結論:排泄用品を使うことで利用者様の人生は明るいものになります。
介護士を始めるとほぼ毎日見る「排泄用品」
排泄用品、特にリハビリパンツがあることで利用者様はあなたが働いているデイサービスに来ることができます。
もしリハビリパンツがないと・・・
- トイレが近いので、30分の移動時間でも不安。
- もし「尿失禁」したらと考えると積極的に外出したくなくなる。
- 外出が億劫になり、すぐに寝たきりになる。
一度、利用者様が寝たきりになると歩行できるぐらいまでADLが回復するのはほぼ絶望的です。
つまり、あなたのデイサービスは利用者様をまた一人失いお給料が減ることになります。
リハビリパンツがあることで、あなたのデイサービスは売上を上げることができるのです。
排泄用品はリハビリパンツだけではありません。
デイサービスの利用者様が使用される3つの排泄用品
- パッド
- リハビリパンツ
- 紙おむつ
3つの排泄用品の特徴を知っているだけでは無意味で、正しく使わないと結局利用者様のズボンを汚してしまうことになります。
それでは、利用者様に恥ずかしい思いをさせてしまいます。
今回は、3つの排泄用品の特徴だけでなくリハビリパンツ+パッドの正しい使用方法についても解説します。
なお、紙おむつの使い方は「どうすればいいの?おむつ交換の手順☆」にて紹介させていただきます。
【排泄介助に必須アイテム】排泄用品の種類
デイサービスで使われる大きく分けて3つです。
尿取りパッド、リハビリパンツ、紙おむつです。ADLによってどの排泄用品が使われるかはある程度決まってきます。
ADLの特徴別「よく使われる」排泄用品
- 尿取りパッド・・・オールADL
- リハビリパンツ・・・自立歩行されているもしくは数秒程度は立位保持ができる。
- 紙おむつ・・・立位不可。寝たきりの方
ADLは目安です。
この排泄用品は「日中(デイサービスのご利用中)」に使われている排泄用品です。
昼はリハビリパンツで、夕方以降は紙おむつで過ごされる方もいらっしゃいます。
家族様から「帰宅前にはリハビリパンツから紙おむつに替えてください」と依頼があるときがあります。
尿取りパッドも実はいろんな種類のパッドがあるのですが、ここのブログはデイサービスが対象なので「昼用」の尿取りパッドで解説します。
入所施設や病院で働くとさらに多くの種類の排泄用品に出会うことになります。
尿取りパッド。布パンツやリハビリパンツと一緒に使える排泄用品の優れもの。
尿取りパッドはデイサービスでは最も使われている排泄用品です。
尿取りパッドはリハビリパンツや紙おむつと比べるとつけ外しが圧倒的に簡単だからです。
尿取りパッドを使用するメリット
- 多量に持参してもかさばらない。
- すぐに交換できる。
- リハビリパンツや布パンツにも取り付けることができる。
- 少量の尿失禁だったら、誰にもバレずに交換できる。
- ADLや場面に合わせて種類が豊富にある。
紙おむつだやリハビリパンツはズボンやパッチを完全に脱がさないといけない。
でも、尿取りパッドはズボンやパッチ、リハビリパンツを少し下ろすだけですぐに交換できます。
尿取りパッドのデメリット
- 陰部、肛門部分に当たっていないと失禁になる。
- 全てのパットに布パンツやリハビリパンツに貼り付けるテープがあるわけではない。
- 急に尿量が増えるとパッドだけでは吸水しきれない。
- 多量の便失禁には対応しきれない。
- リハビリパンツや布パンツと併用する場合、立位が安定していないと陰部や肛門部分に当たらない。
立位がしっかりしている利用者様の介助が楽になるメリットがある分、立位保持が難しくなると逆に介助しにくくなる場合があります。
デイサービスでは、リハビリパンツ+パッドで使用されていることが多いです。
リハビリパンツ。声かけだけで自立支援を促せる排泄用品。
リハビリパンツは見た目の通り、はかせるタイプの紙パンツです。
対象は歩行ができる、もしくは数秒程度手すりを持って立位保持ができる方です。
リハビリパンツだけをはかれるている方だけでなく、リハビリパンツとパッドを合わせて使われる方もいます。
リハビリパンツとパッドを併用すると、少量の尿失禁であればパッドだけを交換するだけでリハビリパンツは再使用できます。
リハビリパンツを使用するメリット
- 下着と同じ感覚で使用できる。
- 少量の尿量であれば吸収できる。
- パッドと併用しやすい。
- パッドで吸収できなくてもリハビリパンツで吸収できる。
- 紙おむつよりかさばらないないので、予備で持参しやすい。
10年ほど前までは分厚いリハビリパンツが主流でしたが、今では布パンツと大差がないほど「薄型」のリハビリパンツが増えてきています。
利用者様としては「おむつをつけている」感は少なくなっています。
間に合わない系の尿失禁の方であれば、ご自分でリハビリパンツの交換も可能です。
介護士からも「パンツを下ろしてください」と自立支援を促すことができます。
リハビリパンツは、自立支援を促す排泄用品です。
リハビリパンツのデメリット
- リハビリパンツに尿失禁があるとパッチ、パンツまで脱がさないと新しいものに交換できない。
- 立位保持が難しくなると、交換できなくなる。
- 紙おむつほど吸水性があるわけでない。
- 多量の便失禁があるとトイレを汚してしまう。
- パッドを交換するときより時間がかかる。
尿量が多い程度であれば、パッドと併用すれば下着まで濡らすのを防げます。
しかし、数秒程度の立位も難しくなってきたらリハビリパンツでは介助しにくくなります。
立位保持が数週間も続くようであれば、CMや家族様に「紙オムツ」を検討していただく段階です。
「紙おむつ」、ベット上での交換であれば立位保持する必要がないので利用者様の体にフィットさせる介助が可能になります。
上司に報告して申し送りにあげましょう。
紙おむつ。立位できない、寝たきりの方に使われます。
紙おむつは1日に2人いれば多いぐらい、あまり多くないです。特養の場合はほとんどが紙おむつです。
ただ、デイサービスの職員でも紙おむつを交換する機会はあるので交換の練習をしておきましょう。
紙おむつのメリット
- 多量の尿失禁があってもパッチやズボンまで濡れにくい。
- ベット上で交換できる。
- パッドと併用しやすい。
なんと言っても、介護度の高い方でもパッチやズボンを濡らすことが少なくなるのが最大のメリットです。
立位保持が難しくなっている利用者様の介助をするのに二人介助をしたり、立位介助している職員の腰を痛めてしまったり・・・・と介助が難しくなってきます。
ベット上でのおむつ交換だと腰を痛めたり二人介助の必要がなくなっています。
紙おむつのデメリット
- リハビリパンツ、パッドと比べてかさばる。
- 交換できるようになるまで、練習(現場での実践)回数を重ねないといけない。
- 移乗介助のスキルも要求される。
新人介護士がぶつかる壁の一つが「おむつ介助」です。
リハビリパンツやパッドはただ交換するだけでよかった。
交換するだけでほぼ、スキマができて尿漏れが少なくなります。
紙おむつの場合、ずれたりギャザー内に陰部、肛門部分を収めないと下着や服を汚してしまいます。
おむつ交換に関しては練習を重ねることでしかうまくなりません。
初めて介護士を始めたあなたは積極的におむつ介助に入りましょう。
おむつ介助する際は、先輩や上司に一緒に入ってもらいましょう。
人生がハッピーに❤︎リハビリパンツを使う理由
デイサービスではリハビリパンツを使用される方が多いです。
トイレまで間に合わずに排泄の失敗がある方だけでなく、排泄の失敗がない自立の方でも「慣れるために」使われる方もいらっしゃいます。
中にはリハビリパンツとパッドを合わせて使う方もいらっしゃいます。
いろんな場面でリハビリパンツ、パッドは生活に欠かせないのですが、今回は「外出(デイサービスの利用)」という場面でその必要性について解説します。
高齢者だって、排泄の失敗は恥ずかしいんです!!
- トイレまで間に合わずズボンを濡らしてしまった。
- 肛門が緩くなって排便でズボンまで汚してしまった。
- トイレが近い。
デイサービスの利用者様でも悩んでいる方多いトラブルです。
認知症が全くなくて、自力歩行されている方でもデイサービスの利用中に便失禁されることがあります。
排泄の失敗やトラブルが多くなると、利用者様が外出したくなくなります。
私たちでもおしっこを漏らしてしまうのは恥ずかしいこと。
想像してみてください。大切な会議の途中でおしっこを漏らしてしまう。
恥ずかしすぎて、もう仕事に行きたくないぐらい・・・
それは利用者様でも同じです。尿失禁するというのは2度と外出したくなくなるぐらいの「トラウマ」なんです。
下のデータをご覧ください。
ユニチャームHPより引用(https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2016/1204042_3942.html)
量に個人差があるとはいえ、「尿漏れ」は落ち込むぐらい大きな事件です。
経験がある方の約半数が「気の落ち込み」を感じています。
ユニチャームHPより引用(https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2016/1204042_3942.html)
尿漏れの頻度が多くなればなるほど気の落ち込みの割合も増えます。
尿失禁問題はQOLを大きく変える程なんですね。
ユニチャームHPより引用(https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2016/1204042_3942.html)
このデータから、尿漏れが原因で「長時間の外出」に不安を感じている高齢者が一般的になっています。
ほぼ全ての利用者様が「トイレ」が不安で外出が億劫になっていると解釈できます。
ユニチャームHPより引用(https://www.unicharm.co.jp/ja/company/news/2016/1204042_3942.html)
これらのデータから、尿もれが外出の機会を奪っているといけます。
- 尿失禁が増える。
- 落ち込む。
- 長時間の外出に不安を感じる。
- 外出を控える。
- 自宅に閉じこもりがちになる。
自宅に閉じこもりがちになると、人とのコミュニケーションが減り運動する機会も大幅に減ります。
たかだか「尿漏れ」の話が「寝たきり」の問題に発展するリスクがあります。
コロナ禍でも閉じこもりで「うつ状態」になる問題ってかなりクローズアップされましたよね。
リハビリパンツを使用することで利用者様は外出(デイサービスの利用)できるようになるんです❤︎
どんなに利用者様が注意していても、尿漏れはあります。
これは年齢とともに体の状態が変化するからです。
尿漏れじたいを防ぐのは不可能と考えるのが自然です。
そこで利用者様の閉じこもりを防止するのがリハビリパンツ。
リハビリパンツ使いやすさのポイントは下着を履き替えるかのように新しいものに交換できるところです。
感覚はパンツなどの下着と同じでしかも簡単に履き替えられます。
しかも、使い捨てなので「恥ずかしい」思いを最小限にすることができます。
利用者様は「長時間の外出するのに、移動時間中トイレが持つのか不安」と感じています。
リハビリパンツを使うことで、万が一トイレまで間に合わなくても新しいものと交換するだけでズボンやパッチを汚さずにすみます。
まるで、下着をはき替えるかのように。
使い捨てなので汚れたものはゴミ箱に捨てるだけでOK。
これは利用者様にとってかなり嬉しいアイテムです。
しかも「かさばらない」。ほとんど、布パンツと変わらない薄さです。
10年前までなら閉じこもりがちになっていた高齢者も、リハビリパンツの登場で外出しやすくなっています。
リハビリパンツの登場は高齢者にとって「生き方革命」なんです。
【デイサービスで最も使われている】リハビリパンツ、パッドの気持ちいい使い方
デイサービスの利用者様にとってリハビリパンツ+パッドの組み合わせは最強です。
なぜリハビリパンツ+パッドが最強なの?
- かさばらないので持ち運びしやすい。
- 尿量が多くてもパッチやズボンを汚さずに済む。
- 薄型のリハビリパンツもあるので下着をはく感覚で使用できる。
- 少量の尿失禁であれば、パッドの交換だけでOK。
- 夜用、昼用と尿量に応じたパッドがあるので使い分けしやすい。
多量の尿失禁があってもすぐに交換できるし、かさばらず持ち運びしやすい。
荷物を最小限に、多い日でも漏れないのはリハビリパンツ+パッドの組み合わせが最強な理由です。
ただし、リハビリパンツのみの時と比べると蒸れやすいのが難点です。
介護者が定時でトイレの声かけして、できるだけトイレでの排泄を促すか尿失禁したら早めに交換すれば蒸れやすい問題は軽減できます。
外出時の最強アイテム「リハビリパンツ+パッド」の組み合わせ。
正しい使い方をしないと、結局尿失禁でズボンまで濡れてしまうことになります。
正しいリハビリパンツ+パッドの使用手順
- リハビリパンツを引っ張って伸ばす。
- パッドも軽く引っ張る。
- パッドをリハビリパンツにセットor先にパッドを下半身に当てておく。
- リハビリパンツを引っ張って再度上げる。
ポイントは利用者様の体にフィットさせることです。
体にスキマがあると、利用者様が違和感を感じるだけでなく尿失禁があると漏れ出します。
せっかく最強の組み合わせも台無しです。
普通にはかせてあげるだけじゃダメなんです!!
【手順1】リハビリパンツを引っ張って伸ばす
リハビリパンツはS、M、L、LLと決まったサイズしかありません。
しかし、利用者様の体のサイズは様々。売られているリハビリパンツが必ずしも利用者様のサイズに合うわけではありません。
ベストな使い方としては、利用者様の体のサイズより小さめのリハビリパンツを伸ばしてフィットさせることです。
【手順2】パッドも軽く引っ張る
利用者様の陰部はおうとつがあります。パッドを軽く引っ張ることで利用者様の下半身にフィットさせやすくなる効果があります。
さらにパットのギャザーを立てておきます。ギャザー部分で排尿の漏れを防ぐことができます。
【手順3】パッドをリハビリパンツにセットor先にパッドを下半身に当てておく
リハビリパンツ内にパッドを収めておくことで、そのままリハビリパンツを上げられます。
ただし、この場合パッドが折れ曲がったり寄れてしまったりする可能性があります。
パッドの中にはテープがあるものもあります。
テープでパッドをリハビリパンツに固定させておくとパッドがずれにくくなります。
パッドをずれにくくするために、先に片方の手でパッドを当ててもう片方の手でリハビリパンツを当てる方法もあります。
実は、男女でパッドの当て方が違います。
パッドを陰部に直接当てることで、パッドのずれを防ぐことができます。
【手順4】リハビリパンツを引っ張って再度上げる。利用者様の体にフィットさせる。
割と多いのが手順3(リハビリパンツをあげる)までで終わる介護士が多いです。
実は、手順3までだと利用者様は「気持ち悪い」まではいかないものの、「違和感」を感じます。
高齢者の太ももやお腹のお肉って垂れてくるんです!!
このお肉って介助で一旦リハビリパンツの外に出してあげないと、利用者様は「フィット感」を感じないんです。
つまり、なんか違和感があるのです。
これをやっているだけで新人介護士のあなたでも他の介護士より「快適な排泄介助」ができます。
今度、私もやってみよう!!
リハビリパンツ、パッドの介助の注意点。【使い方を間違えると失禁します】
リハビリパンツやパッドはどこの部分でも排尿を吸収するわけではありません。
リハビリパンツ、パッドを当てたときに陰部、肛門部分が一番吸水するように作られています。
パッドがずれていたり、リハビリパンツが上がりきっていないと尿失禁、便失禁で下着や衣服を汚してしまいます。
排泄用品の交換手順はこちらで詳しく解説しています。
立位がしっかりしている利用者様でもその日は数秒も立位できない日もあります。
急いで上げようとしてリハビリパンツやパットがずれてします。
そうすると、尿失禁や便失禁の原因となります。
時にはもう一人職員を呼んで立位介助をお願いします。
その間にあなたがリハビリパンツ、パッドをきっちりセットすることができます。
一人で立位介助とリハビリパンツ、パッドの交換が難しいときは他の職員に協力をおねがしましょう‼︎
まとめ
80、90歳になってもデイサービスに来られるのは排泄用品のおかげです。
どれだけ歳を重ねても、認知症になっても自分の排尿でズボンまで汚れるって「外出するのが嫌」になるほど恥ずかしいことなんです。
尿失禁問題を解決するのが3つの排泄用品。
- パッド
- リハビリパンツ
- 紙おむつ
特に歩行や立位保持ができる程度のADLの利用者様にとって「リハビリパンツ+パッド」は多少尿量が増えてもズボンまで汚れにくい上に持ち運びしやすい最強の組み合わせです。
しかし使用手順を間違えると結局、利用者様を尿失禁させることになります。
正しいリハビリパンツ+パッドの使用手順
- リハビリパンツを引っ張って伸ばす。
- パッドも軽く引っ張る。
- パッドをリハビリパンツにセットor先にパッドを下半身に当てておく。
- リハビリパンツを引っ張って再度上げる。
パッドが折れてしまって結局尿失禁してしまうのはベテランでもたまにやってしまうミスです。
尿失禁は利用者様の心を消耗させてしまう事件です。
今から正しい排泄用品の使用手順を実践して利用者様のQOLを上げるお手伝いをしてくださいね!
ナイーブな問題だからこそ、寄り添うと利用者様からの信用が貯まります。
排泄用品の交換だけが、排泄介助の全てではありません。
排泄介助の基本を何度でも振り返って現場で実践することで
- スピード
- 丁寧
- トイレ拒否に対応した声かけ
介助力が上がります。
こちらの記事の内容を実践してもらえると嬉しいです。
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