のお風呂」です。

スーパー銭湯とかでやっている「今月のイベント風呂(ゆず湯など)」です。

絢音が実施した季節のお風呂一覧
  • ゆず湯
  • みかん湯
  • バラ湯
  • しょうぶ湯
  • どくだみ湯
  • バラ湯
  • マツ湯
  • キンカン湯
バラが湯船に浮かんでるだけで「非日常」を演出できます。

季節のお風呂のデメリットは「費用がかさむ」ことです。

もし、あなたの施設から予算が出そうなら試しにやる価値があります。


みかん湯やゆず湯が比較的安価で実施しやすいです。

まとめ

利用者様を「ちょー気持ち良く」する介助方法
・入浴前の事前準備は十二分に。
・洗身やかかり湯、あがり湯は足先、手先から心臓に向かって。
・デリケートゾーンは基本的にはご自分で洗ってもらう。
・トラブルを防ぐ。
・入浴場に「非日常」を演出する
櫻アリス
櫻アリス

お風呂場は利用者様の全身のお肌を出しています。その分の無防備になっていることを忘れないでください。

この記事を書いた人
櫻 絢音

はじめまして、このサイトの主の櫻絢音です。

13年間社会福祉士、介護福祉士としてデイサービスで介護をしています。介護の仕事と高齢者とのふれいあいを愛しています。
デイサービスで常勤の介護士→看護学校受験すべて不合格→派遣社員で介護士→再度看護学校の受験すべて不合格→派遣社員→再度挑戦中。

「あのとき、もっとこうしていれば介護士として成長できたのに」と思いこのホームページを運営し始めました。

このホームページでは

①新人介護士のスキルアップや仕事の悩みに関する情報
②介護業界の資格に関する情報
③看護受験に関する情報や勉強方法
④他のデイサービスと差別化できる運営戦略に関する経験談
⑤高齢者が地域で自分らしく生きる為の情報
を主に発信します。

ブログ運営から3ヶ月で「ブログ村」の「デイサービス」部門PV1位実績を達成。

このホームページ以外にも
YouTube配信も行っていますので、のぞいていただけるととてもありがたいです。

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