結論:読者にとって知りたくない情報を載せるのはただの紙の無駄遣いです。
この記事の対象者
・介護施設の広報誌の担当者
・広報誌からの集客やボランティア・介護士を集めたい介護施設の人事担当者
・「読まれる広報誌」を作りたいと思っている広報誌の編集者
です。
この記事を読むことで
広報誌に絶対入れてはいけない記事の内容
を理解することができます。
こんにちは、櫻絢音です。
インターネットでほとんどの情報を集めることができるようになっても、介護施設の広報誌はなかなかなくならないものです。
介護業界においてはホームページよりも広報誌の方を読む方の方がまだまだ多いです。
しかも、広報誌は介護士が、介護業務と兼務して作っている場合ほとんどです。
どうせ介護施設の広報誌を作るのなら
読者に読まれる広報誌
を作りたいものです。
今回は、施設の広報誌の編集長を5年間努めた私が「絶対広報誌で載せてはいけない記事」を紹介します。
実は、それをやっている介護施設は意外と多いものです。
この際に、自分の介護施設の広報誌にN Gな記事が載っていない確認して見ましょう。
読まれる広報誌には読者が知りたい情報が掲載されている。
まずは、介護施設の広報誌の読者がどんな人か確認しておきましょう。
広報誌の読者
- 利用する介護施設を探している高齢者・その家族
- ボランティア活動の場所を探している人
- 介護施設で働きたいと思っている就職活動中の人
- 介護施設に実習する予定の学生
- 医療、福祉業界の関係者(施設長なども含む)
「誰にも読まれる広報誌」は誰にも読まれない広報誌になっていることがあります。
読者の気持ちを掴むことができないからです。
「入浴」情報でさえ、それが就職活動をしている人かデイサービスを探している人かで求めている情報が違うからです。
どんな人が広報誌を読んでいる?読者の想定をするために「コンセプト」を決めよう。
どんな人が介護施設の広報誌を読んでいるのか想定しておきましょう。
広報誌を読みたい人というのは、「介護施設を利用したい」あるいは、「介護施設で働きたい」など、何らかの形で介護施設と関わりを持ちたいと考える人です。
もちろん、広報誌を読む目的は読み手の立場によって変わってきます。
つまり、広報誌の読者は広報誌を読むことで知りたい情報はたくさんあるのです。
しかし、広報誌には紙面に限りがあります。
つまり、みんなに知らせたいすべての介護施設の情報を全て載せることはできません。
そこで重要になってくるのが
コンセプト(どんな人に読んでもらえる記事を作るのか?)
です。
広報誌を作るためには、まず広報誌のコンセプトから決めていきましょう。
私が介護施設の広報誌の作成を担当していたときは、まずは「コンセプト」を決めていました。
- 誰に対して(利用者様向け?家族様むけ?就職活動者向け?)
- どんな内容の情報を(新しく建てた施設の紹介?行事の紹介?普段の利用者様の過ごされ方?)
- いつ(発行されるのはいつか?)
- なぜ(利用者様の獲得?営業のための資料として?企業説明会で使用する?)
このように、広報誌がどんな場面で誰がどんな目的で使うのかをはっきりイメージさせておく必要があります。
その上で、
「この広報誌は一言で言うとどんな情報が載っているの?」
ということを決めておきましょう。
コンセプト決めは広報誌を作る中で一番時間をかけないといけないところです。
私は、広報誌のコンセプトを決めるのに最低でも10時間は時間をかけています。
他の広報誌作成の担当者と何度も会議を重ねて、「読者はどんな情報を知りたいのか」を徹底的に議論を重ねて「あーでもない。」「こーでもない。」と言いながら決めました。
コンセプトを決めないと、「何を言いたいのかわからない広報誌」が出来上がってしまします。
読者が知りたいこと
コンセプトを決めて、読者のイメージが固まったらつぎにその読者はその介護施設の何を知りたいのかを確認しましょう。
広報誌で読者が知りたいことは、大きく4つのことがあります。
介護施設の設備
介護施設において、どんな設備があるのかは大変重要です。
特に入浴の設備は、読者にとって重要なポイントとなります。
なぜなら、介護施設の利用者様は入浴のニーズが高いからです。
たとえば、私の働いているデイサービスでも40名中約35名はデイサービスで入浴されています。
午前、午後と入浴サービスを提供してやっと全員入浴していただける程度の人数です。
これは、自宅での入浴設備では安全に入浴できないので、施設の入浴設備を使って入浴したいという利用者様や家族様のニーズが高いからです。
つまり「チェアーイン式」や「リフト式」の機械浴があるからそこのデイサービスを利用したいという利用者様は少なくないということです。
介護施設を利用するメリットは
介護施設を利用することで、自宅で整備するのに困難な設備を利用することで生活上困っていることを解決する
ことです。
介護設備と合わせて介護士がどんな介護をしているのか広報誌で取り上げましょう。
そうすることで、その介護施設を利用することで読者の介護生活上の問題を解決するヒントを与えることになります。(あわよくば自分の施設を利用してもらえるかもしれませんよ。)
介護施設の設備というのは、介護士の介護力と同じぐらい重要なものです。
介護士が利用者様の介護をしている場面と組み合わせて紹介するなら、介護施設の設備というテーマだけで広報誌を作っても良いぐらいです。
介護施設での雰囲気
介護施設を利用したい人、介護施設で働きたい人共通で知りたいことが
その介護施設の雰囲気はどういうものか?です。
もちろん、一番良いのは介護施設を訪問することですが、現代人には難しい問題です。
そこで、広報誌で写真の載せることでその介護施設での雰囲気をある程度読み手に感じさせることができます。
あとは、写真では足りないところを文章で補って説明することで読者はその施設がどういう施設かを理解しやすくなります。
読み手が、利用者様であっても介護士として働きたい人でも、そこで「うまくやっていけるかな」という問題は一番重要ですね。
広報誌である程度その雰囲気がわかれば行動に繋がりやすいですね。
利用されている方が楽しそうに過ごされているか(レクリエーションなど)
どんな介護施設でもどんな職場でも「楽しいかどうか」が重要です。
楽しくない介護サービスを利用したり、職場で働きたいと思う人はいません。
そこで、その介護施設のサービスを利用しても、働いても「楽しい」ということを伝えるために
レクリエーション(イベントも含む)
を紹介するのが一番効果的です。
実際に、そのレクリエーションに参加した利用者様やレクリエーションを実施した介護士の感想などの言葉を「」で紹介すると、その施設は楽しいということを説得力を持って読者に伝えることができます。
たとえば、
『利用者様と輪投げゲームをしました。介護士Aが利用者様Bに「もうちょっとや。惜しい。もう一回やってみましょう」と声かけしました。すると、利用者B様はもう一回輪投げをすると、輪が棒に引っかかりました。B様は「やったー、私もいれれるんやー。すごいな私」と笑顔で話されていました。
輪投げの時間が笑顔で包まれる時間となりました。』
と書くと、職員の動きや利用者様の感情を伝えやすくなります。
写真と合わせて編集すると、より介護施設のレクリエーションの雰囲気を伝えることができますよ。
働きやすい職場かどうか
はっきり言って、その介護施設が「働きやすい」職場かどうかは、広報誌だけでは伝えることはできません。
実際に、介護施設を見学しないとわからないことだからです。
しかし、広報誌で興味を持ってもらえることはできます。
「ウチから近いから働くのを考えてみようかな。」
「職員用のご飯が美味しいから良いな」
「写真に写っている利用者様や介護士はみんな笑顔だけど本当なのかな」
と心を引っ掛けたら広報誌を作った効果があったというものです。
広報誌で読者の心を引っ掛けて、施設へ問い合わせ・見学依頼があれば受け付けましょう。
あとは、施設見学等で自分の介護施設の魅力を伝えれば、介護士の確保することができますよ。
広報誌の紙面の無駄遣い。読者が全く興味を持たない記事の特徴3選。
ここからは、広報誌に絶対入れてはいけない記事を解説します。
以下の内容の記事は読者は全く興味のない内容です。
読んでもらえる広報誌には不要なものです。
施設長など、上司からの指示がない限り絶対に入れてはいけません(誌面の無駄遣いです。)
アリスにツッコミを入れてもらいます。
施設長挨拶
結論から言うと、施設長挨拶は誰も見ません。
もしかしたら、施設長本人や他の施設長ぐらいは見るかもしれませんが正直興味ありません。
もちろん、その施設の施設長が人気芸能人であったり、急激に成長してメディアにも引っ張りだこの施設長だったりすると話は別ですが少なくとも私はそんな話を聞いたことはありません。
言ってみるなら、どこのおっさんかわからない人の「この施設では〜」と言う話を載せられても、読む気に離れないですよね。
学生時代、みんなは校長先生のお話って毎回楽しみにしてました?
私は、あまり興味なかったです。
むしろ「早く終われ」って思っていたぐらい。
施設長挨拶も一緒です。
新人職員の紹介
新人職員を大切にするのは良いことです。
これから、その介護施設で重要な役割を担ってもらわないといけない人材です。
ただでさえ、介護業界の人材不足なので、新人職員には頑張ってもらいたいと私も思います。
思いますが・・・
それは、あくまでも介護施設のうちうちでの話です。
読者にとって新人職員の紹介は
全く知りたくもないどうでも良いこと
です。
新人職員の顔写真付きで「これから〇〇のような介護士になるように頑張ります。」コメントと一緒に新人職員の人数分の紹介をされたところで読者は「こんだけ、新人職員入ったんだー、すごいね。」だけで終わります。
なぜなら、大切なのはそこから何人が5年、10年と長く続けられるのかが重要だかです。
これも、施設長挨拶と同様で新人職員が有名芸能人だったら話は別ですが、そうでなければ読者にとって誰が新人職員として働き始めたのかと言う情報は全く価値がありません。
新人職員の写真とコメントがあったところで読者は「それで?」って思います。
どうしても、新人職員を紹介したいのであれば、ホームページ上で紹介すれば十分です。
編集後記
編集後記とは、広報誌の一番最後に書かれている広報誌の編集担当の「広報誌を作ってみての感想」や「広報誌を作るにあたってのエピソード」あるいは「時候の挨拶」などを載せたものです。
これも、全く必要ないです。
なぜなら、読者にとって広報誌を作った担当者に全く興味を持っていないからです。
たしかに、広報誌を作るのは大変です。
通常の介護業務もしながら、スキマ時間で広報誌を作っている介護士の方がほとんどです。
私も、広報誌を作るために1週間ぐらい仕事が終わるのが22時過ぎと言う日々が続いたこともあるぐらい苦労して作りました。
しかし、そんな苦労は読者から見て
知ったこっちゃない
出来事です。
読者が知りたいのはあくまでも
- 本当にその施設を利用して生活が楽になるか
- 長く働き続けることができるぐらい働きやすい職場なのか
- 楽しく利用し続ける、働き続けることはできるのか
- (ケアマネが利用者様に)その施設を進めたくなるのかどうか
ということで、介護施設の職員の個人的なことを知りたいわけではありません。
紙面の無駄なのでいますぐやめましょう。
「いやいや、あなた(広報誌の編集者)の苦労話とかエピソードとか別に知りたくないし。」
広報誌に入れておいた方がいい項目
介護施設ホームページのURL
これは、もし施設でホームページを運営されていたらの話ですが、広報誌の題名の近くにホームページのURLを必ず入れておきましょう。
なぜなら、広報誌で興味を持った読書はホームページを見るからです。
広報誌の紙面には、限りがあるので載せれる内容にも限りがあります。
しかし、ホームページ上に載せれる情報は実質的に無限です。
特に利用者様の日々の様子を伝えるためのブログも運営していれば、広報誌より詳しく利用者様の様子を知ることができます。
広報誌に興味を持ってもらったら、URLを載せ得ておくだけでホームページを見てくれるので、載せない手はありません。
私も、広報誌を発行するときに印刷の業者さんには「URL今回も載せてください。」と依頼していましたよ。
「はじめに」(その広報誌は何を伝えたくて作ったのかという導入文)
編集後記と「はじめに(導入文)」の違いは、その広報誌がどんなコンセプトで読んで欲しいのかを書いているか書いていないのかということです。
つまり、「はじめに」は「ここがこの施設の売りになるところだからここは何度も読んでくださいね。」と注意を惹きつける文章です。
ブログでいうところの導入文と一緒ですね。
そうそう。
広報誌の読者が知りたいのはこういうことですね。
その施設が何を大切に思って、どのように具体化しているのか。
読んで、それがわからない記事はただの紙の無駄遣いですね。
各施設の周辺アクセス
施設の周辺アクセス(地図や公共交通機関での行き方)は必ず入れておきべき項目です。
なぜなら、介護施設は施設見学してもらうことがその施設を理解してもらう一番の手段だからです。
広報誌を見ても、その介護施設どこにあるのかわからなければ読者はその介護施設に行こうとは思いません。
どうしても、行きたいと思うぐらい読者の興味を惹きつけられたら調べてでもいくでしょうが、現代人は忙しいです。
大体後回しになってしまいます。
もし、周辺のアクセスが載っていて家や学校の近くだったりしたら「ついでによって行こうかな」と思うようになります。
読者の興味を惹きつける記事なのに周辺アクセスを載せていない広報誌はとてももったいないです。
施設周辺の地図はGoogle マップで十分です。
それと、バス・電車の最寄駅と主要な駅からの行き方を合わせて記載があると便利です。
アミューズメント施設のホームページの「交通アクセス」を参考に作りましょう。
まとめ
広報誌で絶対載せてはいけない記事の内容
・施設長挨拶(興味あります?)
・新人職員紹介(はい。それがどうしたの?)
・編集後記(編集者のエピソードなど全く興味ない。読者の時間を奪うな)
今日はとりあえずこれだけは覚えておいてください。
意外とこれを載せている介護施設の広報誌は多いです。
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