熱中症からデイサービスの利用者様を守る研修マニュアル。

デイサービス運営
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櫻絢音
櫻絢音

この記事の対象者

・熱中症対策の研修を任された介護士
・熱中症のマニュアルを作りたい担当者
・絶対にデイサービスで利用者様を「熱中症」にしたくないと考える介護リーダー


となっています。

桜アリス
桜アリス

今回の記事は

この記事をプリントアウトすれば「熱中症」に関する施設内研修等で使える内容となっています。

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熱中症のおさらい

熱中症の基本情報

櫻絢音
櫻絢音

このブログの方は既に熱中症についてご存知だと思います。しかし、ここで簡単におさらいします

「くすりと医療の情報局」HPより引用(https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/31_nettyusyo/)

熱中症の原因

  • 体温が上がる。
  • 体内の塩分、水分のバランスが崩れる。
  • 体温の調節機能の低下

熱中症の主な症状

  • 体温の上昇
  • けいれん
  • 頭痛

など

熱中症の重症度

Ⅰ度  現場で応急処置のできる軽症

  • 立ちくらみ
  • 筋肉痛
  • 筋肉の硬直
  • 大量の発汗

 

Ⅱ度 病院への搬送を必要とする中等症

  • 頭痛
  • 気分の不快
  • 嘔気(吐き気)
  • 嘔吐
  • 倦怠感
  • 虚脱感

Ⅲ度 入院して集中治療の必要性のある重症

  • 意識障害
  • けいれん
  • 手足の運動障害
  • 高体温(重度の日射病)

 

より詳しく熱中症を知るために読んで欲しい記事

https://camera-nurse-camp.net/heatstroke-prevention/

熱中症の起こりやすい季節

2015夏季熱中症患者発生数(東京23区)

大塚製薬HPより引用(https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/heat-disorders/situation/)

7〜8月の日中の最高気温の暑い日や熱帯夜の続いた日などに熱中症になりやすくなります。

 

高齢者では、室内で熱中症のために亡くなっている方も少なくありません。

 

基本的に高齢になってくると「暑さ」を感じにくくなり代わりに「寒さ」を感じやすくなります。

 

そのために、熱中症になりやすくなります。

桜彩音
桜彩音

実は、熱中症は6月ごろから増え始めます。
6月になると、湿度が上がるからです。
湿度が上がると、汗をかいても蒸発しにくく体の熱を下げにくくなります。
また、気温も上がり始めるので体が暑さに慣れていないことも関係します。

ちょっと話は脱線しますが・・・

注意:介護リテラシーを上げるため、介護業界の専門用語をあえて入れています。注釈を入れているので、ここで必ず覚えましょう。

桜彩音
桜彩音

実は去年の8月ごろに利用者様のお宅に送迎した時に、気温が36℃超えているのに、コートを着て暖房もかけている利用者様がいてたわ。

えーっ!!
36℃でコートと暖房!?
もしかして、高齢者世帯なの!?

桜琴音
桜琴音
桜彩音
桜彩音

そうなのよ。
そこのお宅の※主介護者の方も高齢な方で、それ以外にご家族は同居されていなかったわ。
おそらく、その主介護者も認知症なんでしょうね。

※主介護者・・・主に介護されているご家族や関係者のこと。高齢者のみの世帯の場合は妻もしくは夫である場合が多い。

それって、まずいんじゃないの?
それこそ、自宅内で熱中症で亡くなっていてもおかしくないぐらい。

桜琴音
桜琴音
桜彩音
桜彩音

そうなのよ。
この場合、ケアマネに動いてもらうしかないわね。
多分、※地域包括支援センターへ報告する案件ね。

※地域包括支援センター・・・介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。略称は「包括」。各区市町村に設置される。2005年の介護保険法改正で制定された。

桜彩音
桜彩音

今回は地域包括支援センターの話は省くけど、実は「熱中症」の問題は、高齢者のみの世帯の場合自宅での生活が続けられるかどうかの問題も含んでいて実は複雑な話になる場合もあるのよ。

「熱中症」から※事例困難なケースが見つかる場合もあるっていうことね。

桜琴音
桜琴音

※事例困難なケース・・・たとえば、認知症の利用者様の主介護者も認知症(疑い含む)で実際にご飯が毎回ファーストフードになっているなど、在宅での生活が困難になっている利用者様の家庭のこと。ケアマネが利用者様の担当を持つことを「ケースを持つ」と言われる。この場合、ケアマネでも支援が難しい利用者様とその家族様という意味で使われる。

桜彩音
桜彩音

だから介護職、特にデイサービスの介護士は観察力が必要なのよ。

利用者様の水分摂取を促そう

水分量の少ない利用者様には水分チェックをしよう。

高齢になってくると、「喉が乾き」を感じにくくなります。

 

このため、高齢者は慢性的に脱水しやすくなります。

 

体の体温を下げるためには①汗をかいて②かいた汗が蒸発しなければいけません。

 

熱中症を防ぐ対策の一つは「水分を取る」ことです。

 

「トイレに行きたくなるから水分取らない。」という方も少なくないので、「お茶もっと飲みましょう。」という声かけしましょう。

 

さらに、デイサービスにいている間どの程度水分摂取しているか記録をし日中の水分摂取量を把握しましょう。

 

排尿の量が少なければ、水分不足を疑おう。

利用者様が水分を取れているかどうかを判断する目安の一つが排尿の量があります。

 

摂取する水分の量が少ないと、当然、排尿の量も少なくなります。

 

普段と比べて排尿の回数・量が少なければ「摂取する水分の量が少ない」と判断して良いです。

 

 

室温を管理する。

熱中症対策で一番重要なのが、「室温管理、湿度把握」です。

 

特に、湿気の多い夏場は汗をかいても蒸発しにくいので体温を下げにくくなります。

 

したがって、熱中症にかかりやすくなります。

 

そして、室温を管理して熱中症にかからないようにすることが熱中症にならないための一番の対策です。

 

梅雨時の蒸し暑さで、冷房をかけるのをためらわれる時もありますが、ドライ機能を使うだけでも熱中症になるのを防ぐことができます。

桜彩音
桜彩音

実は、気温が上がり始める梅雨時から梅雨明けの時の方が熱中症に注意が必要です。なぜなら、体が慣れていないからです。
利用者様が熱中症にならないようにデイフロアの室温管理をしましょう。

高齢者は寒がりが多い。

高齢になると「暑い」という感覚を感じにくく、「寒い」という感覚は感じやすくなります。

 

つまり、高齢者の中には気温が36℃でも冷房をかけない人がいるということです。

 

冷房をかけなければ、体温は上がり続け重度の熱中症になってしまいます。

 

高齢者は私たち介護士が考えている以上に、熱中症になりやすい状態なのです。

桜琴音
桜琴音

水分は摂らない、冷房はつけない。
高齢者は何も支援をしないと、熱中症にかかりやすいですね。

冷房が寒いと訴える利用者様のいるデイサービスでの熱中症対策。

デイサービスで冷房をつけ始めるときには、利用者様・家族様に1枚上に羽織れるものの持参をお願いしましょう。

 

高齢になると冷房を寒いと訴える利用者様が多いからです。

 

しかし、利用者様の訴えを鵜呑みにして冷房をつけないと・・・・

 

確実に熱中症になってしまいます。

 

デイサービスは利用者様の安全確保することが仕事です。

 

冷房をつけていないために、利用者様が熱中症になるのはとても具合がよろしくありません。

 

寒くなったら持参の上着を羽織ってもらう。

 

そうすることで、夏場の冷房を適切に使用しましょう。

室温、湿度計は常時介護職が見えるところに設置する。

利用者様がデイサービスで熱中症にならないようにするためには、介護士がデイサービスフロア内の室温を調整する必要があります。

 

自分の肌感覚で「暑い」あるいは「寒い」と判断するのは大変危険です。

 

感覚は人によって違うからです。

 

この場合、感覚ではなく客観的な数字で判断する必要があります。

 

なので、デイフロア内には誰でも見れるように大きな湿度計付きの室温計を置いておきましょう。

 

利用者様から「寒い」と言われて冷房を弱めるべきか否かを決める客観的な判断材料になります。

櫻絢音
櫻絢音

熱中症対策の基本は室温管理と湿度の把握です。
体で感じる「暑さ」には個人差があるので、自分の感覚ではなく湿度計付きの室温計で室温管理の目安にしましょう。

まだ湿度計付きの室温計を設置していない事業所はいますぐ購入を上司に打診しましょう。

桜アリス
桜アリス

困ったときの経口補水液。その名も「OS1」

OSー1(経口補水液)とは、飲む輸液(点滴)。

オーエスワンは、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。

 

感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態、高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態等に適しています。

【OSー1 HP】

https://www.os-1.jp/

いざという時のために、OSー1を確保しておこう。

わたしの職場でもOS−1を常時5本程度は確保しています。

 

いざというときに水分補給ができるためです。

 

今、施設にOSー1を確保しているところは増えてきています。

 

また、熱中症以外の時でも急な発熱や下痢便、嘔吐でも体内の水分が少なくなると言われています。

 

熱中症の時だけではなくて、一年中置いておくと安心です。

 

桜彩音
桜彩音

わたしも、インフルエンザなどで高熱の時にはOS−1を飲んでいます。これを飲むと、調子が良くなります。

まとめ

桜アリス
桜アリス

熱中症についてのまとめ

・高齢者は「暑い」という感覚を感じにくくなる。
・水分の少ない利用者様には、水分摂取を促し、水分チェックで利用者様の水分摂取量を把握しよう。
・室温・湿度計は常時、介護士が確認できる場所に設置する。
・気温が上がりはじめたら、利用者様・家族様にすぐに羽織れる上着を持参してもらえるように依頼する。
・OSー1を職場で確保しておこう。

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