誤嚥性肺炎(食べたものが気管に入ることで起こる肺炎)を防ぐために、食事前には嚥下体操を実施しましょう。
この記事の対象者
・はじめて、食事介助をする新人介護士
・肺炎で何度も入退院を繰り返している利用者様の介助をする方
・最近、むせこみが増えてきたと感じる利用者様の介護をしている介護士。
こんにちは、桜彩音です。
肺炎は日本人の死亡理由の第3位(2016年時点)です。
しかも、そのうち9割以上が65歳以上の高齢者です。
つまり、高齢者にとって「肺炎」は死に繋がる怖い感染症なのです。
しかも肺炎は、風邪からだけでなく、誤嚥(食べたものが気管に入ること)でもなります。
わたしたち、介護士や高齢者の介護をしている家族は高齢者が誤嚥性肺炎にならないようにケアをしなければなりません。
誤嚥性肺炎になる理由は「口腔機能(食べるための機能)」が低下したからです。
今回は、誤嚥性肺炎がどういうものかそして、誤嚥性肺炎を防ぐために介護士は何をすべきか。
なぜ、誤嚥性肺炎防がなければいけないのか解説します。
この記事を読むことで
・食事をするときの体の仕組みを知ることができます。
・嚥下機能(食べたものを飲み込む力)が栄養状態にどのような関係があるのか理解することができます。
・口腔機能を低下を防ぐ対策を立てて、実施することができるようになります。
嚥下機能とは
食事をするときの体の仕組み
健康な方であれば、食べたものが喉を通って食道に入るときに、喉頭蓋(食べたものが気管に入らないようにするフタ)が動いて食べたものが気管に入らないようになります。
脳梗塞や老化により、咽頭蓋のはたらきが弱くなり食べたものが気管に入りやすくなります。
細菌が含まれている食べたものや唾液が肺に入り込んでしまうことで「誤嚥性肺炎」を起こしてしまいます。
嚥下機能の低下と栄養状態の関係
嚥下状態(食べたものを飲み込む力)が悪くなると・・・
- 食べたものを飲み込みにくくなる。
- お茶や自分の唾液でむせ込みやすくなる。
- 食べるのに時間がかかる。
つまり、食べる量が少なくなってきます。
食べる量が少なくなると、栄養状態が悪くなり
- 体重が減少する。
- 感染症(風邪などに)かかりやすく治りにくい。
- 褥瘡(床ずれ)が治りにくい。
などの症状が現れます。
口腔機能の低下は全身機能の低下
誤嚥性肺炎肺炎について
誤嚥性肺炎とは、細菌が含まれている食べたものや唾液が肺に入り込んでしまうことで起こる肺炎のことです。
特に高齢者で多く見られます。
一度、誤嚥性肺炎を起こすと再発する可能性が高くなる非常に怖い病気です。
場合によっては、在宅酸素を受けられる方もいます。
肺炎は高齢者の天敵
2016年の死亡原因の第三位が肺炎です。
うち65歳以上の人の死亡割合が97%となっています。
このことから、肺炎=高齢者にとって死につながる恐ろしい病気であることがわかります。
誤嚥性肺炎にならないためには、
口腔機能(ものを食べるときに使う筋肉や唾液の量など)を
維持・向上させることが重要です。
次は、口腔機能を低下させないたの体操やマッサージの仕方について解説していきます。
口腔機能の低下を予防しよう
嚥下体操のやり方
嚥下体操
はじめてみよう!やってみよう!口腔ケア(http://www.kokucare.jp/training/training/enge/)より引用
(よくある質問)
いつやればいいかのなぁ?
食事前がベストね。
あとは、お風呂に入りながらとか
テレビを見ながらとか、「ながら」
でもできるわよ。
食べるときに使うのは口の筋肉だけなんでしょ?
実はそうじゃないのよね❤️
・手
・頭を支える首や肩の筋肉
・腕の筋肉
・背筋や腹筋
・体全体を支える足の筋肉
も食べるときには意外と使っているのよ⭐️
ということは、
食べる以外の筋トレにもなるってこと?
さすがわ、琴音。その通りよ。
・笑顔などの表情を作る
・お喋りをする。
など、人がコミュニケーションをとるときに欠かすことのない体の動作にも関わってくる筋肉を鍛えることができるの。
わたし達は普段あまり気にしていないけど、
「食べる」という動作をするだけで、少なくとも7つもの体を動かしていることになるのね。
じゃあ、お姉ちゃんのお口はどうしてこんなに大きいの?
それはね・・・
お前を食べるためだよー!!
きゃーっ!
食べられちゃうわー❤️
って何させんねん👋
わたしは狼か!!
わたしは、お胸小さいし、ガリガリ君
だから美味しくないわよwww
アリス、あんたまで乗らなくていいわよ!!
しかも、少し半笑いなのが腹立つ💢
唾液も嚥下(食べたものの飲み込み)に必要。
「唾液の量=飲み込みやすさ」 です。
食べたものを咀嚼(噛むこと)で唾液が出てきます。
唾液には、アミラーゼという食べたものを消化するためのものが含まれています。つまり、飲み込みやすくために唾液は絶対に必要です。
しかし、高齢になってくると唾液が出てくる量は少なくなるので飲み込みにくくなります。
唾液の出をよくするマッサージ
- 両手をほおにあてて、ゆっくり円を描くようにマッサージする(前回し、後ろ回しを各5回)
- 親指をあごの内側の柔らかい部分に当てて、耳の下あたりから5カ所くらいを押す(各5回ずつ)
嚥下状態が悪い人にはトロミをつけよう
お茶や自分の唾液でもむせこむ高齢者は多いです。
もし、むせ込みが酷ければ、お茶や食事にトロミを使いましょう。
ただし、熱いお茶などにトロミを入れると火傷する恐れがあるので、熱いものはある程度冷ましてからトロミを入れましょう。
食事形態の変更
嚥下状態が悪くなると、誤嚥(誤って食道ではなく、気管に食べたものが入ること)しやすくなります。
ここでは、食事形態(食事の固さ)を変えることで誤嚥を防ぐ方法を解説します❤️
一般的な食事形態の種類
- 形(おかずを細かく切ったり、刻んだ利していない状態)
- 刻み(おかずを5mmから1cmに切ったもの。)
- ミキサー食(主食のお粥や副菜をミキサーにかけてペースト状、液体状にしたもの)
- 流動食(ヨーグルトや茶碗蒸しなどの液状の物や個体でも噛まずに食べられる。手術後や高熱で胃が弱った人向けの食事形態)
- 軟菜(飯)色(主食は柔らかいご飯やお粥、うどんは通常より柔らかくした物。油物やこぼう、たけのこなどの食物繊維の多い硬い食材を控えた物。咀嚼(噛む力)が弱くなっていたり、胃腸が弱くなっている人向けの食事形態)
やたら、食事をするのに時間がかかっていたりむせ込みが多くなってきたら食事形態の変更を検討してみましょう。
まとめ
嚥下機能を理解するポイント
・嚥下機能の低下は栄養状態の悪化を招く。
・肺炎は高齢者にとって命を奪う悪魔。
・嚥下体操、唾液腺マッサージを習慣にしよう(毎日やる)
・嚥下状態の悪い人には、トロミをつける、食事形態の変更をするなどして未然に誤嚥を防ごう。
コメント