結論:「季節風呂」は年間で計画をする。
スーパー銭湯、自宅では味わえないさまざまな特殊風呂を体験できます。
- ワイン風呂
- 電気風呂
- サウナ
- 岩盤浴
- 冷水風呂
これらをやるにはコストと労力がかかります。
ただでさえ入浴介助するだけで精一杯なのに・・・
実は、その中で「デイサービスでも実施できるもの」があるとすればどうなるでしょうか?
- デイサービスでスーパー銭湯みたいな体験ができる。
- お風呂嫌いな利用者様でも、声かけする言葉の数が増える。
- ブログやSNSなど情報発信する内容が増える。
それが季節のお風呂です。
実施するだけで、利用者様に喜ばれるだけでなくあなたの仕事も楽になります。
毎日「季節のお風呂」を実施する必要はありません。
月に一回だけでも実施することで、利用者様は「特別感」という感情をお持ち帰りできるのです。
介護の仕事を始めたあなたにとって、入浴しているときの利用者様の笑顔は何よりもご褒美ではありませんか?
今回は「季節風呂」の段取りでつまづかないように、企画〜実施までのスムーズな企画方法について解説します。
結論から言うと、「年間で毎月の季節風呂を計画する」です。
季節風呂の材料の中にはコストが高いものもあります。
また、すぐには調達できない材料もあります。
毎月行き当たりばったりでやってしまうと、宣伝したのに結局実施できなかったという事態になります。
入浴するためにデイサービスに来る。
そんな利用者様にとって「季節風呂」は私たちにとっての「ディズニーランド」と一緒なのです。
季節のお風呂を企画しよう!!
利用者様にとって入浴はデイサービスへ来る理由の1/3です。
私の職場のデイサービスでも約9割の利用者様が入浴されます。
そんなお風呂がいつもとは違う「季節風呂」に入れるとなるとウキウキ、ワクワクしますよね?
利用者様にとってディズニーランドに負けないぐらいの季節風呂を企画しましょう。
季節風呂で「非日常」を演出する。
季節風呂は利用者様を楽しませることができます。
要介護高齢者の世帯では自宅で季節風呂をする機会が少ないからです。
つまり、季節風呂という「非日常」を利用者様に体験させることができます。
普段の生活では体験できないディズニーランドや旅行を楽しむことと同じです。
- 主介護者の家族様自体が高齢で要介護高齢者(老老介護)
- 自宅のお風呂が利用者様が安全に入るための環境が整っていない(自宅で入浴すること自体が難しい)
- 介護費用にお金がかかるので季節のお風呂をするだけの経済的余裕がない
- そもそも主介護者は仕事をしているので、時間的な余裕がない。
特に③については、要介護高齢者1人にかかる月平均の介護費用は7.8万円です。
つまり、時間的、身体的、経済的に自宅で季節風呂をするのは難しいということです。
- 主介護者ってなに!?
- 主介護者は「メインで要介護高齢者を介護している家族(あるいは知人)です。キーパーソンとも呼ばれています。多くの場合は、配偶者(結婚相手)、娘、息子の嫁がされています。最近では、男性が主介護者になっている場合もあります。要介護高齢者の生活は主介護者が誰かに左右されていると言っても過言ではありません。
季節風呂は利用者様にとってのディズニーランド。
【目的】季節風呂を実施すると利用者様はどう感じる?
季節風呂を実施知ると利用者様に「非日常」をプレゼントできます。
いつもは体験できないことを体験できます。
もう少しわかりやすい表現を下にまとめてみました。
いつもよりひと工夫加えるだけで、お風呂はイベントになります。
ただし、季節風呂は準備できていないと実施できません。
計画的に準備していかないと「今日が季節風呂の日だった!!」となりかねません。
【無駄だらけの準備】毎月行き当たりばったりだと発注が遅れる
季節風呂の企画は毎日やるわけではありません。
多くても月に一回。
たまにやることは忘れてしまいます。
行き当たりばったりで季節のお風呂を企画していると・・・
- 材料の発注を忘れる。
- 材料の到着が間に合わない。
- 中途半端な量で季節風呂をしないといけない。
- 微妙な材料の量で季節風呂を実施。
- 季節のお風呂の企画自体を忘れる。
企画しても実施しなければ意味がありません。
利用者様に楽しんでいただける季節風呂のために、準備は欠かせません。
【年間で計画しよう!】段取りよく季節のお風呂の予定を立てる手順❤︎
行き当たりばったりではない季節風呂の企画の仕方。
それは「前年の年末までに年間の計画を立てることです。(毎月やる場合)」
年間で季節風呂を計画する理由
- 年間で「季節風呂」にかかる費用の金額を計算しやすい。
- すぐに「季節風呂」で使う材料を調達できるわけではない。
- 事前にPRすることで利用者様がデイサービスを利用する動機付けができる。
私個人の仕事の考え方は「計画的でない仕事はできないか中途半端な結果になる」です。
「いつまでに」という期限を決めない仕事は優先順位が低くなって、結局やらないからです。
夏休みの宿題も期限を決めないから8月31日に慌ててやってしまうのと同じですね。
早めに年間計画を立てておくと、いつに材料を発注しないといけないかが明確になります。
月毎で年間の季節風呂を計画する。
「季節風呂」の年間計画を立てることができたら、あとは月毎にお風呂の計画を決めます。
最初に決めないといけないのは「季節風呂」を実施する日付です。
日付を決めないと材料の調達もできませんし、利用者様への告知もできません。
何よりも優先すべきは日付を決めることです。
実施する日付を決めたら、あとは発注する日付と足りない物品を発注するだけです。
あなたの職場で使える予算や注文してから手元までに届く期間は決まっているので、それまでに間に合うように無理のない日付を決めましょう。
あとはどれぐらいの期間実施するかも決めておきましょう。
1日だけ実施するか、1週間帯で実施するかは上司と相談の上決めましょう。
実施期間によって必要な材料の量も変わります。
季節風呂は「もの」がないと成立しない。
「季節風呂」は材料がなければ実施できません。
例えば、12月の季節風呂のゆず風呂はゆずがないとできません。
ゆずはスーパーでも買いに行けますが、買いに行く時間がなければネットで注文してもOKです。
季節風呂の材料を発注する方法
- ネット注文
- お花屋さん
- 八百屋さん
- 家の裏庭で自生しているものを使用
実は季節風呂を実施するのに必要な材料は他にもあります。
ゆず風呂でゆずを輪切りにして使用するのに、柚子だけでは足りません。
ゆずを入れる排水溝用のネットやネットを固定するための荷造り紐が必要です。
これらの材料はほぼ毎月必要になるので、足りなくなったら発注して良いでしょう。
ハサミを使うときの注意点
ハサミを使い終わったら、最後に本数を数えて元に戻すようにしましょう。ハサミは凶器です。利用者様の手に渡ってしまったら、取り返しのつかないことになる可能性があります。これは、季節風呂に限らず創作レクリエーションで使用するときも確認してください。
季節風呂を実施するまでの流れ
ではここで、ゆず風呂を例に実施するまでの流れを見ていきましょう。
- 前年末前年の末日までにやること
・年間の入浴の計画を立てる
・毎回使う材料を発注する(荷造り紐と、排水溝用ネット) - 実施する前月末季節のお風呂の材料を発注する。
・予算を準備する(上司に予算を使えるように説明)
・季節風呂の材料を発注する(ゆずの場合は1週間を過ぎると香りが弱くなるので実施日の1週間以内が目安)※消費期限に注意。生のお花はすぐに枯れやすくなるのでできるだけギリギリで届くようにしましょう。
・チラシを作って利用者様やケアマネに配布
- 実施日当日朝セットする。
・季節のお風呂をセットする。(ゆずを排水ネットに入れて、荷造り紐で固定)
・セットした季節風呂の写真を撮る。(利用者様のプライバシーに配慮する) - 実施後片付け
・使った材料は当日中に処分する。(できれば材料の使い回しは避ける)
- 後日ホームページやSNSで発信する。
・利用者様のデイサービスでの過ごされ方がわかる内容です。ぜひ、ホームページやSNSで発信しましょう。
実施する日付が決まれば、発注する日付やPRするタイミングも決められます。
まずは実施する日付を決めましょう。
発注まで終われば、あとは当日あるいは前日に準備するだけでOK!!簡単でしょ?
1年間の季節風呂
私が年間で計画した季節風呂はこの通りです。
毎年同じ計画でもいいですし、変えてもOKです。
ただし、季節風呂を決めるにはポイントがあります。
毎年同じ計画でも問題ありません。
1年前のことは完全に過去の出来事だから。
利用者様にとっては「久しぶり」の体験なのです。
自宅ではなかなか体験できないことを体験してもらう。
そんな「非日常」を感じてもらうのが「季節風呂」を実施する意味なのです。
【稼働率アップのチャンス】月末には次月の季節風呂を企画したらチラシでお知らせ!!
季節風呂を企画したらチラシを作って宣伝しましょう。
寝たきりの高齢者などにとって「季節風呂」が数少ない楽しみになる場合があります。
レクリエーションには参加できない。
でも、季節のお風呂を楽しむことはできます。
知らないことはないことと一緒。
定期的に実施していることがわかれば、家族様から「うちのおばあちゃん利用させようかな」というきっかけになります。
チラシ以外で季節風呂を宣伝する方法
- ホームページ(ブログ)
- SNS(ツイッター、インスタグラム、フェイスブック)
- ケアマネなどの口コミ
5年ぐらい前まではブログや広報誌、デイサービスだより(紙媒体)での情報発信がメインでした。
今ではインスタグラムを中心にSNSでのお知らせも一般的になりつつあります。
1年間の季節風呂を比較する。
1年間の季節風呂の準備のしやすさを表で比較してみました。
私の主観がベースになっていますが、参考にしてみてください。
毎月の実施が難しい場合、楽に準備できる時だけ実施するという手段もあります。
項目/月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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イメージ画像 | ||||||||||||
季節風呂名 | 松湯 | レモン湯 | よもぎ湯 | さくら湯 | 菖蒲湯 | どくだみ湯 | バラ湯 | ミント湯 | カモミール湯 | しょうが湯 | みかん湯 | ゆず湯 |
準備のしやすさ | めんどくさい | 楽 | 楽 | かなりめんどくさい | 楽 | 楽 | かなりめんどくさい | めんどくさい | めんどくさい | 楽 | 楽 | 超楽 |
注文方法 | ネット | 八百屋 スーパー | 自生 ネット | ネット | 花屋 ネット | 自生 ネット | ネット | ネット | ネット | 八百屋 スーパー ネット | 自前 | 八百屋 スーパー ネット |
コスト (絢音の主観) | 普通 | 安い | 安い | 高い | 安い | 安い | 高い | 普通 | 高い | 安い | うまくいけば無料 | 安い |
タイトル |
ちなみに、ドクダミは私の家の裏庭に生えていたのでそれを使用しています。
ドクダミは独特な臭いがあります。
【広報活動】季節風呂を実施したら写真を撮って媒体にアップ
「季節のお風呂」を実施したらブログやSNSにアップしましょう‼︎
広報誌を発刊している事業所であれば、ネタになります。
入浴という日常に「非日常」の体験ができる「季節風呂」は情報発信をするためにうってつけのネタです。
まとめ
ゆず風呂などの季節風呂は、「入浴+レクリエーション」です。
自宅では実施できないけど、デイサービスに来たら体験できる。
そんな日常を利用者様に提供できます。
利用者様のADLは日々衰えています。
昔は旅行に行っていたけど、今ではデイサービス以外ほとんど外出の機会すらない。
「季節風呂」はそんな利用者様にも旅行と同じような楽しみを提供することができます。
季節風呂を企画するポイントは「実施する日付」を決めること。
あとはいつ準備するのかを決めればいいだけです。
利用者様に入浴を楽しんでいただくためには、「季節風呂」の前に適切な介助力があることが前提です。
入浴介助ではどんなことをすればいいかまとめた記事を作ったので、そちらもチェックしてくださいね。
利用者様の喜びが自分の喜びとして感じられるあなたは介護士としての鏡。介護士があなたの転職ですよ❤︎
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